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33 修羅(高宮陽奈)

「くらいなさい!!!!」


「……っ!?」


教祖が放った粘液に、不意を突かれた俺たちは動くことができないでいた。

その液体は、3人のうちの手前にいた人物。……俺だけに見事命中したのだ。


「「綾乃『さん』!!!!」」


2人が悲痛な声で叫んだ。


「ひゃひゃひゃ!! これで彼女も我が下僕の一員です。ですが安心なさい。貴女たち2人もすぐに加えてあげましょう!」


教祖が勝ち誇ったように笑う。こいつの頭には、下僕となり、意のままに動くようになった綾乃が浮かんでいるのだろう。


しかし--


「……おい教祖。何ともないぞ、どうなってんだ?」


俺の身体には、ビックリするほど何も起きていなかったのだ。

少しガッカリしたぞ。ここは、粘液まみれになった綾乃が、快楽に抗いきれずに教祖の手に堕ちるというのが定番な展開だというのに。

……いや、まてよ。今は俺が綾乃だったな。あぶねぇ……助かった!


「ば……馬鹿な!? なぜ何も起こらないのです!?」


それはこっちのセリフだ。あれだけ自信たっぷりに使っといて、何も起こらないなんて興ざめもいいところだぞ。

いや、別にエロゲ的展開を希望してたわけではないけれども。俺×教祖とか罰ゲームもいいとこだし。


そんなことを考えている時、ふと、一つの心当たりが浮かんで、自分の冒険者カードを取り出した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

神代綾乃 女 Level 8


職業 勇者


魔力保有量 170


攻撃力 190


防御力 100


魔導力 160


魔法防御力 120


俊敏性 150


スキル


滅魔劔

隼切

滅魔光

物理耐久・魔法耐久・属性耐久上昇

キュアー level4 (回復魔法)

ブロスタ level3 (爆発魔法)

ライング level2 (雷魔法)

ホーリー level3 (神聖魔法)

トラテム (攻撃値上昇魔法)

コンフィス (俊敏値上昇魔法)

etc、etc

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


おかしい……。スキル欄の隅々まで探したが、状態異常系統耐性のものは見当たらなかった。

(どういうことだ……?)と、頭を傾げていた直後、背後からとてつもない殺気を感じて振り返った。


その正体は、おそらく高宮だ。おそらくというのは、高宮かどうか判断できなかったのだ。凄まじい殺気を放つそれは、阿修羅か般若のようであった。

あ、あの……高宮さん?


「許せない……ハーレムを称して女の人を醜い欲望の捌け口にしただけでも吐き気を催すレベルなのに、言うに事欠いてその中に綾乃さんまで加えようとしていたなんて…………コロス!!!!」


ひぃっ!? 何この娘? 俺の知ってる娘じゃない!? 殺意の対象は俺じゃないのに、気絶しそうなほど怖いんですけど!?

どうやら教祖の所業が、男嫌いと綾乃LOVEな特性を持つ高宮の逆鱗に触れてしまったようだ。

さて、阿修羅の殺意の対象になってしまった哀れな子羊の反応は?


「ひぃっ!?」


まあ、そういうリアクションになるよね。むしろ、気絶しないだけ大したものだと思う。それくらい今の高宮は恐ろしいのだ。彼女の隣にいる朱夏は、白目剥いて意識を飛ばしてるし。


あ、高宮が教祖の方に歩き出した。


「く、来るな!!!!」


教祖が両手を前に突き出し、叫ぶが高宮の歩みは止まらない。そして、突き出されたその腕に掴みかかった。


「や、やめろ! 離せ……ぐ、ぎゃぁぁぁああああああああ!?!?!?!?」


高宮が掴んだ手に力を込めると、教祖の腕からメキョッ!! という鈍い音とともに断末魔の悲鳴と錯覚するような絶叫が響き渡った。


骨が砕かれたか……。当然といえば当然か、何せ高宮は--


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

高宮陽奈 女 Level 3


職業 重戦士


魔力保有量 0


攻撃力 280


防御力 150


魔導力 0


魔法防御力 60


俊敏性 40


スキル


捨身 (一定時間防御を0にし、攻撃値を2倍に)

敲割

両断

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


物理攻撃に特化した"重戦士"なのだから。

高宮の基本武器は斧や大剣だが、素手でも並みの成人男性の腕などは、容易くヘシ折ることができるようだ。

恐ろしい! 今度から高宮を怒らすのは絶対にやめておこう。


俺はそんなことを考えながら、見た目JCの重戦士が泣き叫ぶ男を蹂躙する様を眺めていた。

……しばらく肉料理は食えないかもしれない。

目の前の凄惨な光景は、俺にトラウマを植え付けさせるには十分のものだった。


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