02話初戦闘
え、一話ごとに前後書きがあんの？
はいタイミング抜群のチュートリアル開始ですよ
実際には石を砕く音や木に打ち付ける音で
寄って来たのだろうがな！わかってた
さて定番はゴブリンだが狼か賊の線もある
イージーモードで角ウサギとか優しい冒険者だと良いなあ
身をかがめて武器を構える
武器なんて握ったこと無いし戦ったことなんて無いだろ普通
と思われがちだが
中学の男子は運動部強制だった。
しかも俺はイジメ続行で不人気部強制入部
剣道場と柔道場のボロ部室が一体化した
筋トレ部に入部していた
美術部に入りたかった
執拗に投げられ絞められ痣をつくり素振りする毎日
才能が無いのか体脂肪率が下がる一方で
まったく筋肉はつかなかったが、棒を振ることと受身だけは覚えた
「ゲギャ」「グギャギャ」
っといいながら飛び出してきたのはゴブリン(多分)だった。
しかし2匹！
手には棒切れを持っているが、すっ裸の深緑色だ
マジか！っと思いつつも体は勝手に動いた動かした
全力で踏み込みながらの全身を一本の棒にするようなつもりで
背の低い相手の腹を突く
外せばヘッドスライディング間違いなしのそれは
手首に激しい衝撃を与えながら突き刺さった！
「グゲェウッ！」
悲鳴を上げて出てきた草むらにリターンしていくゴブリンA
反動で突いた低い姿勢をキープできた俺は
そのまま即座にもう一匹から離れるように側転
いままでいた場所にゴブリンBの棒切れが叩きつけられる
階段の踊り場でリンチされた経験が生きるっ
「グギィィイイイイ！」
怒りの声を聞きながら転がった勢いを殺さないように
跳ね立ち上がりながら引き面の要領で叩きつけるように
振り下ろす！当たろうが外そうが転倒必至のやけくそだ
距離があったのか棒は空を切ったがゴッっと
蔓先の石がゴブリンの脳天を叩いた
棒を手放し尻餅ぎみに後ろ受身をとりつつ、
なお後転してしまいながら顔を上げると
それぞれ腹と頭を抱えてうずくまったゴブリンが居た、
まだ死んでないっ
急いで棒を拾いなおして無我夢中で2匹に打ち下ろした
蔓がちぎれて石が吹っ飛んでいくとやっと我に返った。
息が苦しい
ゴブリンはぴくりとも動かなくなっていた
勝った！第三部完！手首がイッテェェェェエエェ！
というかだんだん全身が痛くなってくる
40代無(略)に死力を尽くした全力行動とか無理すぎんだろ
40肩なめんなっての
それでも棒を杖にその場を移動
回り込むように別の茂みの中でうずくまり遺体の様子を伺った
追撃、新手の心配もあるが、
ここは異世界だとゴブリンが確信させてくれた
倒したモンスターの死体がどうなるのか確認しなければならない
同時に体を休めつつ出来るさまざまな確認もしなければならない
まず「LVがあがった！」的なアレはなかった
様々な言い方、念じ方をしてみるが
ステータス表示やアイテムボックスは使えなかった
いくら念じても唱えても漢字を書いても
火花も水滴も埃も風も出なかった
ちくしょう、ルーン文字とか覚えとけばよかった
魔法使いを通り越して大魔法使いになった筈なのにっ
病気になってもいいから風俗行っとくべきだったっ！
一人自室で○めはめ波の練習をした気分になった
風圧で電気の紐がゆれて
一瞬喜ぶあの空しさを味わうのもテンプレか
糞糞糞糞糞をぉぉぉ体中がズキズキする
ハードモードすぎんだろっ体中がズキズキする
サバイバル原始人転生とかまじかよぉやめてほしい
体中がズキズキする
生活基盤も伝手も知識も一切なしとか無理すぎんだろ
体中がズキズキする
俺は意識を失った
目が覚めた
手首と左太腿が痛い
周囲は真っ暗で虫の声と梟？の声がする
暗すぎてゴブリンは見えない
空には月が一つと満天の星空。
月は赤いとか2つとかは無いが、
なんとなくでかくて模様が明らかに違った
ウサギにも蟹にも見えない、
いや、どうみても拳跡にしか見えなかった
なんだあれまじか脳筋か報酬はプロテインなのか
森から出れば月明かりで多少は物が見えるだろうが
これでは行動できない
このまま朝を待つことにすると同時に
もう一度よく考えチート(希望的観測)の確認をする
なぜかというとLVがあがって体が痛くなって
気を失うパターンもあるからだ
いわゆる経験地（魔素）が体に融合し強化されるってやつだ
宿屋で休むとLVが上がるやつもある。
まあ、なにも起こらないんですけどね
ハードモードだね糞ったれだね
尿意をもよおしたが少し我慢する
こうすると再吸収されすこし水分を節約できるとか
聞いたことがある真偽不明
地面に耳を当てて地下水脈の音でも聞こえないかと調べてみるが
なんだかよくわからないゴーという音しか聞こえない。
自分の血の音かもしれない
うずくまって目を瞑りひたすら朝を待つ二度寝だ
きがつくと朝になっていた
手首は軽く捻挫しました。
とりあえず20話まで登録。
