陸軍設立
「14世代戦車の復活ですか?」
「ああ、15世代以降の戦車は、海だろうと陸だろうと走行し、一対一のシンプルな戦いで勝利を決める陸上戦艦とも呼ばれる巨大な物だ、さらに上の世代、20世代以降の戦車は、宇宙の敵戦艦の迎撃を目的とした物で、さらに巨大で要塞じみている。」
「確かに、都市防衛のために軽量化に力を注いでいたのは14世代が最後でしたね、確か重量は1.5トン、使えますか?」
「輸送しやすくはあるだろう。どちらにしても、無人だし、失敗しても資源を少し浪費するだけだ。」
「わかりました。一時間で40万両揃えます、多くのゲーマーが、シミュレーションをしながら腕をならしている頃でしょう、」
「ポテチにコーラを飲みながらだろ、」
「はい、」
学生としての期間が非常に、長い現地球連邦人で有るがゆえに、実際に軍人として働ける戦える人数は非常に少ない。
そして、その限りなく少ない軍人は、連邦軍として宇宙船に乗っている。
「まあ、今回のようにゲーム機に繋いで戦車を動かすのは、自立プログラムを作るまでの間だから、別に民間人で良いんだけど、最初の陸軍が、これとはな、」
「仕方ありませんよ、」
「まぁ、そうだよな、」
合図と共に、月を覆う戦艦が一斉に実弾を発射した。音速で飛来する弾丸は、着弾と同時にドロリと溶けて、その中から流線型の装甲を持つ1.5トンの都市戦闘用軽戦車が現れた、無人故の輸送方法と言えるだろう。
ぬるりと滑るように動き出した、その戦車は、異形の化け物どもの砲撃を全てかわしながら、敵の数を減らしていく。
「すげえ、リアルの戦争だ、」
「おい、これ第8次地球戦争の14世代戦車だぜ、」
「はぁ、いったい何時の兵器だよ、」
「けっ、これだからお役所仕事は、新型をだせってんだ。」
好き勝手な事を言いやがって、現代の戦争で地上戦なんて想定してるかよ、
「どうしました?」
戦場の様子を見て憤慨している彼の様子を見て、一人が話しかける。
「ああ、すまない、こちらの苦労も知らないでと思っただけだ。」
暇な時間をもて余した連中の、鍛えたゲームの腕は確かなもので、無数の敵の砲撃を、戦車のカメラ全てを使い回避し、効率よく敵を殲滅していく。
「腕は、確かだな、そうでなければ困る。」