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キミのその手に触れたくて  作者: 遥風 かずら
わたしと彼の始まり編

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76/92

76.友達への嫉妬


 七瀬と想いが通じ合ったらしい日から数日が経った。おなクラのみんなは夏休みが近いとかで、浮かれてるっぽい。その前に期末あるけど、そこを心配してるのはわたしだけなのだろうか。


「あやきち! 元気~?」


「ゆきのん」


「おぉぉぉ!? あやきちがわたしを、ゆきのん……と呼ぶなんて」


「ん……? おかしかった? 七瀬がそう呼べって言ってた」


「さ、さすが七瀬くん。あやきちを早くも操作しているなんて」


「こら、そういうこと言うなって! なんか俺にそういうイメージ見るの悪いクセだぞ?」


「ごめんよぉ」


 なんか、やっぱり七瀬と由紀乃って友達以上の仲良しさんな気がする。それか兄妹? でもその場合はどっちが上になるのかな。どっちも面白いから判断に困る気がする。


「あやきち、七瀬くんは私の弟みたいなものなんだ。からかい甲斐があるっていうか~」


「いや、それを言うなら泉の方が妹……には、見えねー」


 どっちも何とも言えないかもしれない。そう思っていたら自然と首を傾げてた。


「七瀬くん、あやきちが悩んでいるぞ! 頭をなでなでしたまえ」


「やらないよ。俺は人前……少なくとも、教室とかじゃやらない。好きだけど、それはまた別だ」


「ほぅ? あれーでも、確か以前は……それに廊下でキ――」


「おっと、泉。そこまでだ。もうすぐ2限はじまんぞ」


「むーむーむー……」


 七瀬の手が由紀乃の口を押さえてた。なんか、何となく羨ましく思えるのはどうしてだろう。


「はーーー……あやきち、あの人やばいんだけど? すごい息出来んかった」


「七瀬の手は優しいけど」


「や、まぁ、それはそうでしょ。あやきちは大事にされているからね。私とは扱いが違うのだよ」


「なんで?」


「何でって、恋人と友達の違いって奴です」


 その違いは分かるけれど、でもやっぱりそれだけじゃない気がする。由紀乃に対して、七瀬からの親しみが込められているのを間近で見せられると、何故か胸が痛い。


「分からないけど、由紀乃が敵に見えて来た」


「ええっ!? 待て待て、私はひろが好きであって、七瀬くんは違うんだからね? そこは間違いないぞ! あやきちは嫉妬心が半端ないな~……心配しないでも、彼はあやきちラブすぎるから平気だぞ」


「……沙奈と違うって言える?」


「うむ! 私は彼女と違うぞ。あやきちは可愛いし、面白いから大好きなのだ! だから敵にはならないぞー!」


「……ん、分かった」


 一度は離れた七瀬とわたしは元通りに戻れた。正確には前よりも好き。それでも、彼は以前よりはくっつかなくなっていた。外では違うけれど、学校ではそういう所を見せて来なくなった。それが何だか寂しい。


 展望台とかわたしの部屋とかでキスをされてから、七瀬に対する想いが物凄く強くなった気がする。だから由紀乃に対しても、嫉妬してしまっているのかもしれない。前とは違う。そんな感じ。

一部修正しました。

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