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11話森の出口と異世界人

森の向こうが明るくなってきた、出口だ。

とくに気配は無いが一旦荷物を置き、身を低くして警戒して進む。

森の先は荒れた草原だ。肩くらいまで有る雑草が茂っている

木に登って先を確かめると程近くに道が見えた

そしてテンプレだった。


荷物を満載した馬車が盗賊に襲われており、護衛が応戦し

身なりの良いデブが縮こまっている。馬をやられたようだ。

「ブヒィッ」っという悲鳴は空耳だろうか?

女っ気はゼロだ。男たちの生きるか死ぬかの戦いである。


だがコレは重畳、幸先が良い。

これで文化、戦い、人種が知れた。

戦いは盗賊がやや有利、押し切るか?

護衛が逃げ出す選択肢は有るだろうか?

草とか衝突音のノイズがひどく、

音量を上げても声が聞き取れないので急いで近づく。

漸く近づいた頃には負傷者続出である。

テクスチャも使って身を潜める。

「オオオオオオオオッ」「ウギャアアアァ」「ブヒィブヒィィッ」

うん何言ってるか全然分からないね。

倒れて転がりながら、取れかけてる手を押さえて泣き喚いてる男は

「てっ手がああぁぁっ?!俺の手がああぁぁーー!!!」

って絶対に言ってるよね。

いくつか同じ単語を連発してるから、

畜生とか罵倒も混じってるかもね。

あと短い同じ単語を叫びながら剣で切りかかってる盗賊は

「死ねっ!死ねっ!」

って言ってるっぽい、表情がやばい。

うーん、どうすっかな…あ、また護衛が一人倒れた

これは決まったか?

馬やられて逃げようが無いから被害は確実なのに、護衛は戦ってる。

交渉して半分渡して見逃してもらうとか出来ないんかね?


今からでも助ける…は無いな。

助けてお礼に言葉を教わるならバブみを感じるお姉さんか、

面倒見のいい幼女がいい。

ノーマルな女性は要らない、リアルすぎる。

まあ全部年下になるわけだが。

幼女を肩車しつつ言う事を聞く朴訥な男になりたい。ウガ。


護衛が全滅したら~

盗賊を全滅させて商人と交渉する?商人を森へ引きずり込む?

商人が死んだら~

盗賊の後をつける

盗賊ぶっ殺して荷物を漁る


やりたいことと考えた結果が食い違うといっつも無駄に迷う。

自販機で新商品を買いたい気持ちと、

いつもの安全策を取りたい気持ち。

そんなことを考えながら「視界拡張」を使用して、撮影する。

レンズの派生になるが、

テンプレってなんでカメラ作らないのか疑問しかない。

地図とか文書とか人相とか使い道満載だろ?

まあ何でもゴリ押しで解決できるからだろうけども。


あ、また護衛が倒れたと思ったら残りの護衛が逃げ出した。

2人残して盗賊が追いかけて行く

豚が喚いてるこれは強欲クズ商人だwwwww助ける価値なしか。

いや、この状況で叫ばずにいられる奴なんかいるわけが無いな。

そんな聖人なら最初から荷物渡して交渉してるよなwww

あ、商人縛り上げられた。

ニタニタしながら盗賊が商人になにか言い聞かせてる

ガックリした商人を放置して、

2人で死んだ連中から装備を剥ぎ取り始めた。

すげえ、死んで色々漏れてるパンツまで剥がしてまとめてやがる。

やっぱ本物の盗賊やべえな。ん?死体を担いで運び始めた?

もう一人は血の跡を掘り返して埋めている。

ちゃんと痕跡は隠すのか。

あとは落ちてる手とか指とか足とかワタとか放り捨てて終了か


そうこうしてる内に追いかけてった連中が戻ってきた。

剥ぎ取った荷物まとめて上機嫌だ。

汚れてない服(当社比)を広げて自慢している。

大方、武器を捨てたら見逃してやるとか、

そのまま全部脱げとか言って

身包み剥いだ挙句にぶっ殺したんだろうな、胸糞の悪い奴らだ。

サッサと荷馬車を最寄の位置へと引いていき、

いつの間にか来ていた増援と合流して

荷物を運び去っていく。

おう、荷車まで解体して運んでいきやがったwww

最後に足跡をささっと掃き消して適当に土を撒き、撤収完了の様子。


ん~追跡は止めとくか。

良く考えると鳴子とかあっても気づけないんだよね。

取り合えず戻って死体を確認することにする。

林の奥に遺棄された死体は草と土が適当に被せられ、

ご丁寧に顔がつぶしてあった。

グロいです。しかし、顔も盗めないとか、すげえな。忍者かよ。

あ、髪の色は収穫あった。カラフルだった。これはまずい。

脱色なくては。


あと、全員胸を抉られてる。

つまり人体の中に魔石が有るということだ。

俺の体の中には無いっぽいんだがどういうことだろうか?

仕方ないので指紋をいくつか取り、

ちょうど腹の割れてる奴をかっぱらって

森の中で腑分けしてみる。特に内臓に違いは無い。

いたって健康そうだ。死んでるが。

はたして、人間の死体は消えるんだろうか?

用意しておいた脱色剤で作業しつつ

一日待ってみた。消えなかった。うーむわからん。

頭皮へのダメージが気になる。

腐敗が進んでよりグロまった。

勘弁して欲しいので土と草をかけて、手を合わせておく。


街道沿いに戻れば見張りの盗賊が居る可能性が有る。うん、居る。

十分離れて進めば問題ないとして、馬車は東へ行こうとしていた

つまり、東へ行けば荷物が捌けるような町があり、

慌てる商会が有り、そこから流れる人材を得られれば

読み書きを覚えられるかもしれない。

西はあれだけ仕入れられる豊かさが有る?

盗賊に情報が漏れて待ち伏せされるようなことが有る?

不確定だな。

もし先人が居るなら東は気になるはずだ。うん、東に行こう。

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