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25話コミュ障と受付

周囲にはまれに獣耳を頭上に生やしたムキムキの獣人男がいる。

街中でも見かけたけど、思ったより感動は薄かった。

だってリアルなんだもん。

ぴこぴこ動いてるのはそりゃかわいいよ?獣的に考えて。

なら獣でいいよねっていう。

やっぱり美人か、そのお子様くらいじゃないと効果薄だった。


あと、ムキムキ男は多いが、どうがんばってもマールクあたりが

限界のようだ。プロテインもステロイドも無いしな。


しかし誰も受付に行きやがらねえ。

木札を見てはあーだこうだとだべってやがる。

こいつら仕事する気ねえな、依頼にケチつけてばっかりだ。


やきもきしていると外から一人ローブの男が入ってきた。

トロソ爺さんである。


なんというタイミングのいい男なのでしょうか。

しかしここで飛びついてしまっていいのだろうか?

向こうからすれば俺は一ヶ月前に一度指導を受けただけの変人。

いや、ここは素直に礼を言う感じで。


俺は迷った。

答えがほぼ絞れるような受け答えは出来る。

マールクがはじめて来たときのようにどうにもならない状態では

破れかぶれの会話や受け答えは出来る。

そういう感じでバイトの面接に受かってちょっとやって

すぐ首になったり、ぶっちしたりするのだ。


しかし、今何やってんの?とか聞かれると答えようが無いのだ。

相手がどんな答えを望んでいるのかを考え、

自分にどんな答えが出来るかを列挙し、

とても口に出せないことを除外していくと、

ほぼ一つも残らない。


そもそも、大体オナニーしかしてないからだ。

オナニーして寝る。一日の半分を大体それが占めている。

オナホールは硬くて痛そうだし、置き場も捨て場も困りそうだなと

買う踏ん切りがつかない。そんな男だったのだ。

大型の下半身だけのオナホにとても興味がわいていた所だったのだ。


しかし、トロソじーさんは知恵者だ。知性がにじみ出ている。

資料室の使い方や、おすすめの資料を聞ければはかどるに違いない。

ここはリスクよりも利点を選ばせて貰おう。

そう思い、近づく。まずは先月のお礼からだ。

「ト「おお、仮面の。もう町へ入れたか、なかなかやるのぅ。」」

被されてしまった。

「ああ、なんとか、な。魔狼は油断して死ぬかと思ったよ。」

「ほほ、あれらは素早く、怯まず、巧みに連携しよるからの。

あれで毛皮が刃を阻むほど強靭であったならお手上げじゃのう。

…それにしても言葉は大分良くなったの。」

褒められた。

「マールクとトロソ爺さんのおかげだ。とても助かった。」

礼を言うと、「ほっほ。」と返された。

爺さんが爺さんっぽくしゃべるのって絶対演技だよな。

高齢者への一歩を踏み出した今ならわかる。


「ところで、資料室を閲覧したいのだが、

どのようにすればいいか教えてもらえないだろうか?」

よし、勢いで聞いた。聞いてやったぞ!


「なんじゃ?適当な受付で言えばいいだけじゃぞ?」

軽く流された。くそっ!え~と…


「あっ、いや、そうではなく、知りたい資料の探し方や読み方といった

コツのようなものを聞きたいのです。」

よし、立て直した。


「ふむ、まあよかろう。こちらの用事が済んだら

資料室へ行くとしよう。しばらく待って居れ。」

そういってトロソは受付に向かった。


よしっ。とか言ってる場合じゃない。こんな調子で大丈夫なのか?

受付嬢に話しかけることも出来なかったとか。

元の世界では当然であるとしても、

こちらの俺はずいぶん違うはずだ。

それなりに鍛え、中位に駆け上がった(魔法でズルした)

のだ。もう少しくらい自信を持ってもイイハズダ。

オレハツヨイ、オレハカシコイ…


「あ、トロソさんこんにちは」とか受付嬢が言ってる。

顔見知りなのか?やはりそれなりの存在なのか。

くそ、雑音が多くて聞きとれん。

だめだ、胸にばかり目が行ってぜんぜん思考がまとまらん。


魔狼に遅れをとったのは、やっぱり実戦経験が足りなさ過ぎるから

だろう。コボルトを近接でキッチリ倒せるようにならねばなるまい。


戦っている最中は怒りと恐怖で手足がガクガクする。

気の小ささには自信がある。

ゲームでネット対戦しているときですらガクガクするのだ。

誰かが他人の努力や弱さをを嘲笑おうとしている。

そんな奴が同じゲームをしていて自分よりも強いことが

悔しくて、悲しくてたまらないのだ。


相手が俺を食い物にしようとしている。

以前ならガクガクしながら耐え、なんとか教師だとか警察だとかに

捌いてもらわなければならなかった。だがここは違う。

俺も死力を尽くして相手をぶっ殺してもいいのだ。

読むことも出来ない法に縛られること無く、自己裁量で動ける。

こんなにうれしいことはない。


揺れ動くおっぱいに幻惑され思考がそれて行くなかで、

トロソが用事を終えて戻ってきた。

「待たせたのう。さ、まずは受付に申請するんじゃ。」


やっぱり受付からかよ!

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