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キミのその手に触れたくて  作者: 遥風 かずら
隣の席のカレシ編

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21/92

21.そんなもんです。


 七瀬が帰ろうとしたから、何となく服を掴んでしまった。袖口とかじゃなくて、とりあえず掴めるとこ全部。袖口ではなくて、シャツを掴んでしまったけれど。


「ん? どした?」


「何で帰るの?」


「いや、課題届けに来ただけだし、意外と元気そうだから」


「それだけ?」


「まぁ、うん……そうだけど。実際、俺サボりだし。自分の家に帰っとかないとまずい気がする」


「好きなんじゃなかったっけ?」


「好きだけど。家来ただけでもびびってんのに、もっと長く綾希の傍にいるとか、気が引ける」


 びびってたんだ。素直と言うか、こういう所は嫌いじゃないんだよね。ちゃんと気を使ってくれてるってところを見せる辺りがいい。


「ん、分かった。じゃあ、来週」


「おー。じゃあ、また」


 わたしは寝たままで、七瀬はそのまま玄関から出て行った。まぁ、そんなもんだよね。


「あれ? 帰っちゃうの? アヤの彼氏くんだよね」


「え、あ、はい。綾希のお姉さんですよね? 俺、帰るので、綾希によろしくです」


「キミは七瀬くんだっけ? いつでも来ていいからね。()()()()は、大歓迎だから」


「あっはい。じゃあ、すみませんでした」


 七瀬が帰ったと同じくらいに、お母さんが帰って来た。なんか、すごい機嫌良いけどなんで?


「お帰り。アイスは?」


「はい、これ。アレがアヤの彼氏くん? いいじゃん。私のこと、お姉さんだって! いい子だね」


「七瀬は気を使いすぎなとこあるから」


「ふーん? あの子ならいいと思う。アヤキに合ってそう」


「うん、席も隣だし。合ってる」


「席替えして離れたらどうするの? あ、でも彼氏になったら大丈夫か」


「んー……そん時はそん時で悩むかも」


 出来ればずっと隣に七瀬が座ってくれるのがいいけど、何でか席替えってするんだよね。学校って。離れるの嫌だけど、その時考えよう。そんなもんだと思うし。


 週明け、熱もひいたし学校に行って、教室に入ったら何か変だった。敵と味方と、友達? そんな構図が出来てるっぽかった。沙奈は敵のままで、沙奈の周りの女子は沙奈の味方。わたしには敵。


 わたしの味方は、上城(わいじょう)くんと、彼と一緒にいた女子たち。なんか、沙奈以外に友達が出来るっぽい。


いずみ 由紀乃ゆきの。由紀乃でいいよ。七瀬くんと付き合ってるんでしょ? 良かったじゃん! 取られなくて」


「あ、うん。ありがと」


 沙奈にもわたしにも敵も味方もいたっぽい。沙奈とは敵のままなのかな。でも、七瀬は取られたくない。なんかの機会に話出来ればいいけど。今はキスのこともあるし、無理。


「綾希、おはよ。どした? ってか、上城が何でここに?」


「気にしないでくれていいんで。俺は話してただけだよ。葛西と付き合ってるんだろ? 邪魔しないから」


「それに、綾希って他の女子と話してんの見た時ないけど、友達?」


 考えてみれば、七瀬が編入する前も沙奈以外の女子と話したことないかもしれない。でも、ちょっとずつ変わって来るはず。友達がいつも固定とか限らないわけで。


「今日から、そんな感じ」


「へぇーまぁ、いんじゃね? でも、休み時間に席の近くとか、にぎやかしいのもなんかなー」


「話せる時間が減るし?」


「お、おぅ」


「中間の勉強でたくさん一緒いられるから、それでいいし」


「そか。なら、我慢しとく」


「七瀬のこと、好きかも」


「よし、好感上がった」


 そんな感じで、前期中間前に、友達相関図とか修正しそうな感じだった。

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