202.マナの発明品の第1弾
『HERE COMES A NEW CHALLENGER!』です。
朝食の準備がちょうど終わったタイミングで、ロングフォレスト家もやって来ました。
ツナマヨ大人気で、クリコで、クロマグロに力を入れることに手応えを感じたみたいです。
「LFの牛乳を使ったデザートです。卵黄と砂糖を入れて、冷やしながらかき混ぜたものです。昨日にうちに仕込んでおきました。こっちは同じ材料で蒸したモノです。下に、砂糖を焦がしたものが入れてありますので、その部分と一緒に食べると美味しいですよ」
作ったデザートは、アイスクリームとプリンです。
「このアイスクリームとこっちのプリンはLFで専売予定です。どうぞ、召し上がって下さい」
!!!!!!
「「「「「「美味しい」」」」」」
プライベート食堂にいる全員の心がひとつになりました。
想像ですけど・・・。
「ちなみに、おかわりはありません」
みんなのテンションが一気に下がったのが分かります。
それでも、ニコニコしながら味わって食べていました。
「ラーマ大公、そして、ロングフォレスト家のみんなは、こっちに来てカードを出さんか」
お義父様は、アイスクリームとプリンを気に入ったみたいです。
「分かりました。・・・ミヤフィールドさん、御用商人の許可証を貰えるみたいです」
毎日、アイスクリームとプリンをお城に100個届けることが御用商人の許可の条件になりました。
デザートも食べ終わって、みんながそれぞれの持ち場に移動します。
お化粧はとりあえず口紅から始めました。
『インダス』を使って大量に口紅を作りました。
お化粧品は、関係者に限り無料という事にしました。
値段を付けたらとんでもない価格になりそうだったからです。
ただ、この辺りのアイテムは無秩序に出回らせたくないので、ひとりでも譲渡や横流しをした場合は、サービス停止にすることしました。
クーはファンデーションで、白い肌にして、バッチリお化粧しました。
クーは、シンとティコアと回復の魔石を売り込みに行く準備、そして、準備が出来たらお城に向かいます。
お義父様は、お城に向かいました。
回復の魔石の買い取り、そして、新ギルド、養鶏場の手配もありますからです。
ポルノフさんが連れてきた、オノレフェアのルーキーたちは、前半後半でメンバーを分けるみたいです。
5人はミュージックスタジオで練習、もう5人がカレーショップでウエイトレスをやります。
ただ、今日は、座席が増えたタイミングでしたので全員フルで働いて貰うことになりました。
ポルノフさんは、本格的にミュージックスタジオで寝泊まりするための準備に出掛けました。
クリコとLFで募集して貰ったラーマ食品加工の従業員20人はジィッタに任せてました。
今日は、野菜と肉のカットと計量で終わりそうです。
アイテム収納を使えば腐らないので、どんどん前倒しで作って貰っても問題ないです。
フルにジィッタが見ているわけにもいかないので、ジィッタの補佐はヴァラーハに頼みました。
ちょっと不安ですが、消去法でヴァラーハしかいませんでした。
それに、ジィッタじゃ、寮の部屋の鍵が開けれないですからね。
寮のマスターキーは、ボクと嫁たちーズしか登録してありません。
カレーとご飯を作るカレー工場は、薬剤ギルドにお任せになりました。
とりあえずは、ビーマが仕切ってやっているみたいです。
ラーマ食品加工から、食材が納入され次第、動き出す感じです。
30分もすれば、納入されて来るでしょう。
薬剤ギルドから派遣されて来ている人も一気に増えました。
明日から、随時カレーショップをオープンするからです。
お店に調理人がいなくても営業できるようになったのが大きいです。
募集する人の条件が下がったので、人を集めるのが楽になりました。
スラムも人がだんだん減ってきています。
本当にケガや病気で動けない人が残っているだけになりつつあります。
そのうち、マナと一緒に治療に行こうかと思います。
クリスは土地管理業者にお使いに行って貰いました。
メイクアップ用の部屋を作って貰うためです。
プライベート食堂の中で毎日メイクアップするわけにはいけませんからね。
それと、隣に大きなお風呂を作るためです。
というか、お風呂ばっかり作っているような気がします。
カルキは朝寝です。
食べてからベッドに直行です。
