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狐火!~狐少年の奮闘記~  作者: 鈴雪
第二章 新しい学校
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第十二話 激突! 空狐vs『MSN』

「りゃああああ!」

 一番最初に掴みかかってきた大柄な男の腕を掴んで、体を捌き投げる。

 次に飛び掛る相手がいることを予想して身を縮める。

「うわ!」

 軽い衝撃が背中にかかると共に、僕の前に頭から地面に落ちる人が見えた。背がちっちゃくてよかった!

 ……うう、小さい(自爆)

 すぐに反転。伸び上がるついでに一番近い相手の顎に怒りを込めて肘撃ち。

「小さくて悪いかあ!」

「ぶぐ!」

 ひっくり返る飛び掛ってきた人。ちょっとやつあたりだったな。

 その後ろから胴衣を着て竹刀を持った人がああぁあぁあ!

「にゃあああああ!」

 身を捻って何とか回避。いくら竹刀とはいえ防具抜きで打たれたくはない!

「ぶんまわすなそんなもの!」

 足払いをかけてから念のため竹刀を遠くに蹴り飛ばす。

 さらに何人も飛び掛ってくる。一体、僕が何をしたのさ?

「ああもう! キリがない!」

 それらを捌きながら、ちらっと舞さん達を見る。

 舞さんは右行ったり左に行ったりどうすればいいか悩んでる様子。

 そして、刹那くんは……

「現在四人抜き! さあ、張った張った! 転入生の空狐が『MSN』のメンバーを何人抜きするか?!」

 どこから持ってきたのか机をハリセンで叩いて、賭けをしていた。

 うおい! 龍馬も賭けの記録をメモに採ってるし!

「十人抜きに千円!」

「八人抜きにコロッケパン三つ!」

「六人抜きに二千円!」

「十五人抜きにカツパン四つ!」

 何人もの生徒たち(&教師っぽい人)が、財布からお金。もしくは、カバンからパンを出して、刹那くんの前にある机に置く。

 何故に賭けるものがお金とパン両方? どっちかにしようよ。

 一方、ハルは……

「あたし、空狐が逃げ出すのに今月のお小遣い全部!」

 ばん! っと勢いよく財布を机に叩きつける。

 おおっとハルの思いっきりのいいベッドにどよめきが起こる。

 己らもう友達じゃねええ!!

「この!」

 八人目を後ろ回し蹴りで吹き飛ばす。そして九人目。武術を学んだ人間がいない事だけには感謝。これなら、今の僕でも十分対応できる。

 だけど、めんどくさいし、付き合う理由もない。

 十人目をネコダマシでびびらせてから後ろに飛んで、舞さんの横に、

「舞さん」

「な、なに?」

 少し目をつぶる。

「ごめん!」

「え? きゃ!」

 とんっと舞さんを押して壁にする。それに全員怯んだ。

 その僅かな間に魔術演算。足に仕込んだ呪符が反応して淡く光る。

「行きます!」

 だんっと一歩目。脚力強化のおかげで最初っからかなりの速度。驚いて目を見開くファンクラブ会員一同。

「ほいっと」

 突撃の途中で舞さんを掬い上げる。

「きゃっ!」

 そのまま突っ込む。

 そして、一人目、二人目、三人目、と次々と避けて校舎の入り口まで走り抜けた。

「それではー」

 そのまま、僕は呆気にとられるファンクラブ会員を尻目に校舎に入っていった。


「ふう」

 職員室の前まで、僕たちは逃げた。さすがにここで騒ぎを起こすことはないだろう。

「あ、あのさ、空狐くんそろそろ下ろして」

 舞さんが恥ずかしそうに身じろぎする。

「あ、うん」

 舞さんを下ろす。すると、すぐに舞さんがぽこぽこと僕を軽く握った拳で殴ってきた。

「もう、酷いよ空狐くん。人を盾にするなんて」

「いた、いた。ごめんなさい。でもさ、他にあの集団から抜ける方法思いつかなくて」

 詠唱する時の集中で一瞬だけ無防備になる。その時攻撃されたらたまったものじゃない。

「まあいいけど、次から先に言ってね」

 ……先に言えば許すの?

「じゃあ、僕、先生に会ってくるから」

「うん、がんばってね」

 朗らかに舞さんが笑う。

「はい」

「じゃ、また後で」

 舞さんが背を向けて去っていく。その背中を見送ってから僕は職員室を見る。

「さてと」

 がらっと扉を開く。さあ、学園生活の始まりだ!


なんだか話が壊れてきてる気が……

ご指摘、もしくは質問があったら何でもいいのですので教えてください。

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