第3話 脱出
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さてと、さっさと脱出しますかね。この鉄の牢屋の扉の部分のカギをガスバーナーもどきで、ジジジ、はいガチャリンコと
「あんた。ほんと雑ね。脱出計画とかいうからなにか考えがあるかと思ったら
おもいっきり力技じゃない」
「まあグレッド様ですから」
おいおい二人ともそんなに呆れるなよ。これも立派な脱出計画だよ
ただ偶然にもレベルがあがったしエルーナも一緒に脱出することになったからな
計画変更だ計画変更
さて、扉をくぐってみるとそこは立派な部屋ではなく洞窟だな。うん、知ってた
この牢屋自体一番奥に作られてるから一本道だからわかりやすいよね
道なりに歩いていくと奴らのしゃべり声が聞こえてきた
「ぷはーたまんねー」
「ああ、男爵の息子を攫ってくれって言うからやばい仕事かと思ったら。頼んできたのが身内だもんな。こんな楽な仕事はねーわ」
「ああ。おかげでこうやってたんまり報酬ももらって昼間からいっぱいやれるしな」
やっぱりアルトの言う通り犯人は継母っぽいな。というか真昼間から酒か。いい身分だなおい
「あんたの身内って最低ね」
「まあ、最低だろうな。ただ俺がいる限りあいつが生んだ弟は後を継げんからな。仕方がないんじゃないのか?」
「なんか変なところで同情的ね」
「まあ。地位なんぞくれてやってもいいしな」
「グレッド様!」
そう呆れるなよエルーナ。それにアルトも怒るなって。
ひたすら働いて死んだ前世を思い出してるから親父が今回も王都のお偉いさんのパーティーに出るために呼び出されてるのをみてると前世と被るのよ。今回の人生はいろいろ楽しみたいからな。どうしても地位に魅力を感じないだけなんだよ
それよりも親父は王都に行ってるし継母の独断くさいな
とりあえず、曲がり角からのぞいた限り洞窟をすこし掘って部屋みたいにしたところで飲んでるみたいだし、どうするかな
いるのはあの臭いおっさんともう一人の奴の二人か
他に仲間は今のところはいなさそうだな
さてどうするかと思ってたら隣のエルーナさんがなにやら呟いてますよ
「届け風よ!ウインドカッター!」
あっ。おっさんの前で飲んでたやつの首が飛んだ。
うわぁ。血がドバドバでてるよ。たしか心臓の拍動に合わせて噴いてるんだっけ
「な、なんだ!?」
おっさんが慌てて立ち上がって腰の剣を抜いて回りをきょろきょろしている
まあ、こいつには俺も斬られたし一丁やったるか
「届け風よ!ウインドカッター!」
指からガスバーナーもどきを出したらエルーナさん・・・やっちゃったよ
「どっちが計画なしなんだか」
「う、うるさいわね。あいつらにはひどい目に合わされたから思わずやっちゃったのよ!」
「まあまあ。お二人とももうやってしまった以上引き返すことはできません。さっさと先に行きましょう」
アルトが俺とエルーナの仲裁に入ったけどアルト君、本当に5歳児?どうみても出来るエリート会社員にしか見えないんだがというか血は平気なの?
あ、屋敷の鳥やら絞めてるから大丈夫。あ、そうですか
「あ、アルト、エルーナちょっとまった」
「なによ」
とりあえずこいつらの懐とかこの部屋っぽい所を少し漁ってとよしあった
「あんたちゃっかりしてるわね」
「さすがグレッド様です」
うん。俺が手にしたのは金貨の袋ね。金はあって困るもんじゃないし、さっきこいつら報酬もらったって言ってたからあると思ったんだ
「よし、二人とも先に行くぞ」
洞窟の通路を抜けると外が見えてきた
「おい。そろそろあいつらと交代にいけよ」
「ああ。もうそんな時間か。なら行ってくるわ」
あ、一人、中に入ってきて俺とばっちり目が合っちゃった。やべ、叫ぶぞこいつ!
「子供がにげた!ぎゃああああ」
思わずやっちゃったよ。焦ったのもあってガスバーナーじゃなくて火炎放射器みたいになって火だるまにしちゃった・・・
「どうした!ぎゃああ」
また来た!もう焦って制御がうまくいかないじゃないか!
なんだかわらわらと来たからめんどくさくて全部燃やしてやった。もうこんがりと
うへぇ・・・人が焼ける匂いってすごいな。しばらく焼肉はいいや
「おい。二人ともさっさと洞窟でるぞ」
「・・・」
「・・・」
ん?どうした二人とも。目の前で手を振っても唖然としてるぞ
「どうした?さっさと行くぞ」
「あんたって無茶苦茶ね」
「さすがにこれは僕もちょっと・・・」
えー!なんで!たしかに洞窟から出るとあたり一面、人だったものが燃え続けてるけど・・・
うん。ちょっとやりすぎたかも。ざっと黒いの30体くらい転がってるね
「ちょっとじゃないわよ」
「心を読むなよ」
「読まなくてもわかるわよ」
エルーナさんジト目でそんなに睨まないで。まだ5歳児なのに変な性癖に目覚めたらどうするんだ
「とりあえず、外の広場にはもう敵はいないようですね」
あ、そうだった。洞窟をでたら建物が結構しっかり作られていて砦の規模だぞ。これ
ん?向こうの立派な小屋からだれか出てくるぞ
「なんだ、これは!おいこれをやったのはお前らか!」
そこには毛皮を着込んだ豚がいた。
「二人ともしゃべる豚がいるぞ」
「豚じゃない!貴様、殺されたいのか!」
殺されたいも何も殺すつもりでしょうが
「それにそこのエルフいつの間に逃げ出した!おい、こいつらを捕まえろ」
豚が後ろに引き連れていた手下に捕まえろと命じてこちらに襲い掛かってきた
ってことで、火炎放射!
「ぎゃああああ」
よし、汚物の消毒終了。あとは豚の丸焼きだけか
「ねえ、あんたの主おかしくない?」
「はい。僕はもう何も考えないことにしました」
なにやら言ってるが何も聞こえなーい
さてこの豚をどうしましょうかね
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