「さて、マナの発明品の第1弾です。先ほど、みんなのカードに登録したラーマふぉんについでです。RTT、ラーマ・テクノロジー・アンド・テレフォンと言う会社に管理させます。社長は、昨日なんでもしますと言ったチャーラーです。ちなみに給金は月金貨1枚です」
「ラーマ大公さま、私、聞いてないです」
「今、初めて言いましたからね。部下はマルートです。冒険者ギルドの受付嬢の妹です。同じく給金は月金貨1枚です。RTTの社長と同じです」
超ブラック企業です。
でも、2人は正規従業員なので、大入り袋がでます。
これが月金貨70枚分以上でますが、2人にはまだナイショです。
カレー工場は、薬剤ギルドに任せることになったので、マルートはRTTの方に配属です。
「よろしくお願いします」
「だから、私、聞いていないってば」
「聞いてなくてもやってもらいます。クリコとLFには、ラーマふぉんを売ってもらいます。概略から行くと、RTTからラーマふぉんの権利を1つ大銀貨1枚で買い取って、1つ売れる度にRTTから金貨1枚報奨金を支払います。ここまでは、良いですか?」
「ラーマ大公さま、そうすると、RTTは赤字ですよね? 社長の私はバツとして、あんなことやこんな気持ちいいことされるんですか? 私はそっちの方が幸せになれる気がします」
チャーラーの指の動きがエッチィです。
「チャーラーさんの言うことは、ともかく、RTTは利益がでるんですか? わたしたちは売れば売るほど儲かりそうなので構わないのですが・・・」
「ラーマふぉんは月額の使用料を取るから大丈夫です。1ヶ月、通話・・・ラーマふぉん同士で話すことを通話と言いますが、1ヶ月の使用料と通話回数は、大銀貨1枚で20回、大銀貨2枚で50回、金貨1枚で200回、金貨5枚で回数制限無しです。月内の回数の追加は大銀貨1枚で10回のみです。追加の回数制限は無しです。残った回数は最大翌月の契約回数のみ持ち越しできます。12ヶ月間が最低契約期間で保証金で金貨1枚貰って下さい。そして、12ヶ月経ったら受け取りに来たお客様には保証金を返して下さい。ここまでで質問はありますか?」
1回の通話料は200円ですが、時間制限は無しです。
最低料金でも年間2万4千円で1万の報奨金を出しても利益がでます。
実際に払うのは、1年後に保証金を取りに来たお客様分だけです。
「ラーマふぉんを無料にしても、1人あたり大銀貨4枚の利益になります。こういった売り方でも良いです。月額使用料は各ギルドにお願いしようと思っています。ギルドには1割引で卸して、差額がギルドの利益になります」
親設定ラーマふぉんと子設定ラーマふぉんは通話料は無し。
親設定は、クリコ&LF一家の計6人で、クリコ&LF一家は別の設定になっています。
親設定から子設定ラーマふぉんがコピーでき、子から孫ができ、孫からはコピーできません。
子設定は、販売する人をターゲットにしています。
オプションでパーティ念話も出来るようになっています。
ラーマふぉんのパーティボタンを押しながら、伝えたいことを考えれば、それが、冒険者ギルド用のページのパーティに登録されていて、ラーマふぉんを持っている人に伝わります。
中継通話機能もあります。
直接繋がらないで、中継に設定してある人に繋がり、そこから繋ぎなおしてもらう形です。
ボクは嫁たちーズを中継に設定してあります。
今回は、家庭用向けですが、業務用とかも考えています。
マナが頑張ってくれたおかげで、ここまでの事が出来るようになりました。
目の下のクマが痛々しいです。
こういった売り方が初めてなので、エサーキさんもミヤフィールドさんもやる気です。
「今の説明だと1年後まで、私たちやる事無いですよね? 保証金がそのまま報奨金になりそうだし・・・」
さすが、RTTの社長です。
何だかんだ言って、きちんと考えてくれてます。
「そうですね。でも、仕事はあります。まず、使い方をダレよりも完璧に覚えます。そして、クリコ&LFの従業員に教えます。当然、質問の窓口にもなります。ギルドの最初の交渉はボクがしますが、以降はRTTが担当です。後は、外で宣伝です。ラーマふぉんを使ってる姿をみんなに見せてやって下さい。もっと増やしますか?」
「いえ、大丈夫です」
「では、マナの発明品の第2弾です。これもRTTで取り扱います」
「いきなり増やさないでよぉ」




