アドレス削除事件
その事件は、私に初めて彼女ができた高校1年生の時に突如として発生した。
今でこそ充実している携帯電話であるが、私の高校生時代の携帯電話はと言うと・・・
アンテナを変える!
着メロ手打ち入力!
メールは20文字!
ディスプレイは単色!
当たり前だが、ゲームアプリ?なにそれ?状態であった。
彼女が出来て数日ぐらいだっただろうか、いつものように友人と家で麻雀をしていた時、私は携帯をそのままにトイレへ向かった。
その時に事件は起きた。
何も知らずにトイレから帰ってきて麻雀を続ける私。
麻雀途中に、ふと私が携帯を触った時に異常に気づいたのである。
無い!!
無い!!!
無い!!!!!
すぐに私は友人に聞いた。
「アドレス帳消した?」
そう。彼女以外の女性のアドレスが全て消えていたのである。
友人は笑いながら返答してきたよ。。
「彼女出来たんだから、他の女のアドレスなんて消して当然だろ。」
??????
あの時ほど通訳が必要だと思った事は無い。
100歩譲って彼女が言うのならって気持ちはあったが、その時は彼女ができたという嬉しい気持ちもあり、これも彼女の為なのかななどと思い、友人を許した。
ここまでは良かったんだ。
そう。ここまでは。
問題は、彼女と2週間という短期間で別れてしまってからである。
突如、携帯にメールが届いた。
「“久しぶり?元気してる?今度遊ぼうよ。ユリ”」
こんな内容のメールだったと思う。
え?何で、メールに名前なんて書いてるんだって?
それは、、、昔は誰から連絡きたからわからなかったのでポケベル形式で名前を文につけるのが当たり前だったからである。
ちなみにユリ(仮名)は、アルバイトの元先輩であり、私がアルバイト先を辞める時にタイプだったので電話番号を聞いたのである。
彼女と別れ傷心気味な私であったが、ユリからの連絡で気分はすぐよくなっていた。
返信しよっ。
うん。返信。へ、、ん、、し、、ん。ん、?
ユリからの連絡はショートメールだ。
当時、ショートメールには送り主の電話番号もついていなかった。
アドレス帳を消された私が返信できるはずもない。。
それを知らずとショートメールが続けてくるのだ。
悪夢だ!!
「嫌われてしまったかなぁ。ユリ」
「いきなり遊ぼうとか図々しかったかな。ユリ」
こんな内容が次々とくるんだ。
返信したいのにできないもどかしさ。
結局、そのユリとはアドレスが消されてから一度も連絡は取れなかった。
これがアドレス削除事件の全貌である。
遅くなってしまい申し訳ない。