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未来への扉

作者: クラン
掲載日:2019/01/21

〜8月〜


私は高校3年生である。そして、高校3年生の春から病院に通っている。

私、香山未来は心臓の病気なのである。

それが分かったのは-


〜4月〜

4月10日。まだ肌寒いこの季節の中、私は鼻歌を歌いながら学校へと登校している。

未来「ふんふ~ん♪」

私が心臓の病気と分かったのは高校3年生の春のことだった。両耳にイヤホンをし、曲を聴きながら登校していたその時だった。突然、胸が締め付けられるような痛みに襲われ、そのまま倒れてしまったのである。そして、目が覚めた時には病院のベットで横になっていた。

未来「ん・・・ここは・・・病院?」

私の隣には母親・父親が座り、私の手を握りながら泣いていた。だが私の声を聞いた時、目を開け、「よかった・・・ほんとに良かった・・・」と泣きながら私の手を握ったまま、私に向かってずっと言い続けていた。

私はその両親の顔を眺めることしか出来なかった・・・。


〜7月〜


4月に倒れ、5月30日まで入院し、6月に退院してからは2週間に1回、必ず病院に診察するように担当医師から言われている。

担任「よし、HRは終わり!」

HRが終了し、私は席を立つ。そう、この日は2週間に1回、診察する日なのだ。

-そう、日記を持って-

総合病院に着いた私は待合室の長椅子に座り、呼ばれるのを待っている。

私の名前が呼ばれる。私は立つ-

その瞬間、私のバックから日記が落ちた。その日記を拾おうとしゃがむと、拾ってくれようとした人の手が当たる。私は咄嗟にごめんなさいと謝り、前を向くとそこには同じクラスの女子が目の前にいた。

そう、この日から私の人生が変わった-


〜10月〜


7月に病院で会った同じクラスの子、新奈 明日香にいなあすかとはあれから毎日一緒に帰ったり、教室でも話したりしている。彼女にあの日記を見られてからは、何故か親身になって相談に乗ってくれている。

そう、あの時-。

未来「ごめんなさい!」

明日香「いえ・・・たまたま拾って・・・ん・・・?」

明日香が日記を見る。そこにはこんなことが書いてあった

“4/10

今日倒れた。着いたら病室にいた。お母さん、お父さんが私の手を握って泣いている。その日の内にお医者さんから心臓の病気と告げられた。余命は1年だと言われた。とても怖い。”

そう、明日香はこの日記を見て以来私に親身になってくれているのだ。

入院中も明日香は毎日のようにお見舞いに来てくれた。そう、私にとって家族と同じくらい大切な存在になっていった。

昼休み、未来は明日香の顔を見て、明日香の手を握り期待の眼差しを向け、ある事を述べる。

未来「ねえ、明日香?私旅行に行きたい!」

明日香「アンタ何言ってるの!?旅行っつったって、どこに行くのよ・・・」

未来「じゃっじゃーん!これ見て!死ぬまでにやりたいことリスト!!」

明日香「どれどれ・・・?1つ、北海道に行ってカニを沢山食べる。2つ、博多ラーメンを食べに行く。3つ、お酒をたらふく飲んでみる・・・ってこれぜーんぶ飲食じゃない!!」

未来「えへへぇ〜・・・ダメかな?」

未来は無垢な笑顔を明日香にみせ、舌をペロッと出す。

未来「じゃ!11月からずっと冬休みだから、冬休み期間中ずーっと私と旅行ね!!」

明日香「はいはい・・・なんとかお母さんに掛け合ってみるから・・・」

未来「やっほぉ〜い!」

未来は両手をパチンと合わせ、まるで今が一番幸せなんじゃないか、と思わせるような笑顔を見せる。

そして、11月まで残り1週間が経った。


〜11月〜


11/1。冬休みに入り、未来は親に内緒で密かにキャリーバッグに荷物を詰めていた。そう、なぜなら親に絶対にとめられるからだ。

下着・私服・ドライヤー・・・そして-。

淡々と荷物を詰め、その日は寝ることにした。

次の日、深夜4時に起きるとゆっくりとパジャマを脱ぎ、私服に着替えた。

クローゼットに忍ばせていたキャリーバックを持ち、親にバレないように自宅を飛び出した。

朝の7時に駅前で待ち合わせをしている。時間的には1時間以上待ってしまうが、仕方がない。親にバレないようにするためである。駅に着くや否やキャリーバックの上に座り、“私の親友”を待った。

