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立ち上がる勇気  作者: 月島裕
16/18

ワサイとルナと

二人が寝て半日以上が過ぎた頃ルナが起こしに来た

「浩人!魔獸!そろそろ起きろ。出発の用意が出来たぞ。」

「ふぁー。ルナ…おはよう…出発……?」

「寝ぼけてないで起きろ!」

ルナの怒鳴り声に驚いてアルも目を覚ました

【ルナか……ビックリした……】

「皆待っているから早く支度をしろ。」

【そんな慌てなくても時空間ねじれてあるから大丈夫でしょ。まだそんなに時間経ってないでしょ?】

「それはそうだが……早くしなければタリアルが村を襲う危険性があるからだ。」

【そうか…】

「アル、急いで用意しちゃおう!」

【うん。】

慌てて身支度を整えて皆が居る部屋へ

部屋に入り周りを見渡すとキリとアレクの姿が見えない

「あれ。アレクとキリは?シラーズもまだ全快じゃないのにどこ行ったの?」

「二人は別な用で先に出て行った。シラーズは体力回復のためリルが奥の部屋で回復させてる。」

「そっか。じゃ俺とアリッサとアルはチカヤル村に行ってワサイと話しして来てもらえばいいんでしょ?」

「すまないが頼んだぞ。」

「任せて!」

「一番村から近い場所に移動させるがチカヤル村の人々も警戒しているから気を付けていってくれ。」

「了解!行こうアリッサ!」

スッと手を差し出されたがアリッサは戸惑ってしまい浩人の手を掴もうとするが手の震えが止まらなくなっていた

それに気づいたアルが浩人を傷つけないため浩人の手の平に乗った

【浩人!】

「アル!」

【優しいね。僕のために手を差し伸べてくれるなんて。】

「アリッサに……まっいいか。行こう!」

「はい………」

アリッサは自分の手を握りしめていた


二人と一匹はチカヤル村から西に五キロ離れた森に降り立った瞬間

異変に気づいたアルが警戒して辺りを見渡しながら巨大化

「アル…。なんだが変な気配がするな…」

浩人も気付き周りを見渡しながら剣を手にアリッサを守るように構えた

【浩人!来るよ。】

アルの言葉に浩人は静かに頷いた


風がすごい勢いで吹き抜けた

アルはアリッサに覆い被さり浩人は二人を守るように魔力を解き放った

「アル、アリッサ大丈夫?」

【ありがとう大丈夫だよ。】

「大丈夫です。」

風の渦の中に人影が見える

「誰だ!!」

「お前らこそ誰だ!我らの村に何のようだ?!」

「村?まだチカヤル村の中には入っていないはずだ!」

「この森は我らの村の管理下にある!用がないなら今すぐ出て行け!」

また強風が吹き荒れる

「待ってくれ!!ワサイという方に用があってきたんだ!!」

「………。なんの用だ!?」

「えっ?!」

「俺がワサイだ。」

風が止みワサイが近付いてきた

「俺に用事とは珍しい。まさかルナの手先か?」

「ルナに頼まれてきた。貴方にお願いがあってきました。」

「……ルナの知り合いならお断りだ。アイツに関わるとろくなことがないからな。」

アリッサが帰ろうとするワサイの腕を掴み

「話だけでも聞いて下さい。お願いします。」

「ルナに関わると人が死ぬ……俺は村の人間を殺されたくはない。だから断る。」

「ですが……。もし世界が破滅するとしても手を貸して頂けませんか?」

「………。」

「貴方が手を貸してくれなければ皆死んでしまうんです……。嘘ではありません。」

ワサイは何かを考えているようでブツブツ言いながら土に何かを書き始めた

浩人は文字が読めないため何を書いているか解らなかった

アルとアリッサは書き出している文字を見て何かを理解したようだった

「アル…なんて書いてあるの?」

【あっそうか。浩人は読めないんだったね。ざっと言うとルナとの思い出を書き出しているんだよ……災難ばかりなのが分かるから嫌がるのもわかるかな……】

「そうなんだ……」

浩人は残念な気持ちになっていた

ルナとワサイの過去に何があったか気になっていたからだった

するとアリッサが浩人の様子に気づいた

「あの…訳しましょうか?!」

「本当に!ありがとう助かるよ!」

「そんな事は…初めてあった時に山に薬草を取りに言ってくれと言われ行ったら村で火事がおきた…次に魔石を取りに川に行ったら大雨が降って村は半壊……次に貝殻を取りに海へ行けと言われ断ったら無理やり連れて行かれた村が襲われた……そして湖に水晶を取りに行かされたら両親が死んだ……まで書いてあります。まだ思い出しているようですが…」

「ありがとう。でもさ…俺が思うにルナはワサイを助けようとしてるんじゃないの?災難から。」

「……」

ワサイは黙って土に小枝を突き刺し続ける

しばらくするとワサイが話し始めた

「俺は魔力がある訳じゃねぇ。妖術も使えねぇ。素手でしか戦えねぇ……なぜルナに呼ばれたかも理解出来ない。」

「理解出来ないならルナに直接聞けばいいんじゃない?!それでも嫌なら俺がチカヤル村に送ってくるよ!ルナがなんと言おうとね。」

「お前にそんな事出来るのか?」

「出来るよ。信じてほしい…俺たちは君を騙すつもりは決してない。」

浩人はワサイの目を見て話した

その目を見て浩人の真剣さが伝わりワサイが折れた

「分かったよ…でも約束してほしい事がある……俺だけじゃなく村の人々も助けてほしい。村の人間は皆家族なんだ……。」

「マリには魔力の壁も効かないからなぁ……。ちょっと考えてみるよ!」

「ありがとう……」

浩人は何か手立てはないかアルと話をし始めた


ワサイはまだ気持ちが晴れずにいた

「なぁ。アイツの言ってる事は嘘じゃないって分かるんだけどよ。ルナが黙ってないんじゃないか?」

「浩人さんは選ばれし者なんです。そしてルナ様の比ではありません。ルナ様が何を言おうと浩人さんには従うはずです。」

「そんなにすげぇのか?!」

「はい。優しい方なのでそういう風には見えませんが。」

アリッサの話を聞いてワサイは少し安心したようだった

「タリアル様が……敵だって本当なのか?俺は信じがたい……」

ワサイは自分の服を強く握りしめながら話した

アリッサはワサイの行動に気付き優しく話し始めた

「私も嘘であってほしいと願っています。もしかしたら聞き間違いや見間違いかもしれない……ですがマリが現れ私たちの村は一瞬で消え去りました……マリとタリアル様がシラーズを襲いました…間違いではないんだと確信し、同時に絶望も味わいました。ですが浩人さんが私の兄や幼なじみを助けてくれ生きる希望が沸きました。タリアル様は敵になってしまいましたが……私たちには浩人さんが付いています。」

「…………。」

ワサイは何かを考えているようでボーッと空を見上げ始めた

アリッサに見られないように涙を隠しながら





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