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主人公は私の母親!  作者: ラルーシャ
とりあえず異世界人一人目
2/2

小屋の善人コンフル

前回現世の駅前にてトイレで異世界へ行ってしまった鷹篠親子

状況を把握すべく人に会うため進んでいく

「ねぇ、母よ。本当にこんな所宛もなく歩いてどうにかなるの?」

前で迷いなく歩く母は

「人に会わなきゃこの状況をどうにも出来ないでしょう?それともあんたはここで死にたいわけ?」

冷たく視線のみをこちらへ寄越し、すぐに前を向く

「はぁ、本当に頼もしいっすな、本当」



体感時間では二時間程歩いただろうか

景色は変わり森が生い茂る場所に入って行くと前方に小さな小屋を見つける

見た目は小さく豪華とは言い難いが小綺麗な小屋で煙突部分からは白煙が見える

「人が居るみたい、訪ねてみましょう」


ドアへ近づくと表札と思われる木のプレートが提げてあるが文字が読めない

軽く三回ノックをすると

「はい、ちょっと待ってくださーい」


若い男性の声が聞こえる

しばらくするとドアが開き中から空を写したかの様な髪と瞳の持つ少年が出てくる


「どうしましたか?何かお困りですか?」

こちらを警戒している様子が無く本当に心配をしている表情で私達を伺っている


「突然すみません、私達道に迷ってしまって街へ行くにはどうすれば良いでしょう?」

満面の笑みで尋ねる母

初対面なら大体騙されてしまうが焔莉は知っている

(猫かぶってやがるよ!)


だが口に出しては決して言えない

吹っ飛ばされるから、物理的に


「そうだったんですね!では街まで案内するので急ぎの用事だけ済ませてしまいます」

と男性は室内へ駆け

「あ!中へ座って待っててください、飲み物でも出します」

と声をかけながら奥へ消えていく


「お邪魔します」ます」

中へ入りながら行くと途中母に殴られる

「ちゃんと挨拶はしなさい、礼儀だから」

本当に面倒だし被せて言ってたの聞いてたのか


「座って下さい、ハーブティーは飲めますか?丁度朝採れた物で」

と嬉しそうに男性はカップを並べる

白で統一されたカップだが、品があり好感が持てる


椅子へ座り

「えぇ、大丈夫です。嫌いなものはないので」

「ありがとう、ございます。」

カップに口を付ける


「失礼ですが、お二人は姉妹でしょうか?」

私達を交互に見て疑問を口にする

(ない、流石にないよ君)とは言わず


「そう見えますか?でも残念ながら親子でー」

と満更でも無さそうに頬を赤くし照れている

正直キモいぞ


「そうなんですね!では親子で旅行と言った所でしょうか?」

と話ながら男性はあっ、と口にし

「自己紹介がまだでしたね、僕はコンフル。ここで薬になる草や花を売り生計を立てている者です」


丁寧に自己紹介をしてくれ

「私達も名乗らず、すみません」

「私は鈴花、こっちが娘の焔莉です。田舎から出てきたのは良いんですけど道に迷って」

とわざとらしい猫なで声で話す母


「え、私達はこの世界の」

と話してる途中

「そう、世界を旅してみたいと思ってたのよね」

と遮り、足を思い切り踏まれる

ついでに手も千切れるほどつねっている


「~~~~っ!、」

「そうですか、それは素晴らしいです。では僕も街に行く用があるので一緒に行きますよ」

待っててください、と声をかけながら別の部屋へ


「あんたいい加減にしてね、私達がこの世界の人じゃありませーんなんて言える訳?」

コンフルが聞こえない程の声音で話し

「何で馬鹿正直に話そうとすんの、本当にあんたは口が紙より軽いんだから」


ため息をつきながら耳を引っ張られる

「だって説明しとかないとなんか心苦しくない?私達を信じてるのに」

と口をモゴモゴさせながらも反論するが


「初対面で私は別世界から来ました、だから案内しろって言ったらどうよ?」

「そっと逃げる?」

脳内イメージで想像しても変人だね、かなり


「でしょう?だからあんたは口閉じて私に任せてて良いから」

余計なこと言うなよ、と目は語っている


「お待たせしました、街へ行きましょうか?」

とコンフルは種類の違う花や草を木の革の様な物で編んでいる物に詰めている


「何で行くんです?歩き?」

森からは街のような建物は見えなかったからまだ先かもしれない

そう思い聞くと


「いや、流石に遠いので木炭車で行きます」

と小屋の脇から木炭を取り出し二人乗りでも狭いと感じる現代の少し前のクラシックカーが出てくる


「街でも木炭車がほとんどなんですか?」

つい口をついて出てしまい母に睨まれるが

コンフルは笑いながら

「まさか!多分僕位ですよ、こんな時代遅れの車に乗っているのは」


車の座席に無理矢理体をねじ込み先程の事を聞く

「じゃあ皆最新の車が行き交っているの?」

つい敬語が外れ母に咎められそうになるが

コンフルは笑いながら


「そうだな、今は街の能力価値(アビィティバリュー)と呼ばれるのが出来てから個人の能力にそって街の人は移動用の職種の人が増えたから」

と話す


「移動用の職種?」

「多分見た方が早いよ、街へ着いてからのお楽しみだね」

といたずらっ子のような笑みを向けてくる彼


(色々現世とは勝手が違うみたいね、当然か)


先の不安を抱えながらも車は街へと進みゆく


次回やっと街への話へ

現世とは違う物や人、そこからちょっと面倒な事態へ発展?

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