表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/19

メインクエスト開始!…ならず!

「ところで、ここに来た目的はやはりメインクエストですか?」

「うん、まあね」


神殿に蔓延る血に飢えた冒険者たちと

同様のクエストをマリーは受注している。


この狂気の集団感染はまだ収束しそうになかった。


それを見てフタバは提案する。


「でも、今混んでいるし、少し待った方がいいかもしれませんね…。そうだ!せっかくだし、お話しをしましょうよ!」


「え、なんで?」


マリーにグイグイ歩み寄るフタバ。

小柄な身で圧が凄かった。


文字通りマリーの目と鼻の先まで近づいていた。


美少女が二人密着した状態が続く。

良太は若干興奮を覚えた…。

そんなの今関係ない。


「…分かった、分かったから!そんなに近づかないでよ…」


フタバの圧力にマリーは根を上げる。


「やった!では早速、マリーさんってお幾つですか?」

「…年齢?なんで急に」


「いやぁ、ちょっと気になっただけですよ!マナー違反ですかね?」

「…まあ、いいけど、14だけど」


「へえ!そうなんですか!意外です、年上だと思ってましたよ」


見るからに年下の猫耳娘が

「年上だと思った」

と当たり前の事を言う。


あくまでゲーム上の外見で

リアルの実年齢は分からないが、


マリーはそれを理解できない。


「年上?…フタバは?」


少し考え込みフタバは答える。


「そうですね…、永遠の17歳です!人は皆、私の事をJKと呼びます」


邪毛衣(ジェーケー)?17歳になったら猫耳族は称号が付くの?」

(JKって職業みたいなものだよ、マリーは気にしなくていいよ)


話がややこしくなりそうなので良太は割って入った。


邪毛衣(ジェーケー)…、職業ね…。気になる…」


猫耳族の呪術師的な何かをマリーは想像する。


(ところで、マリーって14歳だったんだね)

「うん、そうだよ」

(へへっ、僕と同じだよ!)

「そう」


「さっきから誰と話しているんですか?」


独りごちゃごちゃしているマリーに、

フタバは話しかける。


マリーと良太の会話は傍から見れば、

独り言にしか見えない。


「別に何でもない…。ところでフタバは何をしてたの?」


マリーはフタバの荷車の売り物(ガラクタ)を指して言った。


「ああ私ですか?ちょっと商売をしてまして」


「商売?」

(押し売りじゃなくて?)


「駆け出しの冒険者さんたちにポーションとか売っているんですよ、ほらこの神殿って村より結構遠いでしょ?いちいちポーションを買いに村まで戻るのってしんどいでしょ、んで、勢いに任せてうっかり回復アイテムを忘れた駆け出し冒険者に割高でアイテムを売っているんですよ。私、生産系のレア称号“創造主”を持っているんで、元手はただ同然です。これがまたボロ儲け!」


(見かけによらず、結構あくどいねこの人)

「やっぱり関わるの止めようか」


血気盛んな駆け出し冒険者たちは

金銭感覚を失っていた。


それを狙ったフタバの商売である。


「そんな、失礼な!別にだましている訳じゃないですし、皆喜んで買ってくれますよ!私の作ったポーションは特殊効果を付与してまして、攻撃力が格段にアップする狂戦士バーサクが付くんです、別に怪しい訳じゃないですから、どうです?一本イっときますか?気分がスッとしますよ…、友情価格で特別にお安くしておきますよ…、大丈夫、止めたくなったらいつでも止めれるから…、依存性なんてそんな…、ダイジョブ、ダイジョーブ…」


「いえ、結構です」

(うん、偉いマリー!)


