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舞踏会の真ん中で婚約破棄を叫んだけど、置いてけぼりにされた王子様(笑

作者: BrainOfKeios

夜の華やかな舞踏会が盛大に開かれていた。エレガントなドレスに身を包んだ令嬢たちが、

華やかな会場で笑顔を交わしながら、卒業を祝福し合っていた。

しかし、この華やかな舞踏会の中で、この国の歴史に残る一つの事件が

起こることになるとは、誰も予想しなかった。


一人の少女を守るように取り囲んだ集団が一人の淑女の前に進んでいった。

そしてその中で一番立派な格好をした男がその淑女に向かって叫んだ。


「私こと第一王子アルフレッドは、セ・ガサ・ターン公爵家令嬢シンクレアとの婚約をここに破棄する!!」


その淑女?はキョトンとした顔をして一瞬思案し言った。

そして同時に王子も・・・


「王子、婚約破棄につきましては承りました。」

「どんなに嫌がろうとも!?え?」


王子は固まったのち再起動して言った。

「お前は、俺と結婚したかったんだろう!?」


淑女?は言った

「いえ、全く微塵もそのようなことはありません」


王子は顔を赤くして叫んだ。

「それは嘘だ!!、その証拠にお前は、このハイファン・タジー子爵家令嬢ロインを学園で

いじめただろう!!」


「いえ、全く覚えがありませんね。むしろ王子を貰おうとするなんてすばらしい博愛精神の

持ち主で尊敬に値します。」


王子はいったい何を言われたのか理解できない。

「え?」


「王子、あなたの王子府の政策ミスで何人の方が犠牲になったかご存じですか?」


王子は顔をさらに真っ赤にしていった。

「お前は何をいっている。」


「例えばまだ我が国には、動力機械の導入は社会制度的に無理だというのに導入されましたよね」


「それがどうした、それにより意味のない重労働から国民が解放されたではないか!!」


「それでは、その開放された国民はなにをして食べていくのですか?」


「何を言っている?働かなくても生きていけるだろう」


「働かなければ食事はどうされるのですか?」


「酒場やレストランに行けばいいだろう?」


「代金はどうするのですか?」


「代金とは何だ?そこに行けば自由に食べれるのであろう。俺はいつもそうしている

皆もそうすればいいだけであろう」


周りの貴族子弟たちはドン引きである。


「まあ。それはいいですわ。それでは王子、私がロイン嬢をいじめたという証拠は?」


王子は鼻高々に言った。


「ロイン令嬢の証言だ!」


「王子、物的証拠・客観的な証拠は?」


「そんなものは不要だ!!」


周りの貴族子弟たちはドン引きを超えて顔面蒼白だ・・・


「王子例えば、どのようなことを私がやったというのですか?」


「まず、ロイン嬢の教科書を隠したてであろう、その次に、形見のペンダントを奪う

ドレスに赤いワインをかける、階段から突き落とすなどなどだ」


「王子本当に本気でおっしゃられていますか?」


「ああ、本気だ!!」


「当家との契約の内容はご存じですよね?」


「なんだそれは?」


令嬢?は頭を抱えている。


「いろいろ受け入れがたい事象がありますが、契約の破棄については承りました。」


「契約ではない!婚約破棄だ!!」


「書類ではなく、口頭での破棄であれば正確な契約名称での破棄をお願いします。」


「婚約の契約であろう!!」


「王子、婚約契約ではありません。婚約偽装守護契約です。」


「婚約偽装?」


「はい、王子どこかで漏れてはいけないかと思い、通常略して婚約と呼ぶと契約書に

書いておりますので、それの破棄でよろしですか?」


「まあ細かいことはどうでもいい、それの破棄だ!!

そしてとお前とその一族を王子特権を行使して国外・・・」

「だめー!!」


突然ロイン令嬢が叫んだ!!


王子は言った

「ロイン嬢どうした!?」


「王子、契約は破棄されたんですよね?」


「ああ、口頭だが、俺が認めたことで略式ではあるが、破棄が確定している」


「よかったーこれで・・・・憧れのお姉さまと結婚できる可能性が・・・」

じゅるり・・・


「え?」

王子は固まった


そしてロイン嬢は言った。

「こんな私が言う資格はないと思いますが、シンクレア様お慕いしておりました。」


令嬢?は固まった?

「え?」


「大事なことなので、もう一度言います。シンクレア様お慕いしておりました。」


「ちょっとまってね。理解できないんだけど、あなた王家かどこかからの依頼で

私を排除して、王子を亡き者にしようと思っていたのではないの?」


「いえ、全く」


「え!?私の空回り?あまりにもバカなことをしでかすから、うちの家と王家との間で

近日中に、廃摘の上、排除が決定したから、その刺客だと思ってたのだが・・・」


少女の取り巻きの男性が一人出てきた。

「閣下、素が出てますぜ、もうここまできたらどうせこの舞踏会の参加者全員に納得していただき

魔法契約で、墓場まで情報を持って行ってもらうのは確定ですので、言いますが

王家の影からの刺客は俺ですぜ。」


王子・ロイン嬢

「閣下!?」


その次の瞬間 どろんという音とともに令嬢?は煙に包まれた。

そして煙が晴れた場所にいたのは・・・


王子は叫んだ。

「アイエー――ナンデ、ニンジャ!?」


そこには黒装束に身を包んだ女顔の忍者がいた。

そう女顔の忍者である。


忍者は言った。

「そうだな、いい加減変装しての護衛にも飽きていたところだ。」


そう令嬢?は忍者で男である。


「え?シンクレア様が忍者で男?」


「王子、もうこうなったら、この後お前には毒杯を飲んでもらうしかないからはっきり

言っておこう。そしてこの場に見る皆のものには、王家・公爵家連名の魔法契約を結び、

この場であったことを公爵家及び王家のもの以外には言えないようになってもらう。」


その話以前の問題で、会場のほとんどのものがニンジャリアリティショックで、

失神者や黄色いシミや茶色いシミを作ってそれどころではない。


「ハハハ、ニンジャ、ニンジャコワイ」

王子は壊れている。


ロイン嬢は言った。

「シンクレア様は男性なのですか?」


「ああそうだが」


「私と結婚してください!!」


忍者は固まった。

「え!?」


「あのバカでくさい王子とお姉さまが結婚するなんて許せない!!そう思って

それならば私が犠牲になって王子もろとも地獄に落ちようと思っていたのです。

そのために、証拠もない言いがかりで王子が排摘されるようにしていたのです。」


忍者もドン引きである。

「まさかバックアップもなしに、あの操縦の難しいバカ王子をコントロールしてたと?」


「バックアップ?いえ、私一人でやったことですが、正直ついでにお姉さまの邪魔になりそうな

バカな貴族も少しでも道連れにと思ったら、全員連れて困惑しておりましたわ」


「あの人数を一人でバックアップなしで・・・なんて逸材だ!!よし結婚しよう!!」


ロイン嬢は固まった。

「え?」


そして、ロイン嬢と公爵家長子シンクレアは結婚して幸せな家庭を築いたとさ。

めでたしめでたし。





まさか令嬢?が忍者とは作者も知りませんでした。

あ、王子はこの後心臓麻痺で自然死してくれたので

本当に助かりました。

やっぱり忍者来たら巻きではなしがおわるよねぇ。

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