34話僕の考えた最強の魔法Ⅱ
そう、俺は勝負事となると手が震えてしまう。
めちゃくちゃ気が小さいのは前にも言った。
対戦ゲームでもちょっと煽られただけで操作ミスしてしまうほどに。
煽る奴ほど、弱い奴と対戦しても時間の無駄とか言う。
煽って弱くしておいて、それは矛盾してるよなと思う。
対戦ゲームのプレイヤーの質というのはどうしてああなのか?
いくらなんでもアレは無い。
スポーツもそうだ。礼儀など無い。気分が悪い。
サッカーは好きでもサッカー選手は嫌いだ。反則しすぎる。
反則はしてはならないから反則なのだ。
故意で無いフリをする時点で品性や良識に欠ける。
どんなに巧くても失望感しか感じない。
ちゃんとブラックリストがあればいいのにな。
だが、賭け事は別だ。賭け事は殺し合いであって遊びじゃない。
次のゲームでは眼球反射を利用したイカサマをする。
相手の手札は見えたが俺の手札が糞過ぎた。
ですよねー。って言いたくなる。
そんな感じで結局予定どうり全部スって賭場を出た。
外はもうすっかり夜になっている。
スラム酒場で飯食って寝よう。そうしよう。
賭場では魔法はとくに探知されなかった。
いいのかそれで。
あと多分配られるカードがいじられてた。
ちょっといい手札が来ると、他にもっといい手札を持つ奴がいる。
カードだけじゃなくダイスの動きに少し干渉してみたりもした。
目を操作するのは無理だが、誰も気づかなかった。
一般人向けではあるが賭場ですら
魔法を意識してないのは驚きだった。
「奥の部屋」とかになればまた別なのだろうか。
それから賭場には冒険者はあまり多くは来ないらしい。
モンスターと戦うほうが稼げるので賭ける必要が無いようだ。
たしなみ程度の遊びだそうだ。
クリーンすぎる。
この世界の経済がどういうふうに回ってるのか、
イマイチ想像できない。
魔石を買い上げる金がどこからでてくるのか?
だんだん思考がそれていく。
賭場にエロいお姉さんが居なかったことは気にしてない。
それより街娼のほうがはるかにエロかったからだ。
今日負けた分をこっちにつかえばいいこと出来たんだろうなあと
考えるもグッとこらえて逃げ帰った。
今日も酒場の飯はうまかった。
それからしばらく。
ダンジョンに潜り、金を稼いで飯を食う。
そんな漫然とした冒険者的日常が続いた。
ここまで散々テンプレなど無いと物申しておきながら、
おかしい、こんなはずではなかった
という気持ちで一杯な今日この頃。
転生したらチートで俺ツエエして、
ダンジョンや町で都合よく美人だけど訳ありなヒロインを誑して、
えっちらおっちら出来るんじゃないかと期待していた自分がいる。
こういうこと言う奴は大抵脇役の転生者だ。
俺は脇役なんだろうか?
魔法も思ったより使えるし、ランクも一気に上げた。
言葉も覚えたし、装備も個性的で目立つ。
勝ったも同然じゃないかとすら思っていた。
だが、現実はこうだ。
まず出会いが無い。
ダンジョンに出会いなどあるはずが無い。
町をゆくお姉さん方は通り過ぎて行くだけだ
声をかけねばならないがどうかければいいのか?
ナンパなんぞエロゲーか国分寺の駅前でしか見たことが無い。
そして根本的に年の問題がある。
いくらLVが上がったかなんかで肉体的に活力が戻っても
20も年の離れた相手はただただ眩しいだけで、
どう接していいかわからん。
いや、年が近かろうとわからんのだが。
童貞は死んでも童貞だとでもいうのだろうか?
正直言って男の大半は後腐れなくセックスしたいだけだろう。
あとデートとかイチャこらごっこしたりして、
他人に見せ付けたいだけではなかろうか?
この人の傍にいたいとか守りたいとか、家庭を作りたいとか、
そんなこと考えて女性と付き合うやつなんて居ないと思うのだ。
そんなんだからいつまでも童貞なのだこのたわけがっ!
と師匠ならきっと俺を張り倒すだろう。師匠などいないが。
娼館行けばいいのはわかる。
だが、娼婦に入れ込んでヒロインを得たつもりになるのは
いかがなものか?
実は避妊魔法は既に完成した。
街娼を見てから必死こいてつくった。
魔法でパイプをフィルタリングし、精子に干渉して改変、
安全に生で出すというすばらしい魔法だ。
もちろん逆も可能だ。すばらしい魔法だ。
さらに細胞分裂を活性化させて一気に臨月まで持っていければ
即ボテ魔法も夢じゃない。即ボテを考えた奴は天才だと思う。
女暗殺者とか、悪女をこらしめて即ボテさせて反省させたい。
何かの治療などへの応用にも夢が広がる。
何かってほらあれだよゾンビウイルスとか。
一度体外へ放出した精子を天派でもって改組を施し、術式とする。
同様の改組を地派を使って体内で行い、出したものが
意図したとおりになっていれば完成である。
ただ、改組といっても多少元気をなくさせて、
細胞膜を突破するための要素のいくつかを阻害するだけだ。
完全に除外するとなんか詰まったり、生産量に影響が出たり、
ホルモンバランスとかも変わりそうだから
出すものは出すべきなんじゃないかなと。
そしてこれが、俺のはじめて完成した地派魔法であった。




