第八話 新入生トーナメント!序列なんてクソ喰らえ!
トーナメント本選当日。生徒が多すぎて予選で3日は食った。ちなみに俺はトプモンを新たに二体仲間に加え、しっかりキリの良い所まで育成をした。序盤だからな。まだ育成スポットに行けない以上地道にやるしかない。
新たに仲間に加えたのはベースバードとベースアニマルだ。こいつらも割と多種ではある。メジャーな種類は少ないが、そこは俺の知識があれば何の問題もない。
現在の手持ちはベースマルが進化したマグネットマインとベースバードが進化したイカリドリとベースアニマルが進化したバーサークボウだ。二匹は途中段階だが、マグネットマインは本当にキリの良い所まで育成を終えた。 理由?愛ゆえさ。
ちなみに予選だが、他の三人もしっかり突破して本選に出場する。
一回戦 Aクラスユリウス VS Hクラスキョウ
「これはこれはHクラスの落ちこぼれが本選出場とは。良い思い出にしてあげますよ。」
「はっ、アンタの方は良い思い出で済んだらええけど、アンタの思い出までは保証外やわ。」
「サモンキューブをセット!対戦を開始してください!」
「ゆけ!ベルローズ!」
「いてこましたり!てっちん!」
「うおおお!ドラメタルだと!?」「俺、絵本で見たことある!!」
湧いてるなぁ、良いぞ、もっと研究にのめり込め!
なるほど、相手は固有種のベルローズか、まだ進化はしていないな。ベルローズは固有種の中でも一番基本種同士の卵から産まれやすい基本種に毛が生えたような固有種だ。進化先では使えるが・・・
「てっちん!ようせつほう!」
「ガガゴッ!」
廃人のトレーニングを経たキョウと進化したドラメタルには敵わないぞ。
「ベルローズ!?」
「ベルローズ!継続不可!ドラメタルの勝ち、よって勝者、Hクラスのキョウ!」
「舐めんなや!」
あいつは大丈夫だな。
一回戦は4つのコートを使い、全16回戦を一日で済ませるハードスケジュールだ。なんなら決勝までがセットだ。ハード過ぎる。
次のDコートで、8回戦か
八回戦 Sクラスダーティ VS Hクラスシャーリー
「ボクがHクラスなんかと対戦することになるとは。仕方ない。ボクと対戦できることを光栄に思うが良い!」
「・・・!」
「おいおい、あの娘の目、マジだぜ。」「殺気がえげつねー。」
違うぞ、シャーリーのあの目は、緊張し過ぎて吐きそうなのを必死に堪えている目だ!
「サモンキューブをセット!対戦を開始してください!」
「ゆけっ!タイクーン!」
「ク〜ン」
「お願いします、スラちゃん!」
「キピッ!」
「ふっ、ボクのタイクーンことタイダクンだ!この学年では俺しか召喚に成功しなかった。つまりボクが世界の勝ち組なのさ!」
ああ、あの日タイダクン引いてたアイツか。
「スラちゃん。頑張りましょう。」
「キピッ!」
すまんな。シャーリーのスラちゃんは、もうベーススライムじゃない。タイダクン使いのお前に勝ち目はない。
「タイクーン!『寝転がり』!」
「げぇ〜。」
やる気のなさそうな声で奴のタイダクンはスラちゃんに突っ込む。
残念だがスライム種、特に今のスラちゃんにそれは悪手だ。
「スラちゃん!『読み取る』!」
そう、マザースライムへのルートの中間、今のスラちゃんは『データスライム』だ。
データスライムは相手の直接攻撃を無効化どころか利用する。そして・・・。
「スラちゃん!『データ活用』!『リフレクション』!」
相手の直接攻撃を無効化し、そのデータを元に倍の威力で一方的に殴る。それがデータスライム。
「タイダクン、継続不可!えっと、スライム?の勝ち!よって勝者!Hクラスシャーリー!」
「うおおおおおおお!!!」
