Prologue-1 アメリカ最後の秘策
初の連載小説です。
海軍が陸軍よりも強い日本の話です。
文章が読みにくいかも知れませんがお許し下さい。
1947年8月5日 午前3:00
ハワイ沖南東500浬
重巡洋艦インディアナポリス 会議室
「はぁ...」
ふと司令官のスプルーアンス大将が短いため息を付いた。
「いかがなさいました?」
ため息をつく理由を思いつかなかった艦長のマクベイが尋ねた。
「いや、今回この艦が行う任務のことを考えると憂鬱になってな。」
「今回の任務はジャップの奴らに支配されたハワイへの強行偵察では無いのですか?確かに厳しい任務だとは思いますがそこまででは無いでしょう。気を強くお持ち下さい。」
「そうか、君には今回の任務の真の目的は開示されていなかったのだったな...。」
「今回の任務の真の目的ですか...。
どういうことです?」
「今この部屋には君と私しかいない事だしちょうどいい。今回、この艦に発された任務の真の目的を教えよう。」
「今回、このインディアナポリスに発された任務には表の目的と裏の目的がある。表の目的は君も知っている様に日本軍の占領下にあるハワイの敵戦力の強行偵察だ。そして、この作戦の真の目的だが、その前に本艦にはドイツとの戦闘で回収されたV2ロケットが一基だけ積まれているのは知っているか?」
「ええ、自分の艦の事ですから存じております。何故積まれているのかは存じあげませんが。それが本作戦の真の目的に何か関係が?」
「関係があるというよりもそれこそが真の目的そのものであるといっていいだろう。このインディアナポリスに一発だけ搭載されたV2ロケットの弾頭はドイツが搭載していた爆弾ではなく、2年前にロスアラモスの研究所で開発された原子爆弾なのだ。
インディアナポリスが命じられた作戦とはハワイの日本軍の兵力を偽装重巡洋艦を旗艦とする潜水艦隊各艦に搭載されたV2ロケットで撃滅するというものだ。
いくら敵の占領地とはいえ自国の領土に核を撃ち込むのだ憂鬱にならないわけが無いだろう。」
「あのV2にはあの禁断の爆弾が搭載されていてしかもそれをハワイに撃ち込むまないといけないのですか。
他に日本軍を撃滅する方法はなかったんですか?」
「日本軍を撃滅する手段が他にあったなら我々アメリカ軍はもっと早期にこの戦争を終わらせていただろう。他になかったのだから核をハワイに撃ち込むのだ。」
「では、必ず成功させる必要がありますね。」
「その通りだ。この作戦は我々アメリカの命運がかかっているのだ。何としても成功させなけられば。
そのためにも"奴"に見つかるのだけは避けなければいけない。」
「CICに戻ったら対潜警戒を強化させます。」
「そうしてくれ」
《緊急放送!緊急放送! 司令並びに艦長は直ちにCICにお越しください。ジャップの潜水艦をソナーに捕らえました!敵のピンガーも同時に確認"海魔の王"に見つかりました!繰り返します...》
「司令ッ!」
「恐れていたことが起こったようだな。CICに急ぐぞ!」
次回更新は2月中に行う予定です。
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