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立ち上がる勇気  作者: 月島裕
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ミーナの揺るぎない想い

【なんだか懐かしい匂いがする。】

アルも結斗の存在を察知したかのように起きてきた

初めは半信半疑のようで浩人のポケットから出て行かなかったが結斗がアルに気付き

「アリューなのか?!」

【結斗!!】

アルは結斗に呼ばれるなりポケットから飛び出して行った

「アリュー元気だったか?浩人と一緒に居たんだな。良かった。」

【結斗!なんで急に居なくなったの?!】

「居なくなった訳じゃないんだけどな…」

ミーナは結斗にベッタリくついて離れようとしなかった

アルも二人の周りをグルグル回っている

浩人はもどかしい気持ちで見つめていた

【結斗、いつまで居られる?】

「すぐ戻らなければならないんだ…。」

「やだ!お父さん行かないで!!」

ミーナはまた結斗の服を掴んで叫んだ

【?結斗、その子って?】

「あの時産まれた子供だよ!」

【えぇぇ!結斗の娘だったのか!気づかなかったよ…】

「分からないよう産まれてすぐに長と呪いをかけたからね。」

【そうだったんだ…】

「アリューも元気そうで良かったよ!急に離れ離れにされたから心配してたんだ。アリューの魔力を探したんだけど途絶えた状態だったから見つからなかったし、ミーナの事も心配でちょこちょこ会いに行ってたんだけどさ…。二人にまた会えて本当に嬉しいよ。」

【僕も結斗が生きてるって解って本当に良かったよ!あの双子は何も教えてくれなかったからさ…。でも浩人に出会えたから良かったけど。】

アルは浩人の肩に座り頬擦りをした

「浩人ありがとう。呼ばれた時は悩んだけど…お前も悩んで呼んだんだろうって事は解ってるから……。ゴメンな…」

「大丈夫だよ、兄さん。俺は出来る事をするだけだから。」

結斗の隣で聞いていたミーナが結斗に確認する

「お父さん、浩人とお父さんって兄弟なの?」

「そうだよ。俺がダメだから連れて来られたらしい…。アリューは気付いていたんだろ?」

【匂いでね。でも浩人に話すのはやめたんだ…死んだと思ってたから…僕も結斗の気配を探したんだけど見つけられなかったから……。結斗は昔と全然変わらないね。】

「そっか…。アリューも変わらないよ。俺も浩人もこっちでは年をとらないよ。時間の流れに逆らってるからね…」

【異世界との時の流れは違うみたいだもんね!僕たち魔獸と一緒って事だね!】

「そうだな!」

そしてまた辺りが真っ白になった

「またか……。皆に会えて本当に良かった…。でも、もう行かなきゃならない。元気でな!」

結斗が炎を出した瞬間ミーナが騒いだ

「行かないで!!私を置いて行かないで!!」

ミーナは泣きながら結斗の腕を掴んでいる

「すまないミーナ…でも行かなきゃならないんだ……。」

「私も一緒に連れて行って!お父さんと一緒に居られるなら何だってする!お願い………。」

「………。浩人。」

「連れてってあげなよ。ずっと我慢してたんだから。親らしい事してあげなよ。」

「でもミーナが居なきゃ困るだろ?」

「困ったとしてもミーナの泣き顔を見るよりはいいよ!俺は大丈夫だから連れてってあげなよ。」

「……浩人が言うなら連れて行く…。魔女の村は見つけられるのか?」

【僕が案内するから大丈夫だよ!僕も魔力はあるし、浩人の魔力も格段に上がってるから大丈夫!】

「そうか……じゃミーナは返してもらう。またな!」

「浩人!魔獸!ありがとう!元気でね!」

ミーナは笑顔で浩人とアルに手を振り結斗と共に炎の渦の中に消えて行った

その後ルナから通信があった

『浩人。ミーナはどうした?』

「結斗と一緒に行かせた…」

『バカなのか?お前の敵になるんだぞ!あれほどの魔力があれば大変な事になる…お前は解っていて行かせたのか?』

「父親と一緒に居たいっていう気持ちを尊重しただけだよ…俺は間違ってたとは思わない…」

『結斗は私たちを許してはくれない……浩人。解ってほしい…私たちは故意に見殺しにした訳じゃない事を。』

「話してくれる?!やっぱり両方の話聞かなきゃ分からないからね。」

『あの日、結斗はもう1つのエルフ族の村に行ってたんだ……

マリーンを殺した長の村だった…私たちも長と連絡を取りながら話を進めていたんだ。マリーンが殺された時も通信を妨害されたり、私たちの力が使えない状態だった……その中でもなんとかミーナを守るためにリルが禁術を使ってまで守ったんだ……』

「ミーナのお母さんは守れなかったけど、ミーナを守ったのはリルとルナだったんだね。結斗も話聞かないからな……。でもミーナが側に居れば結斗も落ち着いてくると思うよ!」

『ならいいのだが……。』

「結斗とミーナを信じよう!」

『そうだな。魔女の村は分かったのか?』

「今アルが上から確認してる。大体の位置は分かったから最終確認して向かうよ。」

『そうか。また分からない事があれば呼んでくれ。荷物も忘れずに渡してくれよ。』

「了解!」

ルナはスーっと消えていった

アルが降りてくるのを待ちながら結斗の話とルナの話をまとめてみた

“なんだか嫌な予感しかしないなぁ。”

そんな事を思っているとアルが急いで戻ってきた

【浩人!!大変!早く向かわなきゃ!】

「どうしたの?!」

【村の方から変な煙が上がってる!!】

「えっ!!アル!急ぐぞ!」

二人は位置を確認し急いでマカロ村へと向かった


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