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初めての魔法使い

そうこうしている内に、

村の無駄に頑丈な造りの外壁が見えて来た。


大して脅威になる魔物も存在しないのに偉く重厚である。


村に着いたら老婆に会って毛皮を渡す、

その後お腹いっぱいに食事を取る、

今日は何だか色々と疲れたからそのまま休息をとろう。


そう段取りを決めていた。


だが、その前に隣のうるさい犬を消しておかなければ。

マリーは思った。


しかし、そんな企みを知ってか知らずか、

村の入り口になる重厚な門の前には人だかりが出来ていた。


「なんですかね?イベントかな?」


「また祭り?」


「…せっかくだし覗いてみましょうか、その、二人で…」


「リョータくん、どう思う?」

(さあ、僕は何も出来ない役立たずだからマリーの好きなようにしていいよ、でもその鎌背DOGさんはもう無視しよう)


「…リョータくん、さっきから変だけど、本当に大丈夫?」


様子のおかしい良太に

マリーは疑問を抱いていた。


「熊殺しさん、不安なんですか?でも安心して下さい、何か不味い事があれば私が熊殺しさんを守りますから!でも、確かに様子が変ですね…、戦いの音は聞こえないし、バトルって訳ではなさそうですが…、ちょっと待っていてください」


とか言いつつ、DOGが一足先に人の集まりに近づき

手頃なプレイヤーに話しかける。


「こんにちは、何かあったんですか?」


「ゴロネコの奴らだ、オレも良く分からないけど、何か揉めてるらしいぞ」


DOGはチラッと横目でマリーを見ながら、

叫びに近い大き目のボリュームで言う。


「…くそっ、またゴロネコかー!!あいつらホント好き勝手しやがってー!今日という今日はこの私が叩き潰してやるーー!!!」

────とか言いっている。


そんなDOGをチラッと横目で見ながら

マリーは無関心を決め込んで、


そそくさと立ち去ろうとしていた。



その人の集まりの中心には、


黒のマントで統一した屈強な冒険者たちと猫耳の美少女が

数名対一名の構図で向かい合っている。


揉めている程ではないが

少しピリピリとした様子ではある。


「お願いしますよぉ、私も仲間に入れて下さいよ」


ころころとした高く澄んだ声で

尻尾をフリフリしながらお願いのアピールをする猫耳娘。


その見た目のお蔭か違和感が全くない。


「ダメだ、貴様の様な軟弱者にゴロ寝子同盟に入る資格などない!!だが、そうだな…冒険者ランクはA以上!それが最低条件だ!!」


黒マントの一団の先頭に立つ男が強気に言った。

(だが実は譲歩している)


その男は「TO-RAIZIN」とネーム表示がある。


称号は「“色欲の”爆炎使い」

背中には、片手では支えきれない程の両刃の大剣を背負っていた。


「あ、それなら私はクリアしてますよ、Sですよ!」


平然と猫耳娘は言う。


冒険者ランクSはサービス開始して

まだ間もないこのオンラインゲームでは少数である。


この猫耳娘は結構ゲーマーなのだろう。


「よし、ならばPKの経験は?どうやら赤ネームではないようだが…、ゴロネコはPK集団!これも最低条件に追加だっ!」


第一関門クリアした所でその爆炎使いは条件を追加した。


「…えっと、それは…」

「どうした、殺しの経験は無いのか?」


「さ、最近はないです…」


「最近?昔はしていた、と言いたいようだが…、残念だ、他を当たれ。我々は泣く子も黙るゴロ寝子同盟…。まだ手が血に染まっていない様な女子供が軽々しく入れる集団ではない…」


