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貧乳好きの元下着販売員、異世界を救済する  作者: 辛味亭
第03章 実験都市トチョー編
291/377

291.女狩猟豹 その10

「お嬢ちゃん、行くぜ」


 お姉さんは、そう言う前から、動き出していました。

 先手の方が普通は有利ですからね。

 特にお姉さんみたいなスピードタイプにはね。

 それに、ルールは有って無いようなモノです。

 盗み勝負で、勝った方に、負けた方が従う。

 ただ、それだけです。


 お姉さんは、手堅く武器狙いっぽいです。

 簡単に盗れそうなモノは武器かネコ耳ニュケーションのセットくらいですからね。


 フェイントを入れつつ、ボクの死角を狙っています。

 これくらい動きなら目を瞑っていてもなんとかなりそうです。


 お姉さんの右手が腰の短剣に向けて伸び始めました。


「【乙女流】の前では、動いたら負けなんですよ」


 お姉さんは、ギルド長だけあって、それなりに出来そうな感じです。

 でも、ボクから見れば隙だらけだったので、いつものつもりで、思わず、投げ飛ばしそうになりました。

 だけど、今回は、そう言う勝負じゃ無いんです。

 投げ飛ばしても意味が無いです。


 仕方ないので、お姉さんの攻撃をギリギリのとこで、身体をひねりながら、かわすだけにしておきます。

 お姉さんに、ボクの動きが見えるように、ゆーーーっくりと動きます。


「ちっ、ぬかせ! でも、この盗賊ギルドに来るだけあって、なかなか、やるな、お嬢ちゃん」


 イヤイヤイヤイヤイヤイヤ、ストレスが溜まるくらいゆっくりな動作ですよ。


「大したことじゃ無いですよ。それに、お嬢ちゃんじゃなく、ボクは男です。さっき、言い間違いましたけど、名前は、ラーマ・オトメです」


 やっと、性別と名前が言えました。

 ボクのセリフで、一部の盗賊ギルドの構成員(?)たちの顔が青くなりました。


「やっぱり、本物じゃないっすか!」

「噂通り、マジで可愛いし」

「オヤビンじゃないけど、ネコ耳と尻尾、サイコーらおー」

「オレもファンクラブに入ろうかなぁ」


「オヤビン、本物っすよ。手を出したら、めっちゃヤバいっすよ」


 ヤバいのは物理的ですか?

 それとも社会的ですか?

 まぁ、どっちもヤバいんですけどね。


「か、賭けは有効だ。だから、あたいが勝てば、全て丸く収まる」


 そう言えば、そうですね。

 この勝負をする事は、ボクもOKを出しています。

 ですから、勝負自体にはお咎めがないでしょう。


「無理っすっよ。あのシンを軽くあしらえるって噂っすよ」


 一時期はシンにボコられてましたけど・・・。

 ボクの新しい弱点が見つかるまでは、しばらく安泰です。

 いえ、これは、フラグじゃないです。

 ずっと安泰です。


「噂は、噂だ。現に、あたいはお嬢ちゃんの動きが見えている。なかなかやるみたいだが、これくらいの相手なら余裕だ」


 そう思われるように、手の内を見せてますからね。


「お姉さんには、手を出させませんから、手を出した時のお咎めは考えなくても大丈夫ですよ。お姉さんをボクが一方的にヤるだけです」


 可愛くないって言われる性格を全力全開です。


【乙女流:生存術:武装解除MAX】


 武器、上着、ズボン、聖衣の上下を順番に剥いでいきます。

 聖衣は、ピンク色のフリルの付いた可愛らしいデザインでした。

 そして、聖衣の下も使い込んでいるわりに、ピンク色・・・いや、なんでも無いです。


 一瞬にして、お姉さんは、真っ裸になりました。


「お姉さんから、盗めるのは、後、心くらいしかありませんが、まだ、続けますか?」


 盗賊ギルドの構成員(?)たちは、状況について来れずに口を開けてポカーンとしています。

 お姉さんは、顔を真っ赤にしましたが、取り乱すことなく、両手で胸を、尻尾でクロッチ部分を隠しました。


 あー、やり過ぎました。

 ほんとに、やり過ぎました。


 可愛くないって言われる性格を全力全開はマズかったです。

 ここまでするつもりは無かったんです。


 むっちゃ困りました。


「お前の勝ちだ。さっさと望みを言え」



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