会場大湧きだな。そりゃそうだ。データスライムなんて歴史に残ってるとは思えないし、基本的な見た目はベーススライムとあまり変わりはない。 傍から見れば異質なベーススライムなんだよな。知っとかないとやられるだけだぜ。
さて、次はラックがAコートだな。
九回戦 Bクラスリドル VS Hクラスラック
「よお、最弱固有種持ちじゃないか!ラッキー!」
「ボクはラッキーじゃなくてラックだよ。お願いします。」
「サモンキューブをセット!戦闘を開始してください!」
「行くが良い!リッキー!」
「ンマッソゥ!」
「頼んだよ。エル!」
「チュパリ!」
なるほど、相手はパワー型固有種のリッキーか、まあ初戦にしては悪くないだろ。決めてやれ、ラックとエル。
ジャイアントキリングだ
「リッキー!『飛び殴り』!」
きたきた、この手の戦法を俺はいやというほど見た。しかしラックにはそんな初歩テク、とっくに俺が仕込んで対策させてある。
「エル!相手の拳を尻尾で受け止めろ!」
「ちゅぴっ!」
「なっ!?」
「そのまま身体にまとわりついて決めろ!『帯電前歯!』」
「ちゅっぴぃ!」
「はっ、脅かしやがって!ゴミのような攻撃力だな!」
「・・・」
あいつは気づいていない。『帯電前歯』という技は、あいつが水色の悪魔と呼ばれるようになった所以の技だ。
確かに技の威力はゴミのように低い。 だが、あの技は相手を確定で状態異常『帯電』にする。
『帯電』になったトプモンは、技に電気属性が自動付与される。
使いようによっては利点にもなる状態異常だが、エレキスクワールとの対面で『帯電』になるということは、イコールで負けを認めたようなものだ。
フハハハハ!もうあのBクラスには勝ち目はないわ!
「相変わらず笑みが黒いんやなぁ。」
「お?キョウ、戻ってきてたのか。」
「あぁ、お陰様で勝ててるわ。ほんまショウはえぐいな。」
「何がだ?」
「いや、あんなんさせたら相手泣くで。」
「知らないのが悪い。」
「んな鬼畜な…。ってさっきからラックのエルに攻撃全然効いてなくない?」
「あぁ、効いてないぞ。」
「え!?なんで!?」
「それはエルの固有アビリティの『電食』にある。相手の攻撃が電気を発していたり、『帯電』だった場合の攻撃は全てアイツの養分になる。ついでに『帯電』になってる相手は毎秒ちょっとずつ電食ついでに体力も抜けていくおまけつき。」
「とんでもないなぁ・・・鬼やわ、鬼。」
「対戦する時はいかなる時も心は鬼にだぞ!キョウ!」
「んなあほな!?あ、対戦終わったで。」
「そうだな。そしたら俺もアップしてくる。」
「わかったわ。好き勝手暴れるんやろ。他人のふりしとくな。」
「ああ、こっちから仲間って公言しておくから安心しろ!」
「あーうん。ってちょっ、ええぇ!?」
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第十六回戦 Sクラスジュリア VS Hクラスショウ
「よろしく!あなた最弱基本種を引いたらしいけど、正々堂々戦いましょう!」
「ああ!こちらこそよろしく!悔いのないフェアなバトルを!」
「サモンキューブをセット!対戦を開始してください!」
「行くぜ、マルイ!出勤だ!」
「ジュバババイン!」
観客席がざわざわしてる、いいねぇ!この血流の昂り!たまんねえぜ!!
「アイス!お願い!」
「シュルワーン!」
なるほど、相手は固有種のアイスオブフィギュアか。悪くないね。
「アイス!『スノーアクセル!』」
「シュルルルルン!」
なるほど、そうきたか、なら!
「マルイ!『スピンオブマグネット!』」
見せてやるぜ!俺のマルイのマグネット戦法を!