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狐火!~狐少年の奮闘記~  作者: 鈴雪
第四章 イヴの意地
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第二十五話 そういえば……

「何かハルちゃん目が輝いてたね」

 舞さんがぽつりと呟く。

「そうね」

 イヴが頷く。何でハルのキャラが変わったのか考える。

 そしたら、イヴが小さく笑っていた。

 どうしたの?

「べっつにい」

 はぐらかされた。

 と、そこで後ろから気配を感じる。

「よっ、空狐、舞」

「あっ、刹那くん」

 刹那くんに声をかけられた。って、あれ? 今僕の名前呼んだ?

「イヴも久しぶり。この前声かけなくてごめん」

「いいわよ。でも何時ぶりだっけ?」

 え? 知り合い?

 そういえば、兄さんと知り合いだって言ってたし、もしかしたら前から知ってたのかな?

「あれ? 二人とも知り合いなんだ」

 舞さんがちょっと驚いたかのように聞く。

 刹那くんは「まあね」と答える。それからまたこっちを見た。

「どう? 調子は?」

「ぼちぼち、残存魔力素跡から調べてやっぱり六十パーセントの確率でここに流れ着いているとは思うんだけど、なかなか見つからないんだよ」

 なんの話だろうか、僕にはさっぱり見えてこない。融合状態とはいえ記憶の共有はないのだ。

 二人はいつの間にか真剣に話している。舞さんも口出ししない。

「いざという時の用意はしてるけど……」

「もしもの時には言ってね。空狐に手伝わせるから」

 僕ですかよ。

 こくりと刹那くんも頷いてにっと笑う。

「もち。そのつもりだったから許可貰えてよかったよ」

 勝手に話進めるな! なんの話だよ!

 しかし、二人は説明してくれず、お互いに背を向ける。

「じゃあ、またね」

「おう。舞さんもまた明日」

「う、うん」

 結局、何の話をしてるのか分からずに僕らは別れた。


 家について

「ねえ、何の話をしてたの?」

 舞さんがイヴに聞いた。

 イヴは彼女に背中を向けて、

「ごめんね。今は話せないの」

「そう」

 残念そうに舞さんが笑う。

「じゃあ、今日のデザートのケーキはなしね」

 さらりと告げる舞さん。

「ええ! どうして?!」

 イヴが慌てて振り向くが、舞さんはどこ吹く風と言った感じだった。

「だってダイエット中なんでしょ? ケーキは天敵だよ」

 と舞さんは笑って「空狐くんとわーけよっと」と嬉しそうにくるりと回った。

 ううううう、とイヴは恨めしそうに彼女を見て、諦めたかのように息を吐く。

「わかったわ」

 残念でした。

 それから庭で分離する。元に戻るとイヴが僕の頭の上に乗った。

 やっと戻れたよ。こきこきと肩を鳴らす。

「ところでね。気になってたんだけど」

「なに?」

 舞さんがじっとこっちを見てから、

「空狐くんの体を借りてたけど、イヴちゃんの体の負担になるのかな?」

 言われてみれば……でも、霊的な繋がりもあるし。

 うーん。

 隣のイヴも腕を組んで考える。てか、

「そもそも霊的な存在のイヴが痩せたりすんの?」

 つい根本的な疑問を口にしてみる。

 イヴははっとした顔になって、

「そもそも、この体だってイメージで作ってるんだからちょっと痩せたイメージにすれば」

 おーい。僕が体貸す意味なかったんじゃね?


 そして、一度刀に戻ったイヴが出てきて、例の服に袖を通す。

「やった! 通った!」

 嬉しそうにイヴが小躍りする。

 舞さんも嬉しそうにイヴを見ている。

 なんつうか、体貸した意味がないんだけど……今のイヴを見ていると、まあいいかと言う気になれた。


 次の日、学校の昼休みにて、

「く、空狐!」

 舞さんとお弁当を食べていたらハルが来た。

「ん? なにハル?」

「こ、これ!」

 そう言って差し出してきたのは……弁当箱?

 ハルは顔を真っ赤にして、

「た、試しに作ってみたから食べて!」

「う、うん」

 なんか妙な迫力。

 それから舞さんを見る。

「ま、負けないから」

 なんか宣言して帰っちゃった。

「なんだったのかな?」

「さあ?」

 どうも、昨日の嫌な予感がしばらくの間続きそうな予感がした。


鈴:「はい、今回は空狐お疲れ様」

刹:「まあ、聖霊が太るわけないからな」

鈴:「イヴはよく空狐たちとごはん一緒だったから太ったって錯覚しちゃったんだよ」

刹:「にしても、女装だけでなく、本当に女にするとはな」

鈴:「お前だってノリノリだっただろ?」

刹:「まね」

鈴:「まあ、合体状態はこれからたまに出るので」

刹:「空狐大変だな」

鈴:「いいんだよ。これぐらいいじるの」

刹:「そうだな」

鈴:「と、そろそろ時間だね」

刹:「では、ここまでの放送は刹那と」

鈴:「私、鈴雪の提供でお送りいたしました」

鈴&刹:「「それではみなさんよい一日を」」




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