若干残念そうに爆炎使いは言った。


「そこを何とか、お願いしますよぉ…私どうしても強豪ギルドに入りたいんですよ」


「くどいっ!立ち去れ!」


「もう、いいじゃないですか!私これでもフレンドが多いんですよ!それに、よーく考えてください!こんなに可愛い女の子が加入するんですよ♪」


尻尾をフリフリしながら、

お願いのポーズをとる猫耳娘。


今度は片目を閉じて“色欲の”爆炎使いを覗く。


閉じた片目からは金平糖の様に甘そうでキラキラした、

そしてキュートな流星が爆炎使いに飛んでいく。(^_-)-☆


「…くっ、ボス!どうしましょうか!?」


爆炎使いは黒マントの一団の中心に立つ、

光輝く白銀のフルプレートを身に纏った人物に懇願する。


「だめだ、やれ…」


その人物はくぐもった声で

そう一言つぶやく。


「し、しかし!相手は女の子ですよ?加入させてやっても…」

「掟を忘れたか?」


赤黒い炎のような禍々しく不気味なオーラを身に纏い、

白銀のフルプレートが徐々に闇色に染まっていく。


白銀の天使から漆黒の悪魔へ変貌した。


悪逆非道なPKギルド「ゴロ寝子同盟」の一員に

「ボス」と言われるに相応しい様相であった。


「も、申し訳ございません!ボス!!」


そんなボスの様相に

爆炎使いはたじろいでしまった。


「………ふう、すまないな、ゴロネコの掟には逆らえない」


「えっ、そんなぁ…」


爆炎使いは

周囲に集まる野次馬たちに向け声を張る。


「いいか!ここに集まっている冒険者たちよ!これは見せしめだ!我々はおいそれと近づいてはいけない集団だと思い知れ!」


野次馬たちは

既に安全な距離に離れていた。


爆炎使いは

背にある片手では支えきれない様な両刃の大剣を抜き

猫耳娘の頭上に片手で掲げる。


猫耳娘は立ち尽くしてしまう。


「せめてもの慈悲だ、一瞬で終わらす!」


頭上に見える大剣の刃がキラリと不気味に光る。


「えっ?ちょ、ちょっと!?」


「おりゃっ!」


爆炎使いはそのまま大剣を力いっぱい振り下ろした。


ズドーン!と、

大袈裟な効果音が響き渡る。


周囲に砂煙が舞い上がり視界を遮った。


「オレの最強の一撃だ…、これで跡形もなく…」


次第に砂煙は引いていく。

視界を覆っていた砂煙が薄くなり、


「ん?」


跡形もないはずのそこには

人影が見えた。


「当たれば、ヤバかったかもね」


砂煙が消えたそこには、


大地に切り込みを入れている大剣ギリギリの所で

無関心を決め込んで去ったはずの

黒髪のクールビューティな少女、


マリーの姿があった。


その後ろには猫耳娘がで「ひいいぃ…」と、

腰を抜かしている。


「だ、誰だ貴様!?何故今の攻撃が避けられる!?」

「別に、誰だっていいでしょ…」


「ほお…」


状況を見ていた、

闇色のフルプレートを纏ったボスが、


それっぽい驚きの言葉で

如何にも強者っぽさ演出する。


「ふん!見るからに駆け出しの冒険者が!ただのまぐれで図に乗るな!!」


爆炎使いは大地に食い込んだ大剣を軽々と引き抜き

マリーに斬りかかる、


そして「危ない熊殺しさん、ぎゃーーーーっ!!!」とDOGが言った。


鎌を背にDOGがマリーを庇って斬撃に飛び込むが、

たった一撃で待ちに待ったその役目を終えた。


DOGの装備はそれなりに上質な物だった、


それをたった一撃で撃破するとは

爆炎使いは相当攻撃力に特化した構成なのだろう。


DOGのお蔭で

爆炎使いは相当な手練れである事がこれで良く理解できた。


「何だ?今のは?お前の仲間か!?」


「確か、カマセ何とかさんって言う人だったかな…忘れた」

(何やってるのマリー!!)


終始無言だった良太は

マリーの無謀な行動に居ても立っても居られず、

彼女を止めようとする。


(これは本当にまずいよ!!逃げないと!)


実はマリーはPvPが初めてだった。


しかも初戦の相手がPK集団の強豪ギルド

「ゴロ寝子同盟」の各上の相手である。


「ごめんリョータくん、それは無理!サポートお願い!」

(サポートって…、いつもの熊が相手って訳じゃないんだよ!それに僕は何も出来ないんだってば!)


良太の静止を振り切り、

マリーは爆炎使いに突っ込む。


「余計な邪魔が入ったが…、今度こそ一撃で仕留めてやる!!」


爆炎使いは突進してくるマリーに向かい

大剣を片手で持ち横に携え腰を落としてマリーを待ち構える。


居合切りの様な構えであった。


「じょーとう!」


立ち止まることなく猛スピードで突進するマリー。

既に距離は無かったが更に間合いを詰める。


爆炎使いは自身の間合いに入った瞬間に

大剣の柄にグッと力を籠めた。


「食らえっ!!」


そして片手で振るったとは思えないほどの

神速の閃光が走る。


だが、マリーはその勢いのまま踏み込み

大剣の刀身寸での所で跳躍した。


身体を仰向けにして上体を大きく反らす。


「何!?」


空中で一回転をして両足で着地した。


マリーは背面跳びの要領で神速の居合を避けた。


そして返しの刃を受ける間も無く

爆炎使いの顔面に一太刀浴びせる。


「ぐっ!!」


勢いを殺さないまま背後回り込み、

また一太刀。


「ぐあっ!くそっ!!」


この刹那マリーは爆炎使いに

お得意の二連撃をお見舞いした。


「浅いか…、全然効いてない」


だが、爆炎使いはグリズリーの様に効いている様子が無い。


「くそっ!何故今の攻撃を避けれる!何でそんなにぬるぬる動けるんだ!」


マリーは爆炎使いの攻撃をぬるぬる避けている。

ゲームの回避モーションとは思えないような動きを見せていた。


「動きが丸わかりだから…としか言えない」


「ふん!強がりを言いやがって…」


(マリー!今なら許してもらえるかも!勝ち目ないってこの勝負)

