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真面目すぎる高校生はシステムエラーではじかれました

作者: 久瀬 理人
掲載日:2026/05/13

今回、かなり短いです。


必要に応じて、推敲して文章を追加しますが、しないかもしれません。


伝説とは

「まったく……あいつはもう例外でいいわね。」

「次の勇者は……まともなのを。」

 担当が用意した、『勇者候補リスト』をペラペラ雑にめくる。

 及川淳哉。性格:真面目 成績極めて優秀 第三回全国記述模試成績9位 文系 高校3年生

 この子だ!

 この子なら間違いなくイケるわ!

 魔法陣が現れ……。

 なにも起きなかった。

「あ、あれ、おかしいわね。また、魔法陣のエラー?」

 シルフィーナはちょっと魔法陣の周りをぐるぐる回る。しかし、原因はよくわからなかった。

「技術者、呼ぶしかないかな。」

 そうして呼ばれた、担当はサクッと修理して、去っていった。

「ふぅ、リトライ!」

 再び魔法陣が現れ……そこには雰囲気イケメンのブレザーをきた男の子がいた。

 周りをキョロキョロしているが、視線が交叉した。

 (まぁ当然の反応よね、いきなり現代日本から転移させられたのだもの。)

「及川淳哉君。」

「あれ、なんで僕。確か自習室にいたはずなんだけど……え、ここどこだろう?あれ、あなたは誰です?」

「混乱するのも無理はありません。」

「あなたは神々に選ばれしものです。あなたには、いえ、あなたにしかできない使命があるのです。」

「……使命?でも、僕はただの高校生で……。」

「はい、それも承知でお呼びしました。私はシルフィーナ。世界の秩序を守る女神です。」

「これ、なんかアニメで見たことある。もしかして、異世界いけって話ですか。」

「話が早くて助かります。簡略ですが、説明します。あなたにはとある世界へ行っていただきたいのです。」

「その世界では、魔王と人間との戦いが目前に迫っているのです。あなたにはそれを止める、または魔王を倒してもらいたいのです。」

「戦争……そんなことが本当に?でも、それなら止めないと。」

「でも、僕にできるのだろうか。僕、ただの高校生ですよ。」

 (ふふっ、読んだ通りだわ。すごく真面目!あの、前に呼んだどっかのクソとは違うわね!)

「はい、あなたにはこの世界では伝説級の装備を与えます。」

「それで、難局を切り抜いてください。なお、現地の言葉や最低限のお金などは心配しないで大丈夫です。」

「はい!わかりました!ここまでしてもらったんだ、なんとかやってみます!」

 (いや、これガチでSSR引いたんじゃね?すごくいい素質ありそう!)

「では、あなたに幸在らんことを。そして世界を頼みます。」

 指を軽くパチンと鳴らして、再び魔法陣が現れ……ちゃんと転移した。

「ふぅ。今度こそ、イケるわ!」


 それから数ヶ月後。


「さて、あの子は今どうなってるかしら。」

「真面目そうだから、もう中盤ぐらいまで進んでるかしらね。」

「もしかしてもう四天王とか倒しちゃってる?」

 部下から送られてくるレポートに目をやる。

「え、序盤の中ボスで死んでる……。」

「どういうこと?」

 レポートの説明文には残酷すぎる事実が書かれていた。

『我らの伝説の武器、転生先世界にて銅の剣程度の威力だった模様。』

『勇者は「神々からの恩恵」としてそれにこだわったため、死亡。』

『こちら側の世界の伝説級が、あちら側では割と普通であったことが、今回の敗因と分析。』

『なお、魔法陣転移時に重大なエラー発生の様子。転移先の世界が異なっていた模様。』

『また、勇者は最後まで「これは女神様からもらった伝説の装備、負けるはずがない!」とこだわっていた様子』

『死の直前、「女神様、申し訳ありません」と呟いた、とのこと。』

 シルフィーナはぽろっとレポートを落とした。


ところで、「真面目」って本当に正しいんですかね。

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― 新着の感想 ―
こりゃあんた、仕様を確認せずに納品した挙げ句、人身事故まで起こしたんだから担当者クビだろ。重大な瑕疵があったとて、前職女神だったならスナック位なら雇ってもらえるさ。
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