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シューティングゲーム

作者: 夢菜

お兄ちゃんの死により事件と結び付けて考えていた星夜。小4の夏休みは最悪の日々だったことでしょう。トラウマになってもおかしくない出来事ですよね。大人になった星夜が苦しんでないといいですね。

僕は星夜。


僕は小4の夏休みに仲のいい友達5人と近くの廃墟に肝試しに行った。


そこで撮った画像の1枚に変なものが映っていた。


その画像は、日に日に変わる画像で消しても消しても復活した。


僕はその画像が女の人に見えて嫌がった。


それをグループのメンバーは馬鹿にした。


僕が怖がりなのを知っていてグループのリーダーが僕に送ってきた。


僕は何の気なしに開いてしまった。


その日から次々と嫌なことが起こった。


最初は犬の糞を踏んずけるなど些細なことで日常に起こることだと思っていた。


でもほぼ毎日何かが起こり、日が経つにつれて人の生死にかかわる出来事になった。


さすがに怖くなって画像のせいだと思い僕は、削除した。


でも戻ってくる。


画像に長い髪の女の人だと思った瞬間電話が鳴った。


母親が何やら話している。


そして聞いた。


昨日、よく遊んでくれていた親戚のお兄ちゃんが亡くなった。


通夜、葬式が終わり、お兄ちゃんとよく遊んでいたゲームのソフトをもらった。


それはシューティングゲーム。


僕はお兄ちゃんを思い出しながら一人でやってみた。


僕は泣きながらゲームをやっていた。


目の前がかすんで見えないせいで点数が行かない。


お兄ちゃん・・・



3日が経ったある日。


ゲームを開くと見たことのない項目があった。


僕は選択してみた。


するとその項目は倒したい友達の名前と似ているキャラを作って遊べるものだった。


僕はグループの画像を送ってきた大和のキャラを作った。


一番弱いにしてやった。


結構、時間はかかったが倒せた。


僕を馬鹿にしたグループ全員のキャラを作り倒した。


そして僕はクラスの嫌いな先生や友達を次々と倒して爽快だった。


近所のうるさいおばさんや僕に吠える犬も倒した。


うるさいおばさんは毎日、登校する時間に会っていた。


犬には毎日そこを通ると吠えられた。


だからキャラを作った。


一通り遊んだら飽きてしまって僕は違うゲームを始めた。


夏休みも半ばを過ぎたころ、宿題もほぼ終わり、退屈していた。


僕は母親にお願いして親戚のお兄ちゃんの家に遊びに連れて行ってもらった。


亡くなって日も浅いため、お線香の匂いが家中に漂っていた。


お線香をあげて、手を合わせるとお兄ちゃんの写真が動いた気がした。


お兄ちゃんが星夜をいじめた人を殺すとささやいた気がした。


その瞬間、意識が途絶えた。


僕はその日、高熱を出し、病院に行った。


軽い肺炎だが、熱も高いため、入院することになった。


その病院はお兄ちゃんの運ばれた病院でもあった。


お兄ちゃんが僕を呼んだのかもしれない。


数日、熱が下がらず、ずっと夢を見ていた。


お兄ちゃんと遊んで楽しかった夢。


それが4日目にお兄ちゃんがあの画像の女の人に殺される夢に変わった。


僕は5日目に熱が下がり始めた。


でも完全には下がらず、夏休み中、病院で過ごした。


宿題終わらせておいてよかったなって思ったりした。


そして退院する日には夏休み最後の日となっていた。


退院の前日に久々にお兄ちゃんが出てきた。


星夜を守るからな、安心して生きてな。


そう言われた。


僕は退院して数日は学校を休んだ。


登校初日に隣のクラスの先生が心配してくれていた。


それは入院していたからだと思っていたが違ったのだ。


そういえば、グループのメンバーがいない。


そういえば、クラスの先生がいない。


そういえば、クラスの半分くらいがいない。


そういえば、近所のうるさいおばさんに会わなかった。


そういえば、いつも吠える犬もいなかった。


何かがおかしい。


いないのは僕がゲームでキャラを作り倒した人たちだった。


代わりの先生が僕に話をしてくれた。


みんな行方不明になった・・・と・・・。


僕は家に帰り、母親に話をした。


すると母親は全部知っていたみたいだった。


母親の話はこうだった。


先生の提案で希望者で学校にお泊りをして宿題をやった後、肝試しをしたそうだ。


用務員のおじさんが夕方にみんなを見かけて帰宅していた。


次の日、学校に行くと誰もいなかったようだ。


近所のうるさいおばさんと犬もその日、何かがあって、犬が脱走した。


それを何故かおばさんが追いかけていたのを見かけた人がいる。


その後、行方不明になったのだ。


僕のせいだ・・・


元気のない僕を母親は気にかけて聞いてきた。


僕は自分の中ではもう処理出来ず、全部、話をした。


それを聞いて母親は聞いてきた。


「星夜はどうしたい?」


僕は答えた。


「僕、警察に話すよ」


母親はそれで星夜の気が済むならと思い警察に行った。


僕は今までの事を警察に話した。


警察のおじさんは真剣に僕の話を聞きながらメモしていた。


最後まで聞くと


「よく話してくれたね。でも星夜くんのせいじゃないから考え込まないでね」


と言って頭をポンポンとしてくれた。


母親が帰り道に僕が深く悩んでいたことに驚いていた。


それから数年後、近くの土地開発で掘り起こした土の中から複数の遺体が発見され、


ニュースになった。


犯人が逮捕された。


近くに住んでいた当時、浪人生で受験に失敗した腹いせで誰もいない夏休みの学校に侵入して職員室


などを荒そうとしたが、たまたま、お泊り勉強の人達に見つかり、とっさに殺してしまったようだ。


おばさんと犬も証拠隠蔽しているところを見つかり殺害したというのだ。


ニュースを見てあの時のゲームソフトを起動した。


あの日の項目は無くなっていた。


無意識で殺意を抱いた僕の夢だったのか?


それともお兄ちゃんが僕が一生悩まないように他人を操ったのか?


なんて考えてみたが、大きくなった今はそれらを否定していた。


僕は何もしていなかったんだよね・・・?


こうしてこの事件は幕を閉じた。


そのシューティングゲームは従妹にあげた。



”嫌いな人の名前と特徴を入力してください。”



従妹が次の年にそんな項目があったと話をしていた。



些細なことで仲のいいグループから意地悪されることは多いでしょうね。弱い人間が必ず、そういう目に合うのは理不尽ですけどね。

この物語では殺人事件とわかるまでに時間がかかったことでその間、星夜はいろいろなことを考えていたのではないでしょうか?それまでに関わった警察官や隣のクラスの先生や代理の先生、母親など星夜を心配してくれる大人のフォローで救われた部分もあったのではないでしょうか?毎日、どこかで事件が起こっている世の中ですが、トラウマになってしまうほどの事件と関わる人は少ないのではないでしょうか?

ゲームに現れた項目は何の現象だったのかは最後までわかりませんでした。みなさんで想像してみてください。

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