「大丈夫、何とかするから」


圧倒的な回避能力を披露しているマリーだが、

何故か良太は勝ち目がないという。


単純な話、決定打に欠けていた。


マリーの攻撃力と爆炎使いの防御力・HPには圧倒的な差があった。

ちまちま攻撃を続けていても戦いが長引くだけである。


それに、マリーには「熊殺し」の

バットステータスである「大食漢」がある。


これは活力ゲージの消費が著しく早くなってしまうバットステータスである。


活力はHP・MPゲージとは

また違う独立した活力のゲージがあり、


それが無くなると例えHPが残っていても行動できなくなる。


例えて言うならば

自動車の燃料のようなものだ。


バトル中の行動不能は致命的であった。


(活力が無くなったら動けなくなるよ!)

「その前に、あいつを倒すよ」


爆炎使いを見遣るマリー、

だが、爆炎使いは瞬時に攻撃に移らなかった。


今度は両刃の大剣を肩に担ぎ

無防備にマリーを待ち構える。


「…ところで何でお前は剣でしか攻撃してこないんだ?」

「…ぎくっ」


実は彼女にはまた一つ欠点があった。


「駆け出し冒険者とは言え、魔法くらいは使えるだろう?」

「ま、まあ…、今日は調子が悪いから」


「…………」


少し間を空けて考え込む爆炎使いは

不敵に笑い出した。


「ふ、ふははははっ!理由は分からないが、魔法が使えないのだな!」

「朝ごはんをしっかり食べて来なかったから…」


「嘗めるなよ!魔法なしではオレは倒せないぞ!オレの称号は爆炎使い!爆炎魔法の恐ろしさを教えてやる!!」


爆炎使いは大剣を持っていない

空いた片手をマリーに向けかざす。


「!」


マリーの目の前で赤く発光した魔法陣が展開された。

だが、瞬時に収縮する。


「くそっ!」


マリーはバックステップで後方へ飛ぶ

魔法陣が点に収縮した途端に強烈な閃光を放った。


そして炎が爆ぜる。


「くっ!」

(マリー!!)


爆発には直接巻き込まれなかったが

爆風を食らってしまった。


態勢を崩して後方へ転げる。


「よし!爆風は読み切れなかったか!」


ただ爆風を食らっただけだったが、

マリーのHPバーは赤く点滅していた。


剣の攻撃とは違い魔法攻撃は絶大な威力を放つ。


対プレイヤー戦では魔法攻撃がものを言う。

剣だけの決闘は腕前が左右するが、

魔法の場合は多少レベル差があっても腕前は関係ない、


当たればダメージはかなりの物である。


だがマリーは魔法を何故か使えなかった。


いや良太がゲームとしてプレイしていた時は使えたのだが、

マリーになってからは使えなくなった。


彼女がイマイチ使い方を理解できていないようだった。


体力差、

防御力、

攻撃力、

バットステータス、

そして魔法。


総じてマリーは爆炎使いとの戦いは圧倒的に不利であった。



「ほら、どうした!どんどん行くぞ!!」


「くそっ!」


また、赤い魔法陣が展開される。


爆発する前にマリーは先ほどより大きく回避する。


また、炎が爆ぜる。


爆炎使いから遠のいてしまった。


「いつまで続くかな?逃げてばかりじゃ、オレに攻撃何て出来ないぞ!まあ攻撃されても大して効かないけどな!どうだ、この悪役感!これがゴロ寝子同盟だっ!!」


また、赤い魔法陣が展開される。

また、炎が爆ぜる。

また、爆炎魔法。


また、大きく回避する。

また、距離が空く。


近距離であれば何とかマリーの攻撃は届くが、

また爆炎魔法、大きく回避して距離が空く。


マリーの負けは時間の問題だった。


(マ、マリー…)



そんな姿を良太はパソコンのモニターを通して見ていた。


悲鳴を上げない様に両手で口を押えているが

役立たずには変わりない。


「どうしよ!!このままだとマリーがやられちゃうよ!!」


良太は必死に考えるが、

打開策など思いつかない。


特に取り得のない中学二年生の少年には限界があった。


だけれども、必死に良太は考える。


現状のマリーの攻撃手段は

剣による接近攻撃しかない。


魔法さえ使えれば何とか戦える。


ランクは低い駆け出し冒険者だが、

魔法ならばダメージは剣より大きい。

何とか勝ち目はある。


だが、マリーは魔法が使えない。


ゲームとしてプレイしていた時は簡単に使えた、

キーボードに魔法攻撃のショートカットキー、

それを押すだけ。


良太はパソコンのキーボードを見る。


マウスカーソルを標的に当てて

ショートカットキーを一回押すだけ。


こんなふうに、カチッ、と…。


氷の散弾が相手を襲う。


ほらね、こんなふうに。



(えっ!!?)