マリーはきっぱりと断った。


確かに冒険者たちは

普通のポーションとは違う、


血の様に真っ赤なポーションを使用している。


そして使った途端に「ひゃっはああーーー!!」になる。


冒険者たちの異様な殺気に

フタバも一枚噛んでいたようだった。


集団PKに拍車をかける赤いポーション。

狂気の感染は静まりそうにない。





のだが、


その集団PKの頭上を覆う程の

黄色く発光した魔法陣が展開されている。


血を欲する狂戦士たちは気づいていない。


「…何あれ?」

(なんだろ?魔法陣だよね…)


理解出来ない光景に立ち尽くすマリー。

フタバはいち早く危険を察知する。


「上級の攻撃魔法です!巻き込まれる前に逃げますよ!」


黄色く発光した魔法陣から、

数えきれない程の稲妻が降り注ぐ。


落雷の轟音と閃光に包まれ、

冒険者たちは次々と倒れていく。


一つ一つの稲妻の攻撃力もさることながら、

雷による麻痺効果により身動きが取れなくなり、

延々と落雷を受け続ける。


アリ地獄のような、

上級攻撃魔法の威力は絶大だった。


狂戦士化により

防御力が著しく低下した事もあるが、

すでに立ち上がる者はいなかった。


マリーとフタバは

少し離れた所で身を伏せて傍観する。


「これを、あくどいって言うんですよ。初心者いじめも大概にしてほしいですよね!」


フタバはこの攻撃の主犯を

察している様子でそう言った。


「これじゃあ、助けようがないね…」

(うん、これは諦めるしかないよ)


落雷の轟音と閃光が止み、

冒険者たちの無数の亡骸が散らばっていた。


この攻撃では誰も立ち上がる者などいない、


だが、その無数の亡骸の中心には

一人の男性キャラが悠々と立つ。


「いやあ、やっと見つけましたよ、お嬢さん…」


その男は聖騎士の様な装いで、

身の丈の倍以上ある過剰な装飾が施された

ハルバートを持っていた。


そして、悪徳ギルド“ゴロ寝子同盟”共通の

黒マントを羽織っている。


「やっぱり、ゴロネコ!」

「ゴロネコ?」


「ほらこの前の戦いの…、マリーさんを狙うって、言っていたでしょ?刺客ですよ!」


「ああ、あの噛ませ犬の…」

(それは忘れていいよ、マリー)


無数の亡骸を気にすることなく踏み進み、

その聖騎士はマリー達に近づく。


「では、熊殺しさん、TO-RAIZINさんの大剣を返してもらいましょうか、ああ…、それと猫耳のお嬢さんもターゲットですよ」


「げっ!何で!?」

「さあ?あの事件の切っ掛けを作ったのは貴女だからじゃないですか、ゴロ寝子同盟を敵に回した罪は償ってもらいますよ!」


「そんな…、こっちの気も知らないで、はた迷惑な!!」


憤慨するフタバを他所に

マリーは好戦的な態度を取る。


「まあ、売られた勝負は受けて立つよ」

(えっ?また!?止めとこうよ、マリー)


「ふふ、余裕ですね、私はゴロ寝子同盟、“怠惰のハルバート愛好家”、ケンピロー!」


称号は「“怠惰の”ハルバート愛好家」その名は「ケンピロー」


無数の亡骸が横たわる、

一段と世紀末の様相と化した聖域にハルバート愛好家の名が響き渡る。


「変な名前…」

「…怠惰。気を付けた方がいいですよ!あいつ、ゴロネコの幹部の一人ですよ!」


「あの変な名前で?」


「ええ!ゴロネコの幹部はそれぞれレア称号の“七つの大罪シリーズ”を持っています!ゴロネコの幹部の数は5名!マリーさんが先日倒した“色欲”、“傲慢”“嫉妬”そして今目の前にいる“怠惰”!これは強敵です!気を付けてください!」


「“色欲”“傲慢”“嫉妬”“怠惰”あれ4名じゃない?それに七つの大罪なのに7人じゃないんだ…」


「嫉妬が二人いるんです!レア称号ですからね、解放条件が判明してなかったり、取得難しかったりと、まあ色々です。ちなみに“熊殺し”もある意味レア称号ですよ、大食漢が付くから、だれも取得したがらないし…」


