星屑
学校の帰り道、川沿いの道を歩いていた僕たちは、河原で明滅する星の屑を見つけた。一番初めに発見した弟は、星の屑に駆け寄ると大事そうに拾い上げ、「兄ちゃんやったね」と僕に微笑んだ。
「まだあるかもしれないから、よく探そう」
僕たちは付近の河原を探し歩き、計四つの星の屑を見つけた。
「これだけあれば大丈夫だ」
僕と弟は顔を見合わせ笑う。あまり知られていない事だけど、約一週間は明滅を繰り返す星の屑には、光る以外にもう一つ、とても重要な力がある。
僕と弟は高い岩場まで移動すると、拾った星の屑をお尻に擦り付け、その場から飛び降りた…。
夜の河原を歩く一組のカップル。何かに気付いた様子の彼女は、指を差し感動の声を上げた。
「ねえ見て、あそこ…。まるで兄弟が追いかけっこをしているみたい…。綺麗なホタルね…」