7時になると明日香が来た。明日香は眠そうな顔をして私を見てきた。

未来「おやおやぁ〜・・・?眠そうな顔をしてますなぁ奥さん」

明日香「誰のせいで・・・ったく・・・」

明日香は呆れた顔で未来を見る。

未来「よーし!最初は北海道!」

駅から空港に行き、そこから北海道へと行き、 カニを沢山食べるため、食べ放題のお店に入った。

未来「ん〜おいひぃ〜!!」

明日香「美味しいものを食べてる時のアンタが1番アンタらしいわ・・・」

未来「なぁにそれ?褒めてるの?」

2人はその日、北海道のホテルに泊まった。

未来「私、先にお風呂に入っちゃうね?」

明日香「はいよ〜」

キャリーバックを開け、自身のパジャマを取りお風呂場へと向かった。シャワー音が室内に鳴り響く。途端、「明日香!私のキャリーバックからシャンプー取って〜?」と未来の声がお風呂場から聞こえた。明日香は「はいはい。仕方ないなぁ」と二つ返事でキャリーバックの中を漁り始める。

明日香「下着・・・私服・・・パジャマ・・・ドライヤー・・・これって・・・!?」

“その物”を見た途端、身体が条件反射して後ろに下がってしまう。“ドンッ”と壁にぶつかる音と共にキャリーバックから出てきたのは・・・そう、大量の薬だ。明日香の身体中から汗が吹き出た。今までの余りの元気さに忘れていたのだ。“彼女は心臓の病気を持っている”ということを。明日香は平常心を保たせようと深呼吸をする。再びキャリーバックを漁り、シャンプーを取り出すとお風呂のドアを叩いた。

未来「あ、ありがと〜!手出すからそのまま渡してくれればいいよ!」

相変わらず、未来は元気な口調で明日香に声をかける。

2人共お風呂に入り終わり、夜の11時に差し掛かった頃、未来がお酒を取り出し、飲み始める。

明日香「未成年でしょ」

未来「ん〜い~の〜!・・・ぷはぁっ!これが私のやりたいこと。私の人生は私が決めるから!」

未来は笑っているが、その目には覚悟があることを明日香は悟った。

そして・・・未来はこう言った。


“私、同性の人とイケナイコトしてみたいんだ”


私は未来の言っていることが分からなかった。そして、考える暇もなく未来は私を押し倒した。

明日香「ひゃっ・・・!?ちょ・・・ん・・・未来!?」

未来「・・・なぁ〜んてね!びっくりしたぁ!?」

未来の顔はかなり赤く、酔っ払っているのか、ベットの上でピョンピョンと跳ねている。

未来「ごみ~んごみ~ん♪」

ベットの上の彼女は、下が回ってないのかリズムを刻みながら“ごめん”であろう言葉をずっと独り言のように言っていた。

そして・・・


〜12月〜


私は今、入院している。旅行も終わり、暫くは体調も良かった。だが、12/16日、急変した。

明日香が汗だくで私の病室に来てくれた。

明日香「未来!?大丈夫なの!?」

未来「あはは・・・大丈夫だよ?なんか一時的に検査入院するんだって」

未来は下を向いて一方的に明日香に向けて話している。そう、一切明日香の顔を見ず。


そして、その日の夜。


明日香は泊まってくれていた。そして未来の方を向いて抱きしめる。そしてこう耳元で述べてくれた。

“未来-”


16日から1週間経った頃、学校が休みということを聞いた未来は、明日香が朝からお見舞いに来てくれるのを楽しみにしていた。だが、その日は1日経っても来てくれることは無かった。

次の日、ケータイを弄っているとネットのニュースに新奈明日香の文字があるのを見つけた。


“12月26日。××高校の新奈明日香さんが電車のホームで何者かに突き落とされ、発見されるも死亡"


私は愕然とした。1番の親友が死んでしまったのだ。スマホを落とし、身体が震えた。

その日は、心の中の喪失感と共に何も考えることが出来ずに一日が過ぎた。

次の日、その次の日も立ち直ることは出来ず、1日があっという間に過ぎていった。


〜1年後〜

今は4月10日。大学1年生である。

私は高校3年生の頃に心臓の病院を患った。私の心の支えは新奈明日香という少女1人だった。だが亡くなった。その時は絶望したが、カウンセリングをして行くうちに立ち直り、その時絶望的とも言われた手術にも成功した。

未来「さてと・・・大学に行かなきゃ!」

私はカバンを持ち、玄関に向かい、靴を履く。 私は12月のあの日の夜、明日香が言ってくれた言葉を胸に、明日を向いて歩いている。


“未来、私はずっと未来の心の中にいるよ。だから心配しないでどんな事があっても決して振り返らず、未来を向いて歩き出してね”


私は玄関のドアの前に立ち、ドアノブを持ち、未来への扉を開けた―


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― 新着の感想 ―
[良い点] 興味深い着眼点だと感じられました。 [一言] 2ポイント入れさせて頂きました。 良かった自分の作品も適当に評価して下さい お互い頑張りましょう
2019/01/21 23:20 退会済み
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