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キミのその手に触れたくて  作者: 遥風 かずら
隣の席のカレシ編
23/92

23.何だかんだで友達?


 七瀬は男子の友達がいるのだろうかなんて、余計なお世話的な心配をしてしまった。元々、男子の絶対数は少ないけれど、あんまりそういうシーンを見たことが無いから気になった。


「七瀬って仲いい人いるの?」


「綾希」


「違くて、男子の」


「あー……どうかな」


「変な感じにならなければ、友達と仲良くしてもいいと思う」


「変なって何だよ。ってか、あいつと最近話すようになった」


「……んん?」


 編入で同時に来たのに、席が離れたことも関係があるのと、彼がわたしへ告白をしたせいもあって、話すことは無かったらしい上城わいじょうくん。だけど、沙奈から離れてわたしと話すようになってから、上城くんは七瀬ともよく話すようになってた。


 七瀬と付き合ってることを知ったわたしに対しては、そういう想いで接して来なくなった。それもあってなのか、七瀬の警戒心が解けて普通に上城くんと話すようになっていた。


「お前、真面目なんだな」


「まぁな。綾希よりも真面目だ」


「葛西さんって、いつも寝てるけど平気なのか?」


「テストとかはマジで心配になる」


「中間とか、どうする?」


「綾希に教える」


「俺もお前から教わりたい! いいかな?」


 嫌です。って言って欲しいけど、七瀬は言わないよね。そうすると、予想通りの展開になるわけで。


「じゃあ、上城も一緒にやるか? 嫌じゃなければだけど」


「お、マジか! あ、でも、葛西さんとふたりでやるんだろ? 俺が入ったら彼女は嫌なんじゃ?」


 七瀬はわたしを見ている。それもやはり、潤った瞳で。そんなことは予想済み。友達と仲良くしとけばなんて言った以上、それをやめてなんて言えるはずも無く。


 七瀬に向けて、肯定の視線を送ってみた。


「いいってさ」


「ホント? ありがと~! んじゃ、そん時よろしくな、七瀬!」


「おー」


 そして机に伏して眠るわたしの肩に、軽く触れて来る七瀬の優しい手。


「サンキュな」


「なにが?」


「ふたりきりが……とか言ってたのに、気を使ったんだろ? あいつに」


「勉強でそんな雰囲気作れないって思ったから、別に彼の為じゃないし」


「まぁ、確かにそうだけど。そもそも、まだそこまでじゃないしな。俺の好感度は」


 七瀬の言うわたしの好感度は、割と変動する。嫌いじゃないから、好きの間を行ったり来たりしてる。それと言うのも、付き合うって自覚してから変わったことがないから。イベントでもない限りは、変動すると思う。


「そうだね。七瀬のことは、好きから現状維持。その上はまだ未定」


「夏に期待しとく。いや、その前の体育祭か?」


「あ、わたし運動苦手だから」


「綾希が苦手でも、俺がいいとこ見せれば上がるだろ?」


「どうかな」


 まずは中間への備えと上城くんを交えての勉強が、また七瀬を見直す機会となるかもしれない。

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