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キミのその手に触れたくて  作者: 遥風 かずら
隣の席のカレ編
13/92

13.たぶん、好きかも


「沙奈の好きな人って――」


「葛西、あ、あのさ、話があるんだけどいい?」


 んん? いま遮られた? なに、なんで。


「あたし、先帰るからさ。比呂、あとよろしく」


「なに、用事?」


「そうでもないけど、その方がいいかなって。じゃね~」


 わかんないけど、置いていかれてしまった。なに話せばいいんだろ? 七瀬と同じに編入してきた男子だけど、あんまり話してないし合わない感じがするけど。


「沙奈と一緒にいなくていいの?」


「いや、別に。今は葛西と話がしたいし」


「あ、そうなんだ。なに?」


 前と雰囲気違う? 大人しいけど、これが素とか?


「ごめん、前に会った時は沙奈に合わせてた。あれ、俺じゃないから」


「あ、うん。えと、何が?」


 そんなのは気にしてないけど、何が言いたいんだろ。普段話してない人って良くわかんないな。


「用ないなら帰るけど」


「俺、葛西いいなって思ってて。でも、席、離れてるし話す機会無くて。だから、あいつ……沙奈に相談してた」


「うん……?」


「俺が気にしてるのは、葛西だから」


「……」


「葛西はあいつのこと、好きなの?」


 あいつ……? 七瀬のことだよね。


「違う」


「え、じゃあ……」


「ちょっとわからない」


 あ、コクられてるんだ、わたし。でも答えようがないなあ。比呂のこと、よく知らないし。それに、七瀬のことが好きになってるかもだし。


「ごめん。返事はちょっと無理」


「そ、そうか。あ、でも、学校でも話かけていい?」


「いいけど、比呂ひろって双子なの?」


「へ? なに、いきなり……俺だけしかいないよ?」


「沙奈といた時と違うから別人なのかなって」


「はは、面白いね。その辺、いいって思った。あいつもそうだと思う」


「はぁ、どうも……じゃあ、帰るから」


 告られたけど、何にも響いて来なかった。これってたぶん、知らないからだよね。やっぱり、距離が近い方がいいな。だから、七瀬のこと好きかもしれない。彼は優しさで出来てるし。


「うん、明日学校で! じゃあな、葛西」


「また」


 先に帰った沙奈の好きな人が少しだけ気になるけど、沙奈のことだからそんなに本気じゃないかもだし。比呂のことより、七瀬と話が出来ればいいかな。隣だし、明日から春眠よりも彼と話したいな。

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