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狐火!~狐少年の奮闘記~  作者: 鈴雪
第九章 演劇部
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第四十九話 演劇部の練習

 そして放課後、僕らは部活に出る。それにアルトちゃんがついて来た。

 僕らが何をするのか興味があるみたいだ。

 龍馬とハルもこの場にアルトちゃんがいることに少し驚いていたが、すぐに気を取り直していた。

「みんな、あと一週間で本番よ! 気合い入れて……ちゃんと話し聞いてよ」

 桜子先輩が肩を落として訴える。なぜならば、女子のみんながアルトちゃんを「かわいい!」と愛でていたり「ねっねっ、君も演劇部に入らない?」と勧誘したり、お菓子をあげたりしているからだ。

 みんなごめーんと謝って散る。

「こほん、では改めて……気合い入れて行くよ!」

「「「おーー!!」」」


「は!」

「ふっ!」

 殺陣のシーンで、石田先輩と木刀で打ち合う。

「はいカーット」

 しかし、途中で止められた。桜子先輩がこっちに歩いてくる。

「確かに二人で好きに打ち合えって言ったけど、空狐もう少し手加減してあげて。一回目は君の方が負ける予定なんだから」

 むう。これでも手加減してるつもりなのに。

 僕は木刀を見る。天月より短い、小太刀ほどの長さ。普段使わないタイプだけに思ったより手加減できてないのかもしれない。

「なんか、自分の後輩で背も低い相手に手加減されるのも悲しいものがあるなあ」

 ぼそっと石田先輩が呟く。それを聞いて龍馬とハルがげっと呟いた。

 小さい? ふふふ、小さいですか?

「じゃあ、もう一度スタート!」

 桜子先輩の合図に僕は笑いながら飛びかかるのであった。


 その後、一回目はちゃんと手を抜いて負けてみせた。だが、二回目はちょおっとだけ本気になって木刀を叩き折って勝利するのであった。

 もちろんその後に備品を壊したこと、あっさり勝ちすぎと桜子先輩に怒られる僕なのであった。


 稽古が終わる頃には外はだいぶ暗くなって夕暮れ時になっていた。日が落ちるのもだいぶ遅くなってきたな。

 四人で話しながら帰る。

「くーこくん上手だったよ」

「そうかなあ?」

「そうだよ。初めの頃よりずっとうまくなったよ。きっと才能あるよ」

 と舞さんも褒めてくれる。

 そうかな? まだ初めて一カ月くらいだし、自分ではよくわからない。

 横では刹那くんは自分に指を指してアピールしているが、誰も反応しなくて肩を落とした。

「みんなが劇するのたのしみ〜」

 アルトちゃんが嬉しそうに笑うのを見て、頑張んなくちゃという気になる単純な僕であった。


〜刹那view〜

 夕飯の時間。我が家はご飯とハンバーグに蒸かしたジャガイモ、そしてサラダと味噌汁であった。

「今日学校どうだった?」

 食事中に朱音がアルトに聞く。

「うん! 楽しかったよ。みんな親切でね、それから」

 楽しそうに朱音に今日の出来事を話すアルト。朱音はその言葉に相づちをうちながら答えている。

 よし、今なら話に集中してるから!

 その隙にサラダに入っていたセロリを大皿に戻そうとして……

「刹那好き嫌いせず食べなさい」

 一瞬で横に回り込んだ朱音によって阻止されるのであった。


鈴:「久しぶりに演劇部の風景かいたな」

刹:「お前この設定忘れてたろ」

鈴:「そんなことないよ〜ぜんぜんないよ〜(棒読み)」

刹:「棒読みになってるぞ」


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