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狐火!~狐少年の奮闘記~  作者: 鈴雪
第九章 演劇部
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第四十八話 転校生ですよ。

 それは黒歴史公開から一週間後ほど、そして、温泉に行ってから二週間後のことだった。

 あと一ヶ月で夏休みと楽しみな頃にいきなり転校生がうちのクラスに編入されると先生が言ったのだ。

 一週間前に聞いてはいたけど、てっきり別のクラスに行くかと思っていた。

「じゃあ、入ってきて」

 先生がそう言うと、扉が開いてその人物が入ってきて……へっ?

 僕はその入ってきた子を知っていた。舞さんも、刹那くんも知っているはずの子だ。

 だって、壇上に上がったのは、金髪に紅眼の将来きっと美人になるだろうと思わせる綺麗な造形の顔を持つ見た目は小学生ぐらいの女の子、すなわち……

「アルト・テスタロッサです。よろしくお願いします」

 そう言って少しダブついた制服を着たアルトちゃんがペコリと頭を下げる。

 教室中で「きゃーー、かわい〜」なんていう女子の黄色い声と「おおー」なんていう男子の感嘆の声が上がるのであった。


 休み時間になるとみんながアルトちゃんの周りに集まる。アルトちゃんの席は僕の隣の隣、つまり舞さんの横だった。

 時々女子から「かわい〜!」「お人形さんみたい!」「はう〜、おもちかえり〜」なんて声が聞こえた。いや、最後のは犯罪じゃね? それより……

「ねえ、刹那くん、なんでアルトちゃんがこの学園に?」

「それは、俺もよく知らない」

 知らない? どうして?

 僕の疑問に気づいたのか刹那くんが続ける。

「いやな、朱音がいきなりうちの学校に通わせるからって言い出したんよ。俺が聞いた時はもう編入手続きも済んでたし」

 ふ〜ん。そう言えばアルトちゃんって僕たちと同い年なんだっけ。忘れてた。

 ちらっとアルトちゃんを見ると、舞さんがみんなに順番に質問するように指示を出していた。

「ねえねえ、本当に同い年?」

「本当だよ〜。アルト、ちゃんと十五歳だもん」

 転校生は大変だね〜。

「完全に馴染んで忘れてるかもしれないけど、お前も転校生だったんだぞ?」

 久しぶりに心を読まれたな……


 そして、授業となるとアルトちゃんの意外なスペックの高さが浮き彫りになった。たとえば一時間目数学の時間。さっそくアルトちゃんは先生に指名された。問題は、


  次の式を因数分解しなさい。

  (x+3)(x+1)(x−2)(x−4)+24


 である。そして、

「これの答えは(x−3)(x+2)(x^2−x−8)ですか?」

 ぱっと見ただけで数学の問題の答えを答えた。たぶん先生にあてられて一秒か二秒、つまり一瞬。あらかじめ答えを知ってるようだ。

 先生も唖然としていた。見た目は小学生ぐらいの女の子だから、少々甘く見ていたのだろう。逆に生徒のみんなはかわいらしく小首を傾げて聞くアルトちゃんの姿にみんなおっとりした雰囲気に包まれていたのであった。


 そして昼休み、四人でご飯を食べる。まわりで女子たちがアルトちゃんの見える位置で昼ご飯を食べていた。

 そして、四人で談笑しながら食べている時であった、

「あ、アルトちゃんピーマン残してる」

 と、舞さんが指摘する。

 本当だ。野菜炒めからピーマンだけ取り出して弁当箱の蓋に乗っけてる。すると、アルトちゃんは半泣きの顔で、

「ピーマンきらい〜」

 と言った。周りで女子がまた黄色い声を上げる。

 アルトちゃん、わかる。ピーマン嫌いなのよくわかるよ。苦いし匂いもあまりよくないよね。

 すると舞さんが、

「ダメだよアルトちゃん、好き嫌いなんてしてたらママさんみたいな美人になれないよ?」

 とアルトちゃんをたしなめる。その一言が効いたのか、アルトちゃんはうーっと目尻に涙を浮かべながらもがんばってピーマンを食べるのであった。偉い偉いよアルトちゃん。


 後で、舞さんになんであんなこと言ったのか聞くと、

「えっ? あらかじめ朱音さんが教えてくれてたんだよ?」

 予想してあらかじめ舞さんに対処法を伝えてたんだ。でも、知ってたなら最初から

入れなければよかったのに。まあ、好き嫌いはよくないけどさ……


鈴:「みなさん! ピーマンってあまり食べたくないですよね?」

刹:「小学生みたいな主張すんな」

鈴:「だって……」

刹:「我慢して食べなさい」

鈴:「お母さんかよ」


直しました。間違えてすいません。次からは注意します。

途中の問題ですがXの横の2は二乗の2です。

評価、感想お待ちしておりま〜す。

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