真面目すぎる高校生はシステムエラーではじかれました
今回、かなり短いです。
必要に応じて、推敲して文章を追加しますが、しないかもしれません。
伝説とは
「まったく……あいつはもう例外でいいわね。」
「次の勇者は……まともなのを。」
担当が用意した、『勇者候補リスト』をペラペラ雑にめくる。
及川淳哉。性格:真面目 成績極めて優秀 第三回全国記述模試成績9位 文系 高校3年生
この子だ!
この子なら間違いなくイケるわ!
魔法陣が現れ……。
なにも起きなかった。
「あ、あれ、おかしいわね。また、魔法陣のエラー?」
シルフィーナはちょっと魔法陣の周りをぐるぐる回る。しかし、原因はよくわからなかった。
「技術者、呼ぶしかないかな。」
そうして呼ばれた、担当はサクッと修理して、去っていった。
「ふぅ、リトライ!」
再び魔法陣が現れ……そこには雰囲気イケメンのブレザーをきた男の子がいた。
周りをキョロキョロしているが、視線が交叉した。
(まぁ当然の反応よね、いきなり現代日本から転移させられたのだもの。)
「及川淳哉君。」
「あれ、なんで僕。確か自習室にいたはずなんだけど……え、ここどこだろう?あれ、あなたは誰です?」
「混乱するのも無理はありません。」
「あなたは神々に選ばれしものです。あなたには、いえ、あなたにしかできない使命があるのです。」
「……使命?でも、僕はただの高校生で……。」
「はい、それも承知でお呼びしました。私はシルフィーナ。世界の秩序を守る女神です。」
「これ、なんかアニメで見たことある。もしかして、異世界いけって話ですか。」
「話が早くて助かります。簡略ですが、説明します。あなたにはとある世界へ行っていただきたいのです。」
「その世界では、魔王と人間との戦いが目前に迫っているのです。あなたにはそれを止める、または魔王を倒してもらいたいのです。」
「戦争……そんなことが本当に?でも、それなら止めないと。」
「でも、僕にできるのだろうか。僕、ただの高校生ですよ。」
(ふふっ、読んだ通りだわ。すごく真面目!あの、前に呼んだどっかのクソとは違うわね!)
「はい、あなたにはこの世界では伝説級の装備を与えます。」
「それで、難局を切り抜いてください。なお、現地の言葉や最低限のお金などは心配しないで大丈夫です。」
「はい!わかりました!ここまでしてもらったんだ、なんとかやってみます!」
(いや、これガチでSSR引いたんじゃね?すごくいい素質ありそう!)
「では、あなたに幸在らんことを。そして世界を頼みます。」
指を軽くパチンと鳴らして、再び魔法陣が現れ……ちゃんと転移した。
「ふぅ。今度こそ、イケるわ!」
それから数ヶ月後。
「さて、あの子は今どうなってるかしら。」
「真面目そうだから、もう中盤ぐらいまで進んでるかしらね。」
「もしかしてもう四天王とか倒しちゃってる?」
部下から送られてくるレポートに目をやる。
「え、序盤の中ボスで死んでる……。」
「どういうこと?」
レポートの説明文には残酷すぎる事実が書かれていた。
『我らの伝説の武器、転生先世界にて銅の剣程度の威力だった模様。』
『勇者は「神々からの恩恵」としてそれにこだわったため、死亡。』
『こちら側の世界の伝説級が、あちら側では割と普通であったことが、今回の敗因と分析。』
『なお、魔法陣転移時に重大なエラー発生の様子。転移先の世界が異なっていた模様。』
『また、勇者は最後まで「これは女神様からもらった伝説の装備、負けるはずがない!」とこだわっていた様子』
『死の直前、「女神様、申し訳ありません」と呟いた、とのこと。』
シルフィーナはぽろっとレポートを落とした。
ところで、「真面目」って本当に正しいんですかね。




