彼は天井から見ている
なんか色々登場!
戦闘開始
カロスは「フルパワー」と「不治の剣」、「アンタッチャブル」を発動し、バフをかける。フルパワーは相手に与えるダメージを2倍にし、不治の剣は再生阻害と猛毒、高熱のデバフを与える支援系魔術で、アンタッチャブルは物理攻撃を一定まで無効化する防護魔術だ。
その状態でスキル「自己犠牲」と『神は見ている』を発動する。「神は見ている」は思いの強さに比例して攻撃力にバフを与えるスキルで、「自己犠牲」は一定までダメージを感じなくなる。その状態でカロスの剣技五月雨が放たれ、キラに直撃した。
(確実にヒットしたが…どの程度のダメージが入るだろうか)しかし、カロスの予想とは異なり、彼は倒れてしまった。
驚きながらカロスが止めのために近寄るとなんと彼は中身がない人形のように萎み縮んでゆく。
驚くカロスを嘲笑するように空気に似つかない笑い声が響く。
笑っているのはやはり彼だ、さっきまでカロスのいた場所から大笑いしている。
なぜあっちに移動している?取り敢えず遠距離攻撃で移動法を探ろう
カロスはクロス・ホーミングショットとスナイパーアーミーズを発動し20体の狙撃兵とゆっくり追尾する光球を発射した。さらに、手持ちから魔導具のカメラ【愛のゆりかご】を使用した。
愛のゆりかごは使用したら写真に映った範囲から出られなくする魔導具だ。これを使えばどんな巨漢も俊敏な生物も写ったら逃れられないのだ。
(キラはまた無抵抗で光球に命中したが今回は逃れられないはずだ。)そう思うカロスを後ろから軽くタッチしたのは彼だ。しかしそれは異常だ。(脱出するには使用者の許可か写真の破壊が必要で自分が近くに居なければ効果を無くす特性がある代わりに効果は並の魔導具より高いとされている、なのにヤツは抜け出した…なぜ?)
バックステップを行うカロスに横から それは僕には効かないんだよ〜 と声をかけ、別人のように容赦なく手首を蹴り飛ばす。
(痛ッ!)と思いながら仰け反るカロスを横目に、キラはゆりかごで自撮りを行い、写真をカロスに渡す。
そこにはただ闇が映るのみだった。