第一話 ガチャの結果は悪くない。
眩しさが収まって、徐々に視界が落ち着いてくる。
最初に抱いた感想は−−
ここはどこだ?
雑な板張りの床に周りに張られた革の隙間から太陽の光が漏れていて、金髪の少年と薄い毛布を被って雑魚寝状態。そんで移動してる感覚にガタガタして腰が痛い。
「二人きりの部屋で男子二人で腰が痛いとか、どうか悪い夢であってくれ。」
そんなくだらないことを言いながら独り憂いていると、一緒に雑魚寝していた少年が目を覚ます。
「んぁ?ショウ?もう起きたの?多分学園までもう少しかかると思うよ。」
・・・いや、こいつのことを、俺は知っている!!
「ラック?ラックなのか!?」
「なにおかしなこと言ってんだよ。ボクがラックじゃなきゃ一体ボクは誰なんだよ。」
間違いない!主人公の幼馴染ポジのラックだ!!
トプモンはプレイヤーの活動拠点として、故郷の村を出て、導魔学園という学園で過ごすことになる設定だ。
その時に幼馴染ポジのNPCと共に学園を過ごし、学園での行動により、学園内の環境が変化していく。やりこみ要素の一つである。
ちなみに幼馴染ポジのNPCも種類があり、100種類のNPCから一人ランダムに選ばれる、SNSや掲示板では『幼馴染ガチャ』と言われていたリセマラ推奨パートだ。
ちなみに、その中でもラックは大当たり中の大当たり、トップレアだ。
その理由は多岐にわたるのだが、やはり一番の理由はラックのパートナーになる可能性のある数種のモンスターがいずれも非常に攻略に貢献するからだ。
これは恵まれたな!
「ショウ、僕らはユーバハ村のみんなに学費を工面してもらった立場だ。頑張って村に恩返ししていこうね!」
なるほど、幼馴染はラックで、故郷はユーバハか・・・
・・・悪くないな
故郷ガチャも悪くない引き、これは学園で頭角を表すチャンス!
PvPで全世界一位とは言え、NPCが弱いわけではないのがこのゲームの醍醐味だ。いつだって戦術や育成方針を駆使し、強くなり続ける必要がある。何故なら学園内のNPCはオンラインバトルのデータを素にレベルアップを続けるからな!!
俺がやるからにはマイナーでトップだ・・・!!フハ、フハハハハハ!!
「ちょっとショウ?聞いてる!?」
「んぉ!?お、あぁ、ごめん。聞いてなかった。」
「全く、ショウが悪い顔しだして急に笑い出したからびっくりしたよ。御者さんがもう着くってさ。」
「お、そうか、そしたら身体も起こすか。」
さぁて、俺にとっての楽園、好き勝手エンジョイしてやるぜ!!