次の段階
「シーナ嬢はフェリクスのこと、どう思ってる?」
カミル様の言葉にドキンと心臓が跳ねた。
(いいの!?言っていいの!?推しに対する私の熱いこの想いを口にしていいのー!?)
「お慕い、しております。……だから是非愛する方と幸せになってその姿を!この目で!拝ませていただきたく!ってあああっ!!」
「シーナ!!落ち着いて!手を嗅いで!」
「すーはーすーはー」
マヤに言われて手の甲を鼻に近付けると、大好きなラベンダーの香りがして心がいくらか落ち着いた。
せっかく理性を振り絞って淑女らしく答えようとしたのに、エンディングで流れる白のタキシード姿のフェリクス様を思い出したらつい想いが溢れちゃった!
カミル様が「後半何言ってるか分からなかったな…」と、だいぶ引き攣った顔をしている。
「じゃあさ、次に僕をフェリクスだと思ってもう一度言ってみて?」
何でそんな事を?と思いながらも、カミル様を見つめ想像する。
芸術品のように整って美しいご尊顔、額にかかるさらさらとした銀色の髪は輝いていて、切れ長の目に薄いグリーンの瞳がエロい、フェリクス様……私の推し……
「○#▼※△☆€▲※◎★◇●!!!」
(ぎゃぁあ、言えない無理です死んじゃいますぅ)
バンっ!
思わずテーブルに突っ伏した。打ち付けた額から凄い音がしたけど、それどころじゃない。
バンバンバン!
思いの丈を込めてテーブルを叩く。もう抑えられないっ!!
(存在が尊すぎて…無理……)
「シ、シーナ嬢?大丈夫!?」
「ちょっと!あがり症って知っててこんな事させて、ストーカーの目的は何!?」
「えぇぇ!呼び方それ!?って、もういいや……
僕はフェリクスとはクラスも同じで一緒に過ごす時間が長い。だから癖や習慣をよく知ってるんだ。上手く真似るから、僕をフェリクスだと思って慣らすのはどうかな?」
「いやいやいやいや!カミル様にそんな事、頼めませんよ」
「………」
「やだ、ちょっとマヤ?何で黙って」
「報酬は?」
「そんなの、僕はただ友人の幸せを願っているんだ」
「ふーん。イマイチ信用出来ないのよね…でも、いいわ。その話乗った!」
ええええーーー!!どうして!?嘘でしょーーー!?




