初めてのボートレース(競艇)
ギャンブル、それは熱き心の戦い。
これは、私が初めてボートレースで舟券を購入した時の話である。
今では、ボートレースにはまっている私ではあるが昔の私はというと・・・
『暇だなぁ、どっかいくかねぇ』
小学生時代からの友人に私は声を発した。
「ん?だったら俺が夢見れる所に連れてってやるよ」
意味不明な返事が返ってきた。
夢を見れる場所。んー、全然思いつかない。宝くじ売り場とかかな。当時からパチンコやスロットはやっていたが、夢が見れる程の額では無かった。
そうこう考えていると、勝手に友人の車が動きだした。
『おいっ、どこに連れていくつもりだよ!』
「大丈夫大丈夫!着けばハッピーだから」
あぁ、そうだった。この友人を甘く見ていた。
こいつの頭がハッピーすぎだったんだ。
少し車で雑談していると
「着いたぞ!!」
どうやら夢が見れる場所に到着したらしい。
着いた場所が駐車場だからか周りに人の気配は無かった。
車から外に降りるなり友人が我先にと歩き始めた。
夢が見れる所に早く行きたいのだろう。
何も言わずに友人の後ろを歩いた。
すると、何かが見えてきた。
おじさんである。
いや、、おじさんの群れである。
何かの建物の前におじさんが群れをなして話している。そんな感じだった。
とはいえ、外がおじさんだらけなだけで建物の中にはきっと夢が、、、、
中もおじさんである。
ディスプレイを鬼の形相で見ているおじさんばかりである。
ディスプレイを見ると船が競争していた。
そこで私は理解した。ここが、競艇場だと。
「おいっ、立ってるだけじゃ夢は買えないぞ!白黒赤は、競艇初めてか。だったら最初に俺がレクチャーしてやるよ。競艇なんてイージーだからな!」
ほう。こいつは競艇で勝ちまくってるのだろうか。とりあえず何も知らないより知識はあった方がいいな。とりあえずこいつにレクチャーをして貰おう。
「いいか。競艇ってのは、6艇でレースをする。その着順を当てる。競馬のように馬連が無いから、1-2と買っても2-1が来たらハズレになる」
なるほど。確実に順位を当てないといけないのか。ん?6艇?6つの中から2つ選んで当てる。何か簡単そうに感じてきた。
『じゃあ、適当に2艇買えば当たるのかもってことか!』
「いや、2艇を当てても倍率は低いから3艇がいいぞ。大きな額をベッドするなら2艇の方がいいかもしれないがな」
3艇か。。6艇から3艇を選ぶ。しかもその順番も当てないといけない。何か少し難しく感じてきたな。
「どこがイージーなんだよ!結構難しそうだぞ!」
『基本的に1号艇が1着にくる。だから、あと2艇選べばいいのさ』
1号艇が1着にくるだって?なんでだ?
あっそうか。競艇は周回レースだ。イン側の方が有利ってことか。直線勝負なら全く関係ないが、周回勝負なら話が違う。船が邪魔だったりして外枠になればなるほど大回りになってしまう。
なるほどなるほど。
「了解した。1号艇から買う!後は選手とかで決めてみる」
選手のデータとかを見てもさっぱりだったので、顔で選んでみる。
舟券購入!!
レース開始の時刻となり、6人の選手が船に乗り出した。
「そろそろ走るのか?」
『ああ、今から走るよ。白黒赤は結局何を買ったんだ?』
「俺は1-2-5と1-5-2ってのを買ったよ」
『完璧だな!!このレース貰ったな』
どうやら完璧らしい。競艇って本当に簡単なんだな。
頼むぞ。競艇選手達。
船が走りだす。
「おっ!1-2-3じゃねーか!」
『落ち着きなさいよ。あれは、選手がこれから走る準備をしているんだよ。』
「おいっ!4と5と6号艇が後ろに下がってるぞ。やる気無くしたのかあいつらは」
『あれはダッシュだよ。助走距離とって早いスピードを出すんだよ』
なんだと。私は聞いていないぞ。そんな事したら、早いやつがビューーーンって先頭取るんじゃないか?
『大丈夫だから見てろよ』
船が走りだした。
今度は本気でレースが始まったっぽい。
何か1号艇が1番先頭でスタートした気がする。
『これは、貰いましたな』
そこには、レースも終わってないのに友人のドヤ顔が横にあった。
しかも1着に1号艇がきたとしても、2着と3着に2号艇と5号艇がこないとハズレだ。
心の中で2号艇と5号艇を応援した。がんばれー!
1周1マーク(1番最初のカーブ)、各艇が回り始めた。
と、同時に突然のアクシデントが起きた。
1号艇が、、、
1号艇が川の中に入っていくー!
何が起きてるんだ?ゴールは川の中にあるのか!
でも、他の船は何事も無かったようにレースを続けている。
「おいっ、あれってなんだ?1号艇はどうなるんだ」
食い気味に友人に問いかけた。
『ハズレだよ。ハズレ。やられたわ』
俺が1番やられたわ!!
200円のハズレ舟券を破った。ゴミ箱に捨ててやった。
なんだかんだ言って、破るのを一度やってみたかったので楽しかった。
特にこの話にオチというものもない。
が、せっかくなのでここまで読んで頂いた方には私の名前の由来を教えよう。
そう。白黒赤。それは、競艇ボートの1号艇(白色)2号艇(黒色)3号艇(赤色)なのである。