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【武器世界物語】  作者: ezelu
第1章 武術都市の闇
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TBV

声と共に風が突然大きくなり、それは刃のように終の左腕を切り落とす。


ボトッと音がして腕の断面図から赤い液体が溢れ出している。


『ッチ…まァ、9人は殺したし任務には支障はねェかァ…』


終はそう言うと、雷へと姿を変え何処かへ消えた。


『何が起こったんだ…痛ってぇ…』


全身の痛みを感じながら立ち上がると目の前に白い髪の少女が立っていた。


『柳瀬 凌駕様ですね。貴女をこれから我が主人とし武術都市の破壊を目的として動きます。どうぞ、よろしくお願い致します。』


『え?お前…今なんて…』


『同じセリフを言うのは面倒です。解釈をお願いしたいのですが?』


白髪の少女は意味の分からないことを凌駕に言うと無表情のまま凌駕を見つめている。


『主人って、お前名前は?』


『私の名前は、空吹 楓(そらふきかえで)。風の能力者です。武術都市の武器の中の風スキルの原点となる者でございます。

一つ言いたいことがあります、主人のスキルは雷。つまり、この9人のメンバーの死因を分析すると雷が関わるものと思われ貴方が間違いなく犯人とされるでしょう。ですから、私の家へ一度非難されてみてはどうですか?』


『えぇ…俺犯人なの!?まぁ、そういうことになるか…うーん。じゃあ、取り敢えずその場所に行くか…詳しい話は後で聞かせてもらうからな!』


『御意』


血まみれの元仲間を見つめ途方に暮れようとする。が、自分に置かれた状況を考え二度と振り向かないように心で決意しその場を離れた。


その頃。


『終君、君の任務はまだ終わってないよ?だから、その腕をどうにかしたらもう一人を殺しに行ってくれるね?』


『ッチ…分かってるぜェ…』


何処かの研究施設で終は誰かと話していた。話が終わると闇夜でニヤリと嗤う終の姿があった。


《今日の武闘演戯は中止となります。本学園のSSSランカー、第1位メンバーが9人虐殺を受けました。

全員は雷スキルによって殺害されたものとし"柳瀬 凌駕"を都市内で指名手配犯とします。柳瀬 凌駕を見つけた場合は学園、又はTBVに電話をお願い致します》


何度も何度も、都市内に放送が鳴り響き。凌駕本人の耳にも届いていた。


『俺は、マジで指名手配犯なんかになっちまったみたいだな…』


『ご心配なさらずに、この場所は特殊な風の結界を張っていますので誰も気づくことはおろか、触れることさえできませんので問題はありません』


『問題だらけだろうがっ!何でみんな殺されなきゃならねぇんだよ!』


『その質問に答えましょうか。

剣城学園の第1位、および十人のメンバーは世界最強を誇っています。

彼らの計画を実行するに当たり、一番邪魔になるのはそのメンバーでしょう。ですので、計画前に消しておけばその心配もなくなる。ということです』


『計画?彼ら?何のことだよ!』


『その質問について答えます。

まず、一つ目の計画についてです。

武術都市の武器は、オーダーメイドで誰しもが簡単に作れるものです。ですが、都市外に居る者達はそれが出来ません。武術都市で作られた武器は輸出が出来ないので外には出せません。つまり、武器欲しさに都市を乗っ取り全世界を支配してしまおうかという計画を実行しようとしている輩がいるということです。』


『そんなことのために…』


『二つ目の彼らの正体についてです。

TBVという組織をご存知でしょうか。

TBVは、特殊武術部隊という通称がついており表向きは市民のために世界を守る、昔で言うならば警察という存在になる者達です。表向きは。

本質は、世界の支配。といったところでしょう。TBVの下っ端にあたる人達はこの事を知らないと思われます。上層部の人ならば知っているでしょう。』


『TBV…やることが間違ってんぜ…』


『他に聞きたいことはありますでしょうか?』


『最後に、お前らは…一体…何なんだよ!』


『私達は、2035年の日本の人体実験によって生まれた能力者です。

私達の能力は、今や武器のスキルなどに使われています。私達の髪や皮膚などの細胞のあるものをコア化して武器に装備させればスキルが使用可能となります。世界に散っている能力者の人数は私と雷ヶ峰 終を除き八人です。つまり、合計は十人。私達、能力者はこの力を悪に使わないとそう決めたのです。が、その決定事項は不可能とされ破棄されました。

以上です』


『能力者…?頭おかしくなりそうだ…今日のところはとりあえず寝るわ…おやすみ』


『御意』


その日の夜、凌駕は眠りについた。


闇夜で独り哀しみの目で楓は凌駕を見つめている。何か言いたげな様子で。


『あー…よく寝た…』


『おはようございます』


目覚めた瞬間に挨拶を言われいつもと違う感じに少し戸惑いを感じる。


『お…おはよう』


『今朝はよく眠れたでしょうか。

ひとつお願いがあるのですが、よろしいですか?』


『あぁ…それなりにな…願い?何だ?』


『私を眷属にして貰えますか?』


『眷属…?』


突然の言葉に疑問を抱き口を開く。


『はい、私達能力者は精霊や幽霊などの同じような種類として判断されます。が、目には見えるので多少異なるのですが…私と契約を結び私を眷属として支えさせると貴方の使用している武器に私が取り憑きます。

それにより、通常スキルとは異なり究極のスキルを解放することが可能となるのです』


『でも、そうなると…俺の雷スキルは消えちまうのか?』


『スキルは一つの武器に一属性と決まっています。勿論、私と契約を結べば前の雷スキルは消えます。』


『そうか…ちょっと時間をくれないか?』


『御意』


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