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キミのその手に触れたくて  作者: 遥風 かずら
恋敵クライマックス編

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84/92

84.不穏な予感


「おはよ、あやきち!」


「ん、おはよ」


 朝、教室に入るとすぐに由紀乃が声をかけて来た。席が近いからというのもあるけれど、誰よりも早く声をかけてくれるのはすごく嬉しく思えた。続いて、ヒロも挨拶をしてくれた。


「綾希さん、お早う。由紀乃さんから聞いたけど、大丈夫?」


「平気」


「俺もいるから、安心していいからね」


 こういう時、席が近いのは助かるって思えた。由紀乃とヒロはお互いに連絡を取っているみたいだけど、わたしのことを教えているとか、ホントにごめんって思えた。


 七瀬は席が遠くて、それこそあいつや沙奈の席側に座っている。だから、わたしから彼に近付くことが出来ない。それでもそこに彼がいるだけで、守られていることが分かってしまう。


 七瀬があいつを、わたしの席に近付けないようにしてくれているってことが何よりだから。それでも、移動教室の時や、体育とかそういう時にまでは七瀬を頼ることが出来ない。そしてその時をあざとく狙って、堂々と近付いて来るのもウザかった。


「あやきち、次、移動だよ」


「ん、分かった」


 次の時間に間に合うように、教室から適当に移動しようとすると彼女が声をかけてきた。


「泉って、世話焼きなの? それとも葛西さんがとろいだけとか?」


「だから何? 彌生やよいは何でからんでくるの? 綾希ちゃん、別にあんたに何もしてないよね」


「してないけど、しいて言えばライバル? 七瀬、今はフリーって聞いてるし狙おっかなって思ったら、葛西さんいるじゃん? だから、邪魔かなって思った」


「……」


「そういうのやめてくれる? 綾希ちゃん、そんな子じゃないし。七瀬くん、フリーとか違うし」


「あ、そうなの? 別にそういう情報いらないけど。って言うか……ゆず君、葛西さんに告るらしいし、そしたら七瀬に告れるかな~とか思ってるだけ。未練あるなら、ゆず君とくっついておけばよくない?」


 未練があるのはあいつだけなんだけど、それも信じてるとか。この人は沙奈よりも厄介かもしれない。それに、告白とかされても結果は同じだし、凄く迷惑でしかない。何でわざわざそういうことするかな。


「綾希ちゃん、行こ」


「ん、行く」


 とりあえずは、からんできた彼女の相手をすることなく移動して来た。それは良かったけれど、まさか移動先の教室で……それも、先生もいる中であいつがあんな行動をしてくるとは思わなかった。

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