外すと反復法
好きな音が聞こえる。そりゃあそうか、僕が選んだのだから。外すと嫌な音が聞こえる。心が不安に包まれる。
まだ好きな音が続く。そりゃあそうか、始まったばかりなのだから。でもきっと外すと、心が締め付けられる。
嫌な音が聞こえる。そりゃあそうか、そんな今日だ。外すことはできない。どこかに置いてきてしまったから。
好きな音が続く。今日は大丈夫かもと、外してみる。でも、今日もダメみたい。嫌な音が奏られる。心が痛い。
好きな音は続かない。分かってた。だから次は君の声がいい。ここは何も聞こえない。君の声だけが透き通る。
この音を君にも聞いて欲しい。そう思うけど、思うだけ。君の声は聞こえても僕の声は聞こえない。そんな夢。
今日も雨。だから着る雨合羽。そんな僕は生半可なじゃがバター。
愛してると言い抱きしめる。そんな気持ちの回帰熱。崩壊都市に旅に出る。
君にとっての日常は、僕にとっては金字塔。君への思いは蜃気楼。
いつでも話しかけていいからっていう合図も君からしたらただの風景。
そんな子じゃなくて僕と話してよ。なんてわがままな気持ち、ささやかな祈り。
学校に着くまでの時間はイヤホンで音楽を聴いているけれど、君の声が聞けるなら自分から外したい。
好きな音は続かない。だからこそ、外した次に始まるのは、君の声がいい。
「外すと反復法」でした。
学校(仕事場)に着く時にイヤホンを外す時の憂鬱について書きました。8つほど韻が踏まれているのでよければ探してみてね。