不意を突かれた爆炎使いは、

氷の散弾を全身に浴びる。


「ひぎゃっ!!」


マリーはその様子を見て、

良太に問いかける。


「な、何?今の!?リョータくんがやったの!?」

(いや、僕って言うか…、いやマリーの魔法だよ!)


「やっぱりリョータくんがやったんだね!やっぱりすごいよ!リョータくん!」


マリーは無邪気に喜んでいる。

良太に対して「やっぱりすごい」と褒めてくれていた。


(いやマリーの力だって!僕じゃないよ)


爆炎使いはよろめきながら立ち上がる。


「ただ一回魔法が当たっただけだ!この程度…」


強がってはいるが

HPバーは剣の一撃よりも大きく減っていた。


「勝負はこれからだ!ようやく魔法を使った位で調子に乗るなよ!」


「これで戦える!リョータくんまたお願いね!」

(…正確には僕じゃないけど…、でも、これでやっと僕もマリーのサポートくらいはできるよ!)


「なんだ、それを気にしてたんだね!リョータくんは私の事ずっと支えてくれているじゃない、今もそうだし、これまでもずっとそうだったでしょ?これからもずっとそうだよ!」

(ま、まりぃいい~!)


「何を一人でごちゃごちゃやっている!行くぞ熊殺し!!オレの最強無敵の必殺技をお見舞いしてやる!ねーい!!」


後は説明不要なまでにマリーの圧勝だった。



マリーはPvPの勝利報酬である

爆炎使いの両刃の大剣を手に入れた。


「これ、貰っていいの?」

(大丈夫だよ、それがルールだから)


「何か、強盗みたいだね…」


少し照れながらマリーは大剣を背負いベルト動かして、

しっくりくるまで微調整をする。


野次馬たちが安全地帯からマリーへ駆け寄ってくた、


「すげー」とか

「やった!」とか

「かわいい」とか、歓声に包まれた。


照れのせいか、マリーは余計に暑くなった。

いや、周囲の冒険者が暑苦しかった。


そのマリーの肩に

ひんやりとした冷たい闇色の手甲が触れる。


暑苦しかった空間が不気味に冷たくなる。

瞬時に只ならぬ雰囲気に包まれた。


マリーはすぐ背後に感じる違和感の正体を見る。


「…何?まだ、やるつもりなの?」


「ボス」と呼ばれていたゴロ寝子同盟の強者であろう人物が

マリーの背後に立っていた。


…そして既に野次馬たちは安全地帯へ避難している。


「…いや、そのつもりはない、きさま名前は?」


直前まで気配は感じ取れなかった。


その不気味なオーラを悟らせないように

マリーの背後まで近づいていたのだ。


「あんたたちみたいな、悪党に名乗る名前はない」

(マリー、刺激しないでね)


「…生意気な、まあいい今回は見逃してやる…」


「そう残念…、せっかく魔法が使えるようになったのに」

(刺激しないで、マリー)


「だが忘れるな、我々ゴロネコは仲間を殺した者を赦さない、この世界を止めたくなるまで徹底的に狙うからな…、覚悟しておけ──────行くぞ!」


くぐもった声で

他ゴロ寝子同盟の黒マント一同を引き連れ去って行った。


再び野次馬たちが安全地帯からマリーへ駆け寄ってくる。


「すげー」とか

「やった!」とか

「かわいい」とか

「フレンドになりませんか?」とか歓声に包まれた。


暑苦しさが戻って来た。


そして一体今までどこに隠れていたのか定かではないが、

今回の主犯の猫耳娘が割って入って来た。


「いやぁ、お姉さん、すごく強いですね!あのゴロネコを倒すなんて!いや、ホントは私も手伝おうとしたんですよ!」


見た目どおりころころとした可愛らしい澄んだ声で都合の良い事を言う。


「あっ、申し遅れました、私フタバって言います!そうだ、フレンドになりませんか?」


フタバがそう言うと、「オレも」「私も」と周囲の冒険者たちが、

暑苦しかった。


「…友達?別にいい。ところで怪我はないの?」


軽く一蹴するマリー。


「何言っているんですか、貴方の方がボロボロじゃないですか、ほら、このポーションあげますよ」


フタバはそう言って

ポーチからポーションを取り出す。


マリーは当たり前の様にそれを受け取った。


「ありがとう、じゃあさよなら」


そして、そのまま強引に物凄いスピードで去って行った。

既に後ろ姿は遥か彼方に…。


「えっ、ちょっと?…って早っ!?ここはもっと引き延ばす場面でしょ!?」


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