03話2日目
さあ朝だ!少し肌寒い
茂みから再度ゴブリンを確認するとなんと
死体がきれいさっぱり消えていた
引きずっていかれた後も無い
モンスターの死体は消えるパターンか
リアルな感じだと思ったが、月といいおかしなところもある。
これなら魔法の可能性もまだまだ微レ存じゃないかね?
死体のあった場所を這い蹲って探すと
少し緑がかった黒い石が一個づつ転がっていた
こ れ は 魔石!ってぇ奴じゃないですかね?
大きさはビー玉程度で歪な形だ
爪だとか耳だとか角だとか牙だとか
解体して取っておくべきだったかも知れないが
解体すると消えないパターンとかもありえるし
直近で役に立たないので放置した
奴らの持っていた棒切れはその場に転がっていたので
一緒に回収した
さらに木槍を研ぎなおし蔓草を採集しつつ、
すっ飛んでいた石を回収し結びなおす
さらにもっと良い石がないか探す、石斧とかボーラ作りたい
あ、あと弓も作りたいな。
消防のころ、昔の遊びクラブというので
手製の弓をつくって的当てして遊んだことがあるのだ。
割と強力で人に当てるのはやばい遊びだった。
しかしなにより、水場を先に見つけなければならない。
手のひらで魔石を転がしながら俺は移動を開始した
太陽を見つつ南に向かって進む。
木を見ればわかりやすいのと
植生的に北半球ではないかと勝手に思ったのと、
南は暖かく獣人の国ってのがセオリーだからだ。
どうせなら猫耳と兎耳が見たい、そんな判断である正しかろう?
とか思いつつ、魔石について考える
基本的に何かの魔法的エネルギーを秘めている
と描写されることが多い
魔道具の電池のように扱われたり、
陣を刻んで使い捨ての魔法のように使われたり
通貨のように扱われたり、
魔法使いの杖につけられていたりもする
とにかく魔法に関係しているはずなのだ
これを使うことが出来れば俺も魔法が使えるかもしれない
しばらく進むと光が差している、森が開けている場所を見つけた
森の出口かと思ったが駆け寄ったりはしない
魔物や盗賊の巣とかの可能性もあるのだし
街道沿いで人が居たりする可能性がある
どちらであっても見つかったらやばい。
テンプレみたいに現地人と町まで一緒に行けるとか
思う奴は頭がお花畑だ
捕まって奴隷コース一直線しかみえない。
隠れてじっと観察してみたがとくに気配はないようだ
近づいて見ると、その空間には不自然に盛り上がった地面に
入り口のようにぽっかりと開いた穴。
草ぼうぼうのそれは何かの獣の巣というにはかなり大きい。
かといって自然洞窟というには不自然な形。
これはあれだダンジョン入り口だ、そうに違いない。
回り込むように入り口反対側へ森の中を移動し、すばやく近づく。
横から見た形は30度の三角定規のようで、
地下へと続いているのだろう。
壁面がぼうっと光っているとか
転移結晶があるとか
なぜか読める看板があるとか
そういったサービスは一切無いようだ。
側面へと張り付いて中を何度かちらりと覗き込むが
暗くてよく見えない。
階段も無い坂道だし、音も聞こえてこない。
よって、入るのは諦めた。テンプレみたいに(略)
替わりに、反対側から入り口屋根へと登り周囲を見回してみると
ある方向に白い煙が昇っているのが見えた。
だが煙突や焚き火といった感じではなく、
ある程度の範囲から上がっている。
真っ白で靄のようなあれは…湯気だ!
すなわち温泉!火山性ガスで即死か!
などと思いつつ俺の頭からダンジョン探索はすっ飛んでいった。
俺の体も湯気に向かって進んでいた。
飲み水が確保できるかもしれない。
また森に入る、窪地を避けたりする必要もなく、1時間ほど進むと、
そこには浅い川があった!だがガブガブ飲んだりはしない。
テンプ(略)はもうそろそろいいだろう?腹壊すからな。
さらに湯気の濃い上流へと向かった俺は川底からぽこぽこと
湧いているのが見えるほどの温泉地域へとたどり着き、
一心不乱に穴を掘った
気がつくと焚き火をしながら温泉に浸かっていた。
満天の星空が俺を包み込み、
疲れ果てた体が癒されていく。
だが飲めるのかどうかがまだよく分からないので
軽く煮沸してから少しだけ口に含む程度にしておいた。
器もなしにどうやってだよwww
と思うかもしれないが。器は葉っぱでやった
コンビ二袋に水を入れてライターであぶってみるといい
袋は破れず水は局所的に沸騰する(材質によるかもしんない)
すこしだけしょっぱい気がするので
塩化物泉とかいう奴かもしれない。
塩の問題がこれで何とかなると思うと希望もわいてきた温泉だけに。