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狐火!~狐少年の奮闘記~  作者: 鈴雪
第十二章 夏休み
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第五十九話 夏休みですよ〜♪

 皆さん、明日から夏休みです。いやっほー!!


「では、皆さんまた二学期に」

 小泉先生の言葉とともに委員長の号令で全員が席を立ち、礼をする。そして、先生がいなくなった途端に教室中が騒がしくなった。

 みんな友達と集まって「どこ行く?」とか「なにする?」と話している。

 それで、僕は舞さんと刹那くんにアルトちゃんと集まって部室に向かう。実はアルトちゃんも先日正式に演劇部の一員になりました。

「やっと夏休みだねー」

 僕が呟くと「うん!」とアルトちゃんが頷く。

「アルト、海行きたいな。海!」

「そうだね。確か合宿先。海のそばって言ってたから一緒に泳ごうね」

 アルトちゃんの言葉に舞さんが嬉しそうに答える。海かぁ。いいなあ……なんとなーく、舞さんの水着姿を想像する。あと、スイカ割りとか花火とか、いろんなイベントがあるだろうし、すごく楽しみだ。

 一方刹那くんは……ため息をついている。なんで? このメンツの中で一番喜びそうなのにどうしたんだろ?

 耳を済ませば「仕事山積み……がんばらないとなあ」なんて聞こえる。よくわかんないけどご愁傷様。お仕事がんばってね。


 それから部室で合宿の日取りなどを改めて確認してからお開き。現在、僕らは家でお昼ごはんです。

 んで、お昼ご飯のソーメンを食べてた時、チャイムが鳴った。

「はーい。どちらさまですかー?」

 舞さんが箸を置いて対応に出る。

 んー、もしかしたら宅配かもなあ。重い荷物だったら舞さん大変だよなぁー。

 そう考えてみかんを飲み込んでから僕も玄関に向かう。そしたら、来客は朱音さんだった。

「あれ? 朱音さん?」

「あ、空狐くん、朱音さんが用事なんだって」

 朱音さんが? 珍しいなあ。

 僕は首を捻りつつ朱音さんの方を見る。今日の朱音さんは普段着ているメイド風にあしらった黒いドレスでなく、丈の長い白いワンピース姿だった。まあもうかなり暑いからなあ。そして、朱音さんがいつもの服以外を着てるのもちょっと新鮮に感じる。

「うん、そうなの。空狐はもう知ってるよね?」

「知ってる? なにをですか?」

 心当たりがない僕は余計に首を傾げる。それを見て朱音さんも不思議そうに首を傾げる。

「君はこれからしばらくの間、私の所で研修を受けることになったんだけど、聞いてないの?」

 ……はい?


『ごめんね〜くーちゃん実はね、手違いでこっちにお知らせ届いてたのよ〜。今日知らせるつもりだったんだけどねえ』

 電話で間延びした母さんの声を聞く。

 どうやら協会の方に僕が舞さんの家に下宿していることがちゃんと伝わっていなかったようだ。

「うん、いいよ。わかったから……うん、うんじゃあ、また。暇があったらそっちに帰るから」

『またね〜くーちゃん』

 受話器を置いて電話を切る。あの後、念のため母さんに電話してみたがホントだった。別に朱音さんを疑ってたわけじゃないけどね。

 退魔士の研修。僕は試験に合格して一級の仮免は持っている。しかし、それでは二級と実質変わらない。ちゃんと本免許を貰うには現役の一級退魔士の下で研修する必要があるのだ。

 そこで今回僕の研修先に選ばれたのが朱音さんのところだったってわけ。

 まあ、知り合いの下ってのは少し安心かも。

 そう言うことで、僕は明日から舞さんと一緒に朱音さんのところで勉強することになった。朱音さんには前から術に関して何度も相談してたし、ここでいろいろ教わることができるのはいい経験だな。うん。

「ファイトだよ! 空狐くん」

 そう言う舞さんに僕はそうですねと答えて、笑った。


次回から夏休み編です。

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