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何気ない光景は闇を纏(まと)う事で輝きだす

 遠目から公園の入り口には大勢の人だかりが見えてきた。


 なんかイベントか祭りでもやってるのかなぁ〜くらいの印象だった。しかし、近づくとそうではないことに気がつく。全員が無言でスマホをガン見している。それも集団で立っているのに会話が一切ない。ただ個々がそれぞれのスマホの画面に夢中なのだ。通勤とか、待ち合わせ場所とかの時間潰しならわかる。ここ公園だよ‼︎ それも入り口だよ‼︎ なにやってんの、あんたら〜〜〜‼︎


怖ぇ〜〜よ‼︎ なにこのゾンビ軍団のはびこる公園‼︎ 覇気もなく生気もなく、この快晴の空の元、静態してうつむいてスマホだけを見続けている。いやいや、ディスプレイをガン見する前に、もっと周囲の自然を観ればええのに。モンスターをゲットする前に、自然の息吹を肌で感じてみればええのに。そもそも公園の入り口のど真ん中を占有している時点で、通行の邪魔という事実に気づいて欲しい……いや、無理だろうなぁ〜。



 そんな連中の横を小さい子供を連れた家族連れが通り過ぎる光景が目に入ってきた。


 3歳くらいの女の子を中心にお父さんが左側、お母さんが右側に位置している。そしてそれぞれが手を繋ぎ、三人横並びで歩いている。真ん中の女の子の両手がバンザイの形のままずっと手を繋いでいる状態なので、その体勢は子供にとってつらくはないのか⁉︎ と一瞬、頭をよぎった。


そんな心配はどこ吹く風で、女の子は喜びながら両親と一緒に公園の奥へと続く大きなケヤキ並木通りの道のド真ん中をのんびりと進んでいった。


その後ろ姿がなんとも印象的で微笑ましく見えた。

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