新規プレイヤー
「様々な文明が勃興し、人はこの惑星で最も栄えた種となった、転生者諸君、古代から産業時代にかけて、君らプレイヤーも六人にまで減った、プレイヤーの入っていない国も多い、そこでだ現在の国家元首を転生者として覚醒させ、この世界に呼ぼうと思う。」
脳に直接響く声、その声はすでに前世の記憶を持っている、転移国家の日本天皇である私にも届いた。まあ生まれた時点に前世の記憶を持っていた私には、あまり意味がなかったのだが、ほかの人間にとっては洗脳じみたものになるだろう。
いや、何も影響がなかったというわけではないな、一つ思い出したことがある。ストラテジーゲームというやつを、
「さて、ようこそ、私が神だ、早速だが君たちは国を支配してもらう。西暦2千年代の一般人としての前世の記憶と、ゲーム操作端末、テレパシー通信、まあプレイヤーの目線とプレイヤー同士のチャット、そしてゲームボーナス、身体能力の強化といったものから、寿命を増やすこともできる。彼ら最初のプレイヤーは石器時代から、生きている。姿や見た目を変えたり、周囲の意識操作だったり、これもゲームボーナスやプレイヤーの恩恵だったりする。さあ、諸君の国を自由に発展させてくれたまえ、」
そういって、神を名乗る何者かは消え、同時に、最初のプレイヤーとして紹介された六人のプレイヤーが、自分の陣営に他プレイヤーを取り込もうと動き始める。
レポートによれば、この世界は冷戦状態にある、原子力時代といった所か、けれども技術は情報時代レベル、前世の記憶とやらは、技術チートとしては使えないな、けれども第三者目線の判断、過去にとらわれない行動、どう転ぶかはわからない、
「よし、最後にこの世界についての脅威について、話しておく、」
アルマニカ合衆連邦大統領、かれも初期のプレイヤーの一人らしい、
「終末の危機というものが存在している。簡単に言えば宇宙からのエイリアンの侵略、氷の大陸に魔王率いる異界の門が開き、世界中の魔物が活性、古代文明の機械の暴走、この三つから生き延びるために、我々プレイヤーがいると考えてくれ。俺は、この脅威を打ち破るために世界連合の創立を計画している。以上だ、」
やがて、プレイヤー達は、夢の世界から現実へと戻されていく。私の意識が現実に戻るのも時間の問題だろう。
「あれ?」
「どうしましたかアルマニカ合衆連邦大統領、」
「いや、君の顔に見覚えがないと感じてね、私も大統領としてそれなりの知識はあるのだが」
そうか、そうだよな、日本は転移したばかり、今だこの世界の国家には知られていないもんな、
「アガル大陸の南下の島に建国予定です。」
「うちの国の近くか、まあ協力しようじゃないか、私も出来る限り支援しよう。」
「ええ、建国の際にはよろしくお願いします。」