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立ち上がる勇気  作者: 月島裕
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魔物と無力

【浩人、治癒魔法も使えたんだね!】

「……。分からないんだ…なぜか急に光だして…」

浩人は自分の手を見つめていた

“なんだったのかな…”

「ありがとう。異世界から来た勇者よ。」

長が浩人に深々と頭を下げた

「よく分かりませんが、治せて良かったです。」

そして渡すのを忘れていたルナから預かった物を渡した

「ありがとう。これがあれば皆助かる。」

洞窟の中を見渡すと20人ほどいた

「村には何人居たんですか?」

「100人ほど住んでいたが助けられたのはこれだけだ……。連れて行かれたのもいるからな……」

「……。連れて行かれたんですか…」

「あぁ。急に襲ってきたからな私も少し出遅れてしまった…。ここに連れてくるのも本当に大変でな……。連れて行かれた奴らは村でも魔力が強い連中ばかりだった……」

「そうなんですか……。上は悲惨な状況でしたよ…」

「……そうか…」

長は手で目頭を押さえている

「あと村に来る前に怪我をしてる女の子を見つけてルナとリルが手当てしてます。」

慌てて浩人に詰め寄った

「アリッサだったか!?」

「怪我が酷くて、そのまま倒れてしまったので名前は分かりません……呼んでみますか?」

「頼む!」

浩人はルナを呼び出した

『村に着いたか?!着いたのだな。なぜ襲われた?』

長の姿を見て着いた事に気付いたようだ

「我々もなぜ襲われたのか分からない。見えないように魔力の層を張っていたし、侵入出来ないようにもしていたはずなのに…。

ルナ様…助けた少女は?」

『今リルが治療している。もうじき目をさますだろう。』

「そうですか…良かった…」

長は安心したようで地面に座り込んだ

『浩人。状況は?』

「村の状況は最悪だよ…殺された人たちがあちこちにいた……。あと長老の話だと連れて行かれた人たちもいるみたい。」

『……。そうか。ここには何人居るんだ?』

「20人。長老が連れてきたみたいだよ。」

『そこに居てはまた襲われる可能性があるな……。どこに移動させようか……』

「ルナ様。近くに私の一族が作ったダンジョンがあるのですが…。」

『……。ダンジョンに入るのは賛成出来ない…』

「解除方法も知っているので大丈夫かと……。」

『浩人。守りの術は使えるか?』

「分からない…。魔力が内側から流れてくるのは解るんだけど…出来るかは…」

『今すぐやれ!魔獸!浩人と村人を守れ!』

ルナも魔力を放出して村人たちに向けた

「なんで気付いたんですかルナ様?」

『マカロ村のルイークは私を様付けで呼ばない。村が襲われた時点でルイークは殺されていたのだろう?アリッサは、その事を伝えるために村を離れたが襲われたのだろう?』

「御察しのとおりでございます。さすが私のルナ様です。相変わらず美しいお姿。拝見できて光栄でございます。」

『……。マリお前は何をしようとしているんだ。』

「変革ですかね…うふふ。ルナ様も賛成して下されば回りくどいやり方しなくてすむのですが。あぁ私のルナ様…私の側に来て下さいな。」

『断る。』

「それでは村ごと消してしまいましょう。ルナ様また。」

『浩人!魔力を最大限まであげろ!』

言われるまま気を失ないそうになりながら魔力を解き放ち続けた

村人たちを守るように透明な光の空間が広がり爆風にも耐えた

長の姿形を真似ていたマリは爆発と共に元の姿に戻り高笑いをあげながら消えていった

『浩人!聞こえるか?!』

「……あぁなんとか」

『よくやった!村人も無事なようだな。魔獸もよくやった。』

【なんとかって感じだよ…浩人…】

アルは魔力を使い過ぎたようで浩人のポケットに入り込んだ

【僕はしばらく休憩するよ…】

「ありがとうアル。ゆっくり休んで。」

『浩人は大丈夫なのか?』

「一瞬、気を失ないかけたけど大丈夫そう。村の人たちを移動させなきゃだし。」

『そうだな。20㌔先にモルカ村がある。そこに連れて行ってくれ。モルカ村はマカロ村より魔力が強い者が多いから事情を話せば助けてくれれはずだ。』

「でも怪我をしている人たちを長い距離移動させるのは無理じゃないかな…小さい子どももいるし…」

『そうだな……少し待っててくれ。』

そういうとルナは通信を切った

ルナの返答を待ちながら村の人たちに話しかけ怪我の具合を確認して回った

長老が殺された事実が呑み込めない人たちもいて取り乱していた

浩人は少しでも気持ちが楽になるように話しかけ続けた

すると鏡が光ルナの姿が現れた

『すまない、少し手こずってしまって。今モルカ村の魔男が迎えに来てくれる。奴らもモルカ村の人間には手を出さないはずだからな。』

「良かった。ルナ、さっきの子は何者なの?」

『あれは私たちの弟子だ……。いや…だったか……。私たちには及ばないがアイツも魔力は強い…。見ただろ、さっきの爆発を…』

「弟子!?魔力が強いのは肌で感じだよ…でも他人になりすます事が出来るなんて……。」

『なりすますというより皮を被っただけだろ……。だからすぐには気付けない…相手が油断したのを見て襲ってくるのがアイツのやり方だ。モルカ村の魔男が迎えに来たら一度、私たちの所に戻ってくれ…確かめたい事があるのでな。』

「皮を被る……。えっスッゴいキモいし怖いんですけど!!やばい想像したくない……」

『だろうな。迎えが来たら連絡してくれ。』

「あっうん。分かったよ。」

ルナと通信を終えてマカロ村の人々に事情を説明しモルカ村に行く事を承諾してもらい迎えが来るのを待った

しばらくすると空が真っ黒に染まり人が降りて来た

「モルカ村のライルだ。マカロ村の住人か?」

「あっ俺は異世界から来た浩人です。ルナに言われ待っていました。マカロ村の人々はこちらです。」

「そうか。長が村で待っています。今からモルカ村に移動するのでカラスに乗って下さい。」

「宜しくお願いします。」

「それじゃ浩人。ルナに宜しく。」

ライルは村の人々を大群のカラスに乗せモルカ村へ飛び立った

浩人は見えなくなるまで手を振り続けた



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