鎮艦歌 時雨
霧舞う海に 華が散る
黒鉄の龍が 地に呑まれ
大陸が 紅に染まるとも
国を護りし 剣と在れ
国を護りし英霊を 焼きし卑劣な騙し撃ち
祖国を護らん英霊は 戦を以て争わん
死の商人の 死の翼
撃滅せんと 吾は征く
海割る弾に 焼かれども
空裂く光に 焼かれども
祖国の為に 争わん
吾戦はまだ 終わり無し
暮無く来るは 英仏と
独の光は 消え失せて
吾海至るは 兵の朱
嗚呼 靖國への光射す
空舞う 翼を撃ち墜し
翳舞う 海を掻き渡り
祖国の為に 争わん
吾戦はまだ 終わり無し
二分されゆく 鉄の華
十字は灼かれ 解け落て
黒と赤とで 蠢いて
祖国を想うは 何れなる
空舞う翼は ありませぬ
陸灼く 砲は互いの手
祖国の為に 争わん
吾戦はまだ 終わり無し
黒と赤とは 混ざり合い
祖国は此処に 為されしや
彼海守りし 日と菊に
十字の威容 掲げしや
空舞う黒鉄は 十字のみ
海裂く黒鉄は 日菊のみ
祖国の為に 争わん
吾戦はまだ 終わり無し
月沈み行く 大海に
沈め沈めと 消え行くか
旭日掲げし 吾旗は
陥ちることなど 在りはせじ
祖国は世をば 治めとて
祖国の護り 唯一つ
大艦巨砲が そこに在り
祖国の誇り 今何処
祖国の護り 今何処