表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

ちょっとだけ笑える嘘

あれは、高校2年生の時の話だ。

私の学校に新たに赴任してきた先生がいた。担当教科は、確か英語である。


その先生の授業初日を私が休んだのか、はたまた席に座っていて聞いていなかったのかは忘れたが、私はその先生の名前を知らなかった。


後ろの座席に座っている友人に先生の名前を聞いた。


名前は、熊田というらしい。

先生の体格も熊みたく縦にも横にも大きく覚えやすい名前だった。


その後、何事も無く高校2年の学生生活は終了した。

事件が起きたのは高校3年の時である。


英語の授業にて、わからない事があったので先生に質問をしたくて私は先生を呼んだ。


「熊田先生!!」


声は結構大きかったし聞こえているとは思うのだが、先生はこちらを振り向かない。何故か周りの生徒だけがこちらを妙な顔をして振り向いた。


私は、もう一度大きな声で呼んだ!


「熊田先生!!!」


今度こそは聞こえたのであろう。先生がこちらを向いた。ようやく、私は質問ができるのだ。


そんな時に先生の口から、


「高橋だよ!!!」


えっ??高橋?誰それ。

私はすぐには理解できなかった。


すると、後ろで口から漏れ出たであろう小さな笑い声が聞こえた。


友人が肩を震わせながら笑っていたのである。

そこで、ようやく合点がいった。


友人の嘘が1年越しに効果を発揮したのだ。熊田と思っていた先生は、高橋先生だったのだ。


普段が先生と周りから呼ばれる為に私は1年間も気づかなかったのである。


いやいや、気づくだろ!と思うかもしれないが本当に気づかなかったのである。


友人が何故そんな嘘をついたのかは今でもわからない。おそらく先生の名前を私が聞いた時にその場で間違えて呼ぶと思っての事だったのかもしれない。


思い込みは怖いとも思った瞬間でもあった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