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第三話 召喚の儀その2 小ネタ技術で確定召喚。基本種だけどこれでいい

 さて、俺の番だ。


 さっきも言った通り、俺は固有種をお祈りまでして引く気なんて更々ない。


 一応狙った固有種を確定で召喚できるアイテムも存在する。課金限定アイテムで価値がないから買ってないけどな!


 そう言った確定召喚に使うアイテムは「〇〇のお守り」と名前がついてる。


 察しが良い人は気づくと思うが、このお守りによる確定召喚、基本種でも可能である。

 しかも基本種のお守りなら領内の学園都市で販売しているレベルだ。

 本来の表記効果は、お守りを持っていると、その系統のモンスターの経験値が1.2倍という効果なのだが、察しのいい攻略Wiki軍団がこの方法を確立した。運営も固有種は課金アイテムでしか確定させられないから問題なしというわけで修正も入らなかった。有名な小ネタである。


 ちなみに購入しようとしたのだが、店に入ったときの表示金額が現実時代のデータから引き継がれていた。もしやと思い、アイテムボックスを開くと基本のお守り全種入ったままだった。てか金とアイテム引き継ぎはかなりチートだね!?課金アイテムないからセーフだけどさ!?


 そんなわけで俺が今回持つお守りは『珠のお守り』、ボール系モンスターの基本種、ベースマルが確定で召喚されるお守りだ。


 ベースマルは進化次第で無限の可能性に目覚め、どんな形にもなる。俺が世界一位を取った時の相棒、マグネットマインもこのベースマルからの系譜である。


 「次!ショウ!召喚の儀に応じよ!」


 呼ばれたか、すぐに魔法陣の前に立ち、お守りを持った手を合わせる。


 「ゼロからのスタートだ、また一緒に行こうぜ、召喚!」


 「ポッフルー!!」


 召喚に応じたのは、予定通りベースマル。またお前とイチからだ。頑張ろうぜ。

 「おいおい、まじかよあいつ…」「基本種の中でもよりにもよって最弱のベースマル引きやがった…」「かわいそー…」


 色々聞こえてくるな、まぁ言ってろ。ベースマルの進化系統は俺の中では頭おかしいぐらい強いけどな。


 「はぁ、最弱固有種の次は最弱基本種ですか…はいはい、Hクラスです。もう行ってください。」


 俺は「へいへい」と言って軽く手を振りながら召喚室を出た。

 エレキスクワールの時からもしやとは思っていたけど、やっぱりベースマルも研究されていないんだな。


 「ショウもHクラスなんだね、良かった、同じクラスで、頑張ろうね!」


 どうやらラックもHクラスらしい、この世界の無知が俺を助けてるな。ありがとさん。


 「何いってんだラック。同じクラスで頑張るけど、俺たちは強くなるぞ。これは決定事項だ。」


 「え!?難しいよ!!エルは確かに可愛いけど、この子が対戦でどう活躍するかちょっと僕には想像がつかなくて・・・」


 自信なさげにラックが答える。んなアホな、とは思ったけどこの世界の水準も低ければラック自身が自信が無くて慣れるまでは人見知りみたいなゲーム設定あったな。忘れてたわ。


 ちなみに幼馴染ガチャで出なかったNPCも一定数は学園に存在するぞ。これもランダムだけどな。


 「んなもん俺と一緒に育てればなんの問題もない。わかったら明日からやるぞ。」


 「え、大丈夫かなぁ。」


 「大丈夫だ、問題ない。」


 さて、まあベースマル引いたけど、お前こっちでも表情もなんもないただの白い丸なんやな。まあ明日から一週間休日でモンスターの初期育成週間になるから、一気に条件埋めつつレベル上げるかな。一応マグネットマインは2段階目の進化形態だから時間が掛かるしな。


 「んじゃ、今日から一緒に行こうぜ、『マルイ』、よろしくな。」


 「ポフ!ポフ!」


 ・・・どっから声出してんだか。


 今日このあとは学園闘技場での最上級生の序列一位と序列二位のエキシビションマッチだ。これで環境水準は測れる。その後クラスに分かれて一通り説明が済んで帰宅、と言うわけだな。


 「とりあえずラック、学園闘技場行くか。」


 「うん!先輩たちの強さ、どのくらいなのか楽しみだね!」


 「まったくだ。どのくらい強いのかねぇ。」


 さて、がっかりしなければ運が良い程度に見に行こう。だってタイダクンが固有種最強って言われてるし、新種の進化でもしてないと楽しめるような水準ではないしな。


 あんまり心は躍らないが、一応確認のために学園闘技場に向かった。


 もしこのときの俺に一言だけ伝えられるとしたら、一ミリでも期待すればがっかりしすぎて泣くから諦めろ。だな。

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