(何故か、マリーはこれ以外の称号が付かないんだよ…)

「私はそこまで気にしてないよ、そう言えばお腹へった─────もぐもぐ」


良太とフタバの心配は他所に

ポーチから食品を取り出して呑気に頬張る。


本日の間食は、

「クルミとチーズを混ぜ込んだフォカッチャ」


ふんわりと柔らかいフォカッチャの食感に

クルミの歯ごたえがアクセント、


クルミと相性がバッチリな

芳醇なチーズの風味で更に食が進みます。



マリーは最近料理にハマっていた。




それはともかく、


「私は、TO-RIZINさんの様には行きませんよ、さあどちらからでも掛かってきなさい」


「私、生産寄りのプレイスタイルなんでPvP弱いんです、がんばれー」


そう言うフタバは、

既に安全地帯へ身を潜めていた。


逃げ足の速い猫である。


(フタバさんを余り当てにしちゃいけないね)

「…そうだね、じゃあ行くよ、リョータくん!いつも通り魔法はお願いね!」

(任せてよ!でも、危なくなったら逃げるんだよ!)




マリーはこの前の戦い

(爆炎使いの両刃の大剣を強奪)

(攻撃魔法の活用)

以降、バトルスタイルを変えていた。


ゲーム上の設定で、

ゲーム開始のキャラメイク時に得意魔法を

二つまで選択できるのだが、


良太は氷系魔法と回復系魔法を選択した。


このキャラメイクで

今後のゲームのプレイスタイルが決まっていくのだが、


良太はそこを深く考えずに

自分の脳内設定に準じて決めていた。


クールビューティーな見た目どおり、

冷たい感じの氷魔法で、


でも実は根はやさしいと言う裏設定で、

癒しの回復魔法を、


と言った感じ。




「じゃあ勝負!ケンピロー!」


マリーは大剣を抜かず、

そのまま突進する。


武器は帯刀したままの方が

移動速度が速くなるから。


「スピードはまあまあですね、ですが、駆け出しレベルに変わりありません!」


見切れるスピードに

ハルバート愛好家は動じない。


「リョータくんお願い!」

(了解!)


