リセットボタン
どうして、こうも上手くいかないのかな。
君とは、幼馴染だった。
小さい頃は、ずっと一緒に居たんだ。
お母さん達が仲がよかったらしいよ?
同じ保育園に行っていた。
君は、明るくてみんなの輪に入れなかった僕の手を引っ張ってくれてた。
小学校だって同じだった。
君は、友達が大勢いた。
それでも、友達が出来ない僕ともいっぱい遊んでくれた。
いつから、おかしくなったのかな?
小学校の高学年から、君はだんだん僕と距離を取るようになった。
僕は、いじめられるようになった。
「気持ち悪い」だって。
君は人気者だったから、僕と居るのはだめなんだって。
でも、たまに君は助けてくれた。
それがどれだけ嬉しかったんだろう。
中学生でも君と同じ学校だった。
そこでも、僕はいじめられた。
「僕なんて言ってるの、おかしい」とかたくさん言われたね。
あー、君にまとわりつくのが嫌だったらしいよ。
君は相変わらず人気者だった。
顔もよかったから、もててたみたいだしね。
君は助けてくれなくなった。
僕と関わらなくなった。
僕はひとりぼっち。
高校になっても同じ学校だった。
女子から、君を追っかけてきたんだとか散々言われた。だんだんいじめが陰湿になってきて、制服を破られたりもした。
でも、もうどうでもいい。
君が隣に知らない女を連れて、楽しそうにデートなんかしてる。
誰なんだよ、その女!
僕はほっといて、何してるんだ!
僕はひとりぼっちなのに。
こんなの、おかしい。
なんで、僕は無視されて、その女がかまわれるのか。
おかしい。
ゲームならリセットするのに!
……
あれ?
そっか、リセットすればいいんだ。
僕は、君の家に行った。
「何か用?」と嫌悪を露わに聞いてくる君の体にあるリセットボタンに、包丁を差し込んだ。