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キミのその手に触れたくて  作者: 遥風 かずら
隣の席のカレ編
11/92

11.誰がライバル?


 七瀬の彼女かな? 素直に思った。それくらい彼女の方は嬉しそうしていたし、そう見えた。七瀬とそんなんじゃないけれど、奢る為に誘ってるわたしとしては、譲れない気分になっていた。


「す、珠洲菜すずな? なに? 何で?」


たすく歩いてるの見つけたから声かけたの。何か都合悪いとか?」


「そんなんじゃねえけど、用事ある。今から、移動するから悪いな」


「もしかしなくても、そこの人、彼女?」


「いや……」


 あからさまに品定めされてるっぽい。そんな目で見られてもね。


「えーと……?」


「綾希悪ぃ! 紹介が遅れたけど、コイツは前の学校の珠洲菜。ただの友達。それだけ」


 前の学校? あぁ、そっか。そう言えば七瀬って編入してきたんだった。早くに馴染んだせいか、忘れてた。


「あ、どうも。七瀬の隣人です」


「は? 隣人ってなに?」


「あぁ、綾希とは席が隣なんだよ。で、お前なにか用あんの?」


「そうでもないけど、こんなとこで会えたしどっか行かない? 久しぶりだし?」


「悪ぃけど、用があるから無理」


「ふぅん……? 用って、この人と?」


 何か勘違い入ってますか? 七瀬も何で慌ててるのか、ちょっとよく分からない。帰った方がいいのかな。久しぶりに会ったなら、わたしは帰った方がいいよね。そう思って、七瀬に声をかけようとしたら逆に声をかけられた。


「輔のこと、好きなの? だったら、ライバルになるっぽいけど」


「……なにが?」


「どこか行く約束してたっぽいし、今度は遠慮よろしく! じゃ、そういうことでまたね、輔」


「って、おい!」


 よく分からないまま、彼女はどこかへ歩いて行ってしまった。ライバルって何だろう? 


「綾希、何かごめん」


「七瀬。あのさ、ライバルってどういう意味を言う?」


「同じこととかモノとかを争う、だったけど……どうした?」


「わたしって、ライバル?」


「いや、どうだろうな。好きだったらそうなのかもだけど、分かってないだろうし……」


「うん、分かってない」


「と、とにかく、行くよな?」


「奢るし」


「だよな。てか、後で話す」


 動揺する七瀬だったけれど、わたしはそんな感じにはなってなくて、でも何かモヤモヤしてた。ライバルにもなってないのに、宣言されてもね。好きとか、そんなんじゃないし。今はまだ、そんな感じ。

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