初級の氷魔法で相手を牽制する。


良太はマウスカーソルで標的を定めて

魔法のショートカットキーを押す。


鋭利な氷の散弾がハルバート愛好家を襲った。


「ふん、避ける程の物じゃないですね」


至近距離で当たれば高威力だが、

距離が離れては余り効果がない。


「なにっ!?」


だが、ハルバート愛好家の目の前には

黒髪の美少女の美しい顔が、


至近距離まで瞬時に近づく。


弾幕が多い分、

目晦ましには効果的だ。


氷魔法に気を取られている内に

距離を縮めていたのだ。


「────このっ!!」


咄嗟にハルバート愛好家は

愛好する過度な装飾のハルバートを横に振るう。


既に斧に似た刃部分よりも

手前に移動しているマリーは身を屈めそれを躱す。


突進の勢いに乗り地面を滑る。

ゲームの回避モーションとは思えない

複雑な避け方で相手の背後に着く。


クールビューティーな印象の端正な顔立ちが歪む。

擬音で言うと「ニヤリ」


「くそっ!あり得ない!」

ハルバート愛好家は期待通りの捨て台詞を吐く。


そしてマリーは大剣を抜刀、

勢いに任せて振り下ろす。


手に入れた大剣で

マリーの攻撃力は大幅に上昇した。


この武器がレアアイテムだったようだ。


抜刀からの初撃は

かなり強力なアドバンテージがある。


この前の爆炎使いの

あの居合切りはそれと同様の事をしていた。


だが、そこらの魔物ならばこの一撃でけりがつくが、


流石にゴロ寝子同盟の幹部相手では

そうはいかなかった。


「くそっ!!これがTO-RIZINさんが言ってた、当たり判定ギリギリのあり得ない回避能力か…、ところでチート使ってないですよね?」


「え、チート?何それ魔法?」


チートさながらのマリーの回避能力だが、

秘密と言うほどでもないが、タネがある。


彼らにとっては、

これがゲームで、


マリーにとっては、

これはリアルだから、


である。


つまり、

ゲーム演出ならではの「避けてください」と言わんばかりの

大袈裟でオーバーな攻撃モーションだから。

ついでに攻撃前の掛け声がヤカましい。


例えば、世界最速のピッチャーが投げる球は、

まあ、打てないにしろ、

投球モーションを見ていれば、

まあ、避けられるだろう。


ちなみにマリーは

打てる程の動体視力もある。


一般人が超人的身体能力のキャラクターの

ポテンシャルを完全に発揮せずに操作しているだけで、


マリーと良太の場合は

超人的身体能力を持つマリー自信が

それを判断して避けている。良太はそのサポートに徹している。



「チートですよ、改造ツール…。まあ、確かに仕様範囲内の動きではあるし、ボスも似たような事するから…、まあいい、こちらも本気を出していきますよ!」


そう言ってハルバート愛好家は

大袈裟でオーバーな動作で片手を天にかざす。


(今の内にやっちゃえば…)

「リョータくんにしては慎重じゃない発言だね、一応様子を見よう」


「ぼさっとしていて、いいのですか?もう準備完了ですよ」


(やっちゃえば良かったね)

「期待させる動きに釣られてしまった…」


だが、特に異変は無いようだが、


(マリー!上、気を付けて!)


空には黄色く発光する魔法陣が展開されていた。

先程冒険者たちを屠った魔法陣より範囲は広い。


「先ほどより威力は落ちますが、継続時間が長いオート型の設置魔法です。貴方みたいな素早しっこい相手には効果的ですね」


閃光が走り、雷鳴が轟く。


先程とは違い無数の稲妻は走らないが、


不規則に落雷する攻撃は

マリーには読み難かった。


稲妻がマリーに直撃した。


「わっ!!」


(だ、大丈夫!マリー!?)

「うん、見た目ほど大したダメージじゃない、ちょっとピリピリするけど」


大した攻撃では無いようで、

健全である事をアピールするマリー。


ハルバート愛好家はそれを意に介さない。


「そうですよ、ここまで範囲を大きくした電撃だと威力も弱まります、でも徐々にあなたのHPを削っていきますよ、まだまだ駆け出しのあなたの少ないHPじゃそう長く持たないでしょう?」


「また時間しばりか…」


(ねえ、マリー)

「逃げないよ!」

(分かってるよ、ここは僕に任せてくれない?)

「分かった!よろしくリョータくん!」


(…まだ、何するとか話してないけど?)


マリーは間を置き、そして答える。


「…私はリョータくんの事、信頼してるから」

(あっ、あああ、ありがと!マリー!僕、頑張るよ!)


「うん!」


(…そう言えば最初は信用出来ないけど、って言ってたよね?)

「忘れた!ところで、私は何をしたらいいの?」


(普段通りに戦っていいよ、ただ攻撃魔法は使えないからね!)

「りょーかい!」


「誰と話しているんですかー!?」


忘れかけていたが、

安全地帯に隠れているフタバが大声で話かけて来た。


良太との会話が気になるらしい。


「やかましい…」


だが、不規則な落雷攻撃を掻い潜る事に

精一杯で相手にする余裕はマリーに無い。


(マリー、来るよ!)


