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キミのその手に触れたくて  作者: 遥風 かずら
隣の席のカレ編

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16.友達と恋の敵


「綾希、もしかして惚れた? なんか輔のこと随分見てたね? 好きになった?」


「分からない。でも、好きかも」


「それで一緒に教室に来てなかったわけか~納得。それでどうする? 戦う?」


「なにが? 戦うってなに?」


 保健室を出て、教室までそんなに遠くも無いけれど、七瀬のことで沙奈が聞いてきた。だから、正直に話したら、なんか勝負挑まれたっぽい。友達ってたまに戦ったりするものだっただろうか。それとも?


「沙奈って、友達?」


「綾希と友達って意味なら合ってる。どしたの?」


「戦うってなにかなって」


「恋の敵ってやつ。輔のこと、あたしも好きだから。だから、綾希には比呂と付き合って欲しいって思って紹介したのに。まるで相手にしてないとか、彼がかわいそうに思える」


「比呂とずっと話をしてたのは、沙奈。だからわたし、別にいいって思ってた。席も遠いし」


「それで隣の輔のことが好きに?」


 いつも話をしてたし、優しさで出来てたし。嫌いにはなれなかった。好きになってるかも。まだ、分からないけど。だけど、七瀬の代わりに比呂と仲良くなるとかそれは無理。それは無理に決まってる。


「そうかも」


「まだ確定してないんなら、あたし告るけど。それは平気?」


「……」


「まぁ、今は教室戻ろ。たすくが元気になってから告るし」


 沙奈の恨みっこなし宣言って、これのことだった。そっか、それは無理かな。それなら、もう……七瀬にしたい。元カレと違って距離近いし、優しいし、好きかもしれないし。もう、気持ちの我慢やめる。


「葛西さん、宮東さん。七瀬君の様子はどうでしたか?」


「昼前には治るっぽいです。って、自分で言ってました。たぶん、治ると思います」


「たぶんって……葛西さんはどうして保健室に行っていたんですか?」


「保健医の先生いなかったから、来るのを待ってました。それだけです」


 保健医来る気配無かったけど。だからこれは嘘。七瀬の隣にいたかっただけ。これはきっとそういう気持ちなんだと思う。友達に敵になられる前に、決める。わたしの隣は七瀬がいい。


「分かりました。じゃあ、ふたりとも席に着いてね」


 わたしはいつもの窓側席に戻り、沙奈は廊下側の一番前に戻った。わたしの隣には今、誰もいないけど、彼が来たら彼の席に戻るだけ。早く彼に会いたい。話をして、そしてもっと七瀬の近くに行きたい。

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