第六十九話 極秘計画
「こちらアストレアⅢ。アストレア1応答せよ」
携帯の画面のみが光源の夜の部屋。少年は携帯で目当ての人物の電話番号を出して通話ボタンを押す。そして、電話が繋がるとすぐに呼び掛け。
『……こちらアストレアⅠ。アストレアⅢ、そちらの様子はどうだ?』
携帯から聞こえるのはまだ若い女の声。少年は頷く。
「対象に特に動きはなし。こちらの行動にも気づいてない模様」
少年は簡潔に相手に自身が集めた情報を述べる。
『了解した。作戦決行は明日だ。アストレアⅢ、合流前によく準備をしておけ』
相手の言葉に頷く少年。
「了解したアストレアⅠ。明日、マルキュウマルマルにそちらと合流する」
向こうでにやりと笑う気配がする。
『ま、明日は忙しいだろうし今日は早く寝といたら? 空狐』
「そうします。朱音さん」
くすっと相手の、朱音の言葉に少年、空狐は笑った。
『では、アストレアⅢ、通信を切る』
「アストレアⅢ了解、御武運を」
『そっちこそ、一つ屋根の下なんだからばれないようにね』
そう言って、二人は電話を切った。
ふうと僕はため息をつく。
それからベッドに倒れこむ。その時視界に入ったのは机の上に置いてある小さな小箱。それを見て僕は表情を緩める。
「明日、舞さん喜んでくれるかな?」
「喜ぶんじゃないの?」
そばにいたイヴの返事に僕はそうならいいなと笑った。僕からの贈り物に喜んでくれる彼女をイメージして。
この日の翌日、その日は僕らにとって重要な日。舞さんの十六歳の誕生日なのだから。
えー、いろいろ考えた結果、今回のバトル話は作品全体のバランスを崩すと思ったので、こちらに変更です。
削除された話は機会をみて投稿します。
ご迷惑おかけしました。