表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/61

48 奴隷市への潜入作戦!

「ここがそうなのか?」


「あ、ああ……」


ユリスベルの案内で訪れた件のバー。そこは、バーというよりも酒場の方がしっくりくる店構えをしている。

古ぼけ、雑然とした酒場。こんな所の地下に奴隷市があるなんて、存在を知らない人間なら考えもしないだろうな。


「それで、どうやって入るんですか? フリーパスで入れてくれるとは思えませんけど」


高宮が顎に手をやり、そんなことを言う。


「私たちは、こいつの連れという設定で行く。奴隷市は会員制だそうだが、既に会員の貴族や富豪の連れなら、大した身分確認もなく入れるみたいだからな」


「なるほど……分かりました」


「ふーん、結構ザルなのね」


多分それは、貴族や富豪の連れの身分をヘタにほじくって、怒りを買うのを避けるためだろう。

まあ、ザルと言われればザルだな。


「お、おい……他の貴族たちなんかの前では、おかしなことをしないでくれよ。もしバレたら、大変なことになるんだからな!」


ここまできて、まだ保身に走るとは、なかなかだな。

だが、ヤエを取り返すためにここに来た俺たちに、いまさら行動を窘めても意味ないと思うけどな。


「あーはいはい。分かった分かった」


一応、了承しておこう。ごねられても面倒だし。


「た、頼むぞ……」


未だに不安そうな骨男は放っといて……いよいよ潜入だ。


「さあ、行くぞ」


「ええ」

「は、はい!」

「……」


俺は、朱夏たちに声をかけ、酒場の扉を開け放った。



「……いらっしゃい」


俺な扉を開くと、店主が無愛想に呟いた。


狭い店内には、一卓のテーブルに数席椅子が設けられたものとカウンターがあり、カウンターの奥では、店主がグラスを磨いている。


ふーん。多少陰気ではあるが、よくある酒場にしか見えないな。とても奴隷市と繋がっているとは思えないけどな……。


俺たちが店内を見渡している間に、ユリスベルが店主に何やら耳打ちしていた。

すると、店主は、辺りを見回したあと、カウンターテーブルの跳ね上げ部分を上げ、中に入れと首を動かした。


「さあ、早く行くぞ」


ユリスベルに促され、カウンターの奥へと向かうと、地下へと続く階段が現れた。


「ここから先は、貴族や富豪たちの裏の社交場だ。頼むから、ヘタなことをして悪目立ちするようなことは、しないでくれよ」


似たようなことを、さっき外でも聞いたぞ。

それに、ヤエの救出に来てるんだから、ヘタなことをするなというのは無理が……ああ、目立たずにやれということか。それなら、認識阻害を使えば、可能かもな。


俺が頷くと、ユリスベルは一応納得したようで、階段を降りて行く。

俺たちもそれについて行った。



「やあ。今日は、良い商品が出品されると聞いて来たんだが」


「ああ、これはこれはユリスベル様、お耳が早いことで。お聞きの通り、今日は極上の品がありますので、お楽しみに!」


地下に降りてすぐの所に、やたら頑丈そうな鉄格子があり、見張りと思しき男が立っていた。

ユリスベルが親しげに話しかけると、見張りも見慣れた客と話すような態度を見せた。


「そうか、楽しみにしておくよ」


「はい! ……ところで、そちらの方々は?」


「あ、ああ! ぼくの連れなんだ! どーしても来たいと言ったから、仕方なくね……」


「そうでございますか。では、どうぞお入りください」


見張りはそう言うと、特に身分確認はせずに、鉄格子を開けた。事前情報通り、会員の連れに対しては、警備が甘いな。


鉄格子を抜け、薄暗い細道を少し歩くと、また扉が現れた。

警備の姿は無く、木が素材の扉をまた開けると、ようやく目的地に辿り着いたようだ。


奴隷市と聞いていたが、そこは、市というよりも劇場といった方がしっくりくる構造だった。

全体的に広く、高級感溢れる造りの長方形の部屋で、舞台が一つあり、それ以外には、豪華なテーブルと椅子が用意されている。

おそらく、商品の奴隷たちは、あの舞台から登場するのだろう。


俺たちは、関係者入り口? らしき通路に一番近い席に座り、辺りの様子を伺う。

その時に、他の客が目に入った。身なりや立ち振る舞いからして、上流階級の人間というのが伺えるが、どいつもこいつも肥えた豚か極端に痩せた骨といった醜い姿をしており、不快感しか湧かない。


客を見るのはやめ、舞台に視線を移す。すると、商品を発表しようとしているのか、舞台裏が少し、慌ただしいように感じた。


商品として出される奴隷たちは今、舞台袖付近に集められているはずだ。

闇雲に探すよりも、一箇所に集められた所を当たる方が簡単だ。

そう考え、機会を伺っていたが、そろそろか。


俺は立ち上がると、朱夏と高宮に「そろそろ行くぞ」と合図を送る。


「分かりました」

「了解」


2人が頷いたところで、俺は、認識阻害のスキルを発動させ、関係者入り口? へと足を進めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