「先ほどのお返しです!」

「うわっ!」


落雷魔法に気を取られている内に、

お返しとハルバート愛好家が

愛用のハルバートを突き出す。


マリーはそれを大剣で弾き難を逃れる。


閃光が走る。


落雷に直撃してしまう。


「ふふ、その反応速度は流石ですが、どうです?私の攻撃は防げても落雷は避けきれないようですね…、これがゴロネコです!悪役らしいでしょう!?」


「気が散るだけだから!」

「強がりですね!」


ハルバート愛好家の

愛玩ハルバートの本来目にも止まらぬ連続突き、


それを次々と躱すマリー。


攻撃が止む瞬間を見極めて

刃の無い柄を片手で掴む。


「くっ!またか!」


威力が落ちるが片手で切り付ける。


二連撃を食らう前に

距離を取るハルバート愛好家。


「くそっ…、その大剣はやはり厄介ですね、そうだ、知ってますか?HPが半分を切れば麻痺状態になりやすくなるんですよ、そろそろでしょうかね…?その前にこれでも食らいなさい!」


大袈裟でオーバーな動きで

雷魔法を展開。


直線的な雷撃が走る。


魔法陣の展開を見切った瞬間に

マリーは攻撃範囲から既に避けている。


だが、設置魔法の落雷に足を止められる。


徐々にマリーのHPを蝕んでいく。


それでも、マリーはお構いなしに突っ込む。


ハルバート愛好家の

ご自慢のハルバート攻撃は問題ない、


攻撃を掻い潜り、一太刀浴びせる。


だが、やはり落雷が厄介だった。

次の攻撃に繋がらない。


HPバーが緑から黄色に替わる。

HP総数が半分に近づく、

つまり麻痺状態に近づく。


「あと少しです!HPが半分になったら麻痺!動けないところを一方的に叩きのめしてやりますよ!」


「それはやだね」


止まらぬ落雷の中、

それでも突っ込むマリー。


落雷の直撃、


HPがとうとう半分を切る─────


と思った瞬間に、


マリーは緑の光に包まれた。



「回復魔法?攻撃を避けながら魔法操作なんて器用な人ですね!」


全回復とまでいかないが、

HPが充分回復する。


「信頼できる相棒がいるからね!」

(ふふふ、と言う事で、落雷は気にしなくていいからね!)


マリーにとっては、

これはリアルである。


ゲーム上の演出の大袈裟でオーバーな

魔法発動のモーションも必要ない。


ある意味チートである。



「そう何度も続くものではありませんよ!私の本当の本気はここからです!ハルバートを装備したまま5000時間オーバーで取得できるこの“ハルバート愛好家”の称号!その恐ろしさを見せてやりますよ!はああぁぁぁ!!」


後は、特に語るほどの事も無い程の

ハルバート愛好家の負けっぷりだった。


ただ一つ言える事は

5000時間も同じ武器を装備し続けて来た、

このケンピローの執念は流石である、


愛好家を名乗るだけはあった。



一瞬顔を出した以外は、

ほぼ空気と一体化していた猫耳娘が寄って来た。


「いやあ、流石マリーさん!天晴ですね!!強すぎますね!相手は格上ですよ!何でそんなに強いんですか?秘密とかあります?普段は何されているんですか?」


「…誰だっけ?」

(…フタバさんだよ、マリー)

「ああ、そうだった」


「…ところで、そのハルバートはどうしますか?」


勝利報酬のハルバート愛好家の

魂の籠ったハルバート。


マリーはそれを

人差し指と親指で摘みながら支えている。


「…これは、いらないな」

(確かに…、執念と言うか、ずっと持っていたくないよね、…売る?)


「それ、売っても大した事なさそうですね、昔から使っているみたいな事言ってたし、初期の武器なんでしょう。いらないなら私がもらいましょうか?バラシて何かの素材にしますから」


「うん、どうぞ」


マリーは執念が籠ったハルバートを

未練なくフタバに渡す。



「いらないなら、我々に返してもらおうか…」


くぐもった声が聞こえる。


「げっ!ボスネコ!」


ゴロ寝子同盟のトップである、

ボスと呼ばれる人物が

マリーとフタバ、二人の背後に立つ。


不気味な雰囲気